最近体調不良で、ブログをお休みしてました。
お休みしている間、意外と多くみられていた記事があって、
ちょっと思ったこともあったので、きょうはこれを書いてみたいと思います。
みんながマイナ保険証に関心を持ったのは、このニュースではないかと思う。
このニュース、実はわかりにくいニュースで
12月2日から、健康保険証を新規発行しません。
という意味らしい。だから、この日に保険証の有効期間が切れない人は、「この日は」問題ない。有効期間が切れたら、新規発行してもらえないので、マイナンバーカードに切り替えるか、資格確認書を使うことになる。
…っていうと、医療関係の話だけに聞こえるけど、そうではない。
保健証で身分証明をしている人は、保険証が発行されないので、マイナンバーカードなり、運転免許なり、パスポートなりで身分証明をしなければならなくなる。こちらは「資格確認書」でOKになるかどうかは、確認する人の考えになるだろう。
マイナ保険証は、こういうカード発行のところだけが重視されていて、利用方法は、ほとんど謎だ。。。
保険証の利用方法について整理すると、医療機関では、保険証だけを使っている機関は、まずない。保険証と診察券を併用して使っている。この使い方が、中小のクリニックと大病院・大学病院で違う。
【中小のクリニック】診察券と保険証の受け渡しは同時
中小のクリニックや歯科医師では、病院に入ると受付で、診察券と保険証を出す。そして保険証を確認し、この場で返すか、最後の会計の時まで持っていて、会計のときに保険証を確認し、帰るときに返す(診察券も返す)
→この方式の場合、マイナ保険証が導入されても、保険証が廃止され資格確認証となっても何ら問題はない。
マイナ保険証の場合、保険証を提出した後で、マイナンバーカードの本人確認となるのであろう。↓の動画のことをやるみたい
病院側としても、読み取り機を導入するのは、数万、数十万。お金持ちのお医者さんなら問題ないでしょ。
もしかすると、今使っている請求用のソフトをバージョンアップしないといけないかもしれないけど、普通そういうソフトは、パッケージソフトを使っていて、数万~数百万のバージョンアップ料なので、これもお金持ちのお医者さんは問題ない。
なので、中小のクリニックは問題なく、今からでもマイナ保険証 に対応できる・・・かも?(実は大病院のところで示す問題が1点ある。ただし、この問題は中小クリニックではほとんど起きない)
【大病院・大学病院】診察券を多用する。保険証が必要なのは会計のときのみ
初診はちがうが、通常は再診窓口というのがあり、そこに「診察券」を
入れることで始まる。診察券はその場で返してもらえる。
このあとは病院によって違いがあるが、「診察券」を検査の時に使う病院もある(東京医大病院)。
「保険証」を使うのは、月の初めの会計をするとき。今までの保険証と違っていないことを示すので提示する。病院が国に治療費を請求するのは月ごとまとめてのため、月の初めに確認する。保険証もすぐ返してくれる。
マイナ保険証が変わる可能性は2通りある。保険証の機能だけと、診察券と保険証を一体にするという考え方。
もし、「診察券の代わりにマイナ保険証を使う」となったら、大事件です!
いま、受付のところにある診察券が、すべてマイナ保険証に変わるというだけでもう、機械が変わらないといけないですし(それも各病院ごとに違う機械を)・・・
さらに、マイナ保険証ではなく、資格証明書の人はどうするの?という問題もあります。その上、大病院では、日本国籍を持っていない、マイナカードがない一時的滞在者も病院にかかります・・・どうするの??
