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平鍋さんの「アジャイル開発とスクラム」聞いてきた。アジャイルを世界ではじめて言ったのは・・・

2016-03-24 18:45:54 | Weblog
  元富士通の人(発表当時は新潟工科大だけど)だし、
  スクラムを世界ではじめに言ったのは野中郁次郎先生だけど、
   野中先生は、富士通総研の「実践知研究センター」のセンター長、前やってたし、
  富士通はアジャイルに力を入れている

だけあって、富士通の人の質問が多かった。

(ちなみに、アジャイルを世界ではじめて言ったのは、元富士通社員(発表当時は新潟工科大、現在は南山大学教授)の青山 幹雄先生であると、旧ボーランドのランディ・ミラーさんの論文で言っている。このエントリの一番最後に詳しく述べる*)

あ、で、何を聞いてきたのかというと、

3月24日

トップエスイーシンポジウム2016春
http://www.topse.jp/2016/02/6643

で、平鍋さんの講演「アジャイル開発とスクラム」”だけ”を聞いてきたので、
その内容と、Q&A、最後に所感をメモメモ





■アジャイル開発とスクラム 平鍋さん

・自己紹介
 エクストリームプログラミング
 アジャイル→ソーシャルエンジニアリング

・「アジャイル開発とスクラム」の本
 野中先生 9階 NIIに部屋あり
 野中先生の話:ユーモアあって面白い 88さい
・アジャイル:アジャイル宣言
 2014 ソルトレイクシティー キーノートした
・astah*作った経緯:海外のソフトばっかり→日本から
 イノベーションに対する投資

・なぜ、アジャイルか
 ミッション・リスク分割型ビジネスと
 ウォーターフォール型開発(従来型)
  →書かれていることをやればいい

・従来型の問題=要求の劣化
 スタンディッシュレポート 使われないのが65%
  →要求が変わる
   書かれたものが仕事になる
 市場、ビジネス、ITの3つは入れ子構造

・ミッション・リスク共有型ビジネスとAgile型開発
 100%要求が決まっているならagileでなくてもいいけど
 そうじゃないのなら、早く出してフィードバック
  →ハードが含まれると難しい

・もっともすすんだものLean Startup
 作る・顧客活動を1つのループに入れた
 西海岸の企業が、ローバーンでミートする製品を作る
 顧客開発:グロースハック

・プロセスとしてのアジャイル
 ソフトウェア:爆弾処理
  アジャイル:爆弾を小分けにする-死なない→集まって考える
  後半になるほうが見積もりがあってくる
 →ショートケーキで作る
  アーキ、データ構造がくるくるかわると・・・
  テストコードを作って確認

 スクラムのフレームワーク
  製品バックログ
  スプリントバックログ
  1週間回す
  計画ミーティング
  デモ
  ふりかえり

 優先順位を1から365までつける(中・高・低にしない)

 スクラムチープ
  プロダクトオーナー:仕様の決定権
  スクラムますたー
   →タスクアサインをしない。自分たちでとってもらう
    カーリングではいて回る人のたちば
    サーバント型リーダーシップ

・アジャイルソフトウェア開発宣言
  アジャイルの価値観
 アジャイルの原則
 アジャイルのプラクティス:方法論によって違う

・アジャイル
  範囲広い
  アジャイルのゴール:ビジネス価値(顧客満足・市場創造)
  アジャイルのレフトウィング   ライトウィング
    ソーシャル            技術
 アジャイルすべて取り入れる、否定するでなく、
 取り入れられるものを取り入れる

・ビジネス速度が速くなると、アジャイルになる

・タスクかんばん
  →トヨタの生産方式とは、あまり関係していない
   作業の見える化
   
  →付箋紙でやってますか?はい、やってます
   デジタルとアナログ併用:

 コンピューターの中で仕事をしてしまう
   →かんばんのまえで集まるようになる

・バーンダウンチャート
  わざと線を引く

・ポータブルカンバン

・日本からも海外へ発信
  Kanban→日本語訳
  すくらむばん
 オレンジのふせん
  アジャイルの標準:できればやめてください。
  みんなで標準を作ったほうがいい
 在宅勤務:常勤の人body→オレンジのふせんにbodyの名前を書く
  やってみてわかる暗黙知

・朝会

・Scrumと野中郁次郎
 ソルトレークでキーノートで話した
 7人の侍 1954年
 60年 荒野の7人=おまーじゅ
 すたーうぉーず

 影響
  スクラム:日本の野中先生

 アジャイル ソフトウェア開発 スクラム
  けんしぇーばー

 最初のスクラム本→The new new product・・・;野中先生の論文
  ラクビーのスクラムみたいに

 ジェフ サザランドと野中先生との対話

 野中先生とアジャイルの接点
  スクラム:リレーからラクビーへ
  知識がどこから来るか:SECIモデル
  実践知プロネシス
  フラクタル組織

・SECIモデル
 知識創造は、暗黙知と形式知の相互返還運動
 暗黙知:言葉にできていない知
   マニュアルに書いて渡して、うまくできるか?
   自転車の乗り方
   思い、動機、信念
 形式知:言葉で表現できる
   勉強して、世代を超えた知の伝達