・・・ってことになり、あと1年でどうにかこうにかで切る問題ではないです。なので、診察券に変えるのは「絶対無理!」です。
(と思うんだけど、東京医大病院って、マイナカード読み取り機が、再診受付(1階入り口入って右手裏)の真ん中の職員さんが座っているところにしかないよねえ・・・これって、診察券の代わりにするつもり?だと、血液検査とか困ると思うけど・・・)
「保険証の代わりに使う」のであれば、1点以外問題ありません。
保険証を見せる代わりに、マイナ保険証を会計に見せて、顔認証する、資格証明書の人はそのとき見せる。問題ないです。問題はそのあとです。「高額療養費」を選択するところです。
資格証明書の人で、高額療養費を申請する場合、保険組合に申し込むと、高額療養費免除の紙がもらえますので、それを提示すればいいだけです「患者側は」。
病院では、その紙には、患者さんはどの階層に属しているので、いくら以上は免除ですというのが書いてあります。それを記録して、(コピーして)その結果に基づいて最終的な治療費を算出します。
マイナカードの人で高額療養費の場合、顔認証の後に端末から聞いてくるそうです。上の動画によると。
なので、「患者側は」はい、いいえを入力するだけでいいのですが、病院側は「はい」の場合、どの階層に属していて、いくらから免除になるのかという情報を、どこからか見て、受け取らなくてはなりません。
これを係員がやるのか、機械が自動でやるのか(機械で自動にやる場合、端末に聞くのか、マイナ保険証のサーバーに聞くのか)を決めなくてはなりません。機械が自動で行う場合には、確実にソフトの改修が入ります。係員がやる場合、ソフトの改修が入るかもしれません。
※機械で自動にやる場合は、中小のクリニックでも同じようにソフトが対応しないといけません。パッケージソフトのバージョンアップで対応すると思います(これが中小クリニックのところであげた最後の課題)
■ソフトウェア改修がはいってしまうと、大問題
で、上記の問題で、ソフトウエア回収が入るということになると、大問題になります。
来年の12月までということになると、
来年中にソフトウェアを修正することになります。
そのためには、各病院の来年の予算に計上しないといけません。
来年の予算に計上するには、
3月31日までに予算を出して承認されなければなりません
3月31日までに予算を出すということは、その日までに
システムの修正箇所がすべて洗い出され
その修正を行うのには、何人月かかるかの
工数がすべて見積もられていること
が必須です
システムの修正箇所がすべて洗い出されるためには、
何が変わるのかの変更箇所をすべて教えてもらわないといけない
んですが、これがよくわかんない。
高額療養費とか、具体的にどうなるの?
情報が、どこから、何が、どうやって(何のプロトコルで)来るの?
ということはさっぱりわからん。これじゃあ、予算も立てらんないし、修正もできない。あと3か月しか余裕ないけど、こんなこと、もう、河野大臣がデジタル相になったときからわかってたはず、だけどいままでやってない・・・
■デジタル相がやるべきことは明白です(真逆のことをやってますが)
マイナ保険証を普及させる方法は明確です。
力を持ったものが、服従すれば、弱いものはみんなそれに従います。
医療界で力を持っているのは、大病院・大学病院です。
大病院・大学病院が、マイナンバーカードしか受け付けなければ、
私ども患者は、医療を受けたいので、それに従います。
そうすると、大病院にも通っている中小のクリニックの患者さんが、
中小のクリニックでも使いたいって言いだして、
中小のクリニックも対応せざるを得なくなります。
今は全く真逆で、
大病院・大学病院で、マイナンバーカードを、どう使うか、
少なくとも患者は、たぶん病院もわかんない!
→だから、大病院は現在の診察券中心の運用を変えない
大病院が変わらないから中小のクリニックが対応したとしても
患者はよくわからないから、いままでの保険証を使う
(マイナ保険証を持っていても)
っていう状況
だから、この状況を変えるには、デジタル相としては
もし診察券をマイナ保険証に変えたいというのなら、
マイナ保険証に変えて成功した病院を1つモデルケースとして公開し、
どうやって運用したらいいか、詳細を公表する
ところから、始めるべきです。
たださすがに、これは考えていないみたい。「いずれは」って言ってる
そうではなく、あくまでも今の保険証の代わりだとすると、
もっと具体的に、マイナ保険証に変わると、どのように
運用が変わり、ソフトウェア改修はどのようにする必要があるか
の具体例ないしはガイドラインをめちゃくちゃ早急に(遅くとも1月中に)
出さないといけない。じゃないと病院は対応できない。
ソフト開発人材が今いない(理由については別のエントリで話すね。。)
なのになのに、政府のやってることときたら。。。
密告させてどうする・・・
大丈夫か・・・