 暗黙知と形式知の相互変換

 暗黙知→暗黙知:共同化できることが科学的に証明 ミラーニューロン(結婚式のもらいなき)
  紙に書く
 暗黙知→形式知:表出化
  むすびつける
 形式知→形式知:連結化
  自分の内面にとりこむ
 形式知→暗黙知:内面化

田中郁子さん
 自動製パン機
 私にやらせて!:一人の思いからしかはじまらない
  野中先生はPDCAきらい。Pに共感も、思いもない
 最初のトライ
  失敗
 彼に弟子入りさせてください:大阪国際ホテルに弟子入り

 パンを引っ張る→重要
  パンを焼く→形式知になったのが、これ(リブ)

 結果は

Design Thinking:似ている
  えんふぁさいず
   入院してみる
   ボディーストーミング;いすのプロトタイプ

対象に棲み込む Indwelling
 本田宗一郎:ユーザーになりきった何かを感じる
 その場で概念(コンセプト)を紡ぎ合う

企画:非言語で伝わることも。
   言語は伝わらない。最後まで紙に書いて伝わると思っちゃいけない

三位一体
 
ステークホルダーがいっぱい。優先順位つけられない→野中先生
→合宿しなさい
 製品の機能の重要性
  はじめ:形式知
  1日目:たわいもない話
      おまえはなんで会社はいった
      おまえはなぜいる
  2日目:優先順位の議論に入れ
 無機質な要求に順位はつけられない




■Q&A
(1)ミッション・リスクを共有するアイデアおしえて!
 一緒に考えましょう
 ゲーム、Webのように、エンジニアの成功がビジネスの成功みたいな業界に
 人材が流れている

(2)福井って、どういう町?
  お客様は実は東京と名古屋が多い
  永平寺がある。
  やることと悟ることは一緒:知行合一がアジャイルに通じるかも

(3)パン作りの話。パン職人は何を話したのか?
  パン職人は、何も話していない

(4)組み込みのアジャイル
  工夫がいる。事例はある。今度話す。3Dプリンタとワイン
  ハードウェア アジャイル でググると出てくるジョージャスティスさんの話(このリンク)

(5)断るケースは?(アーキテクチャなどで)
 2000年~2010年くらいは、そもそもお客さんがアジャイルやりたいというケースなし
 →こちらからいうと、難しい問題がある(変更できるといったなど)
   →お客さんへの啓蒙必要
 2010年くらいから出てくる
  要求が変わるといっているのに、完成責任を求められると困る
   →契約形態で対応(価値創造、準委任など)
  アーキテクチャ:Ruby on Railsしか請けていない

(6)スプリントに入りきれないときは
 わけちゃう

(7)積極的に仕事をしたがらない人がいる。どうしたら・・・
 やめちゃえば(^^)v
 ケントベック(今Facebookにいる?)どうしたら変われるか
  自ら気づき、行動することを価値とする文化
  変化はあなたからはじまる
   →自分の周りから変えていく




■所感(=自分の感想)

・Q&Aに対して
 共有するアイデアとして、ゴールの状態を共有するという考え方がある。
 逆に、共有できないと失敗するっていうのが、この記事

「最終的なアウトプットイメージが描けない人」が失敗ばかりなのは誰のせい?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160324-00088176-diamond-bus_all


 それと、ミッション・リスクを共有するには、みんながハッピーになれる状態
 というのを、共有すればいいという考えがあって、
 それを絵に描いたのが、CVCA(バリューチェーン分析)から一歩進んだ?
 WCA(欲求連鎖分析)。

  ゴールの状態を共有するっていうのは、ゴール指向分析(要求工学)で
  WCAは、デザイン思考の分野になる。

・福井について
 福井県というと、鯖江モデルが有名ですよね!オープンデータとか・・・自治体と市民が近く、やりながら考えるところなどが、アジャイルに通じるのかも・・・
 鯖江市役所JK課というのがあるくらいだから、富士通にもJK課とかつくって、
 インターンの女子高生を入れたら・・・なんでもない・・・

・「パン職人は、何も話していない」
 そう、何を話したかが問題ではなく、何を自分は解釈したがが問題なのですね。
 開発者は解釈者であるわけで・・・というのが、ロベルト・ベルガンティの
 「デザインドリブン・イノベーション」で書かれている「解釈者」でしたね。
 ・・・って、聞いただけで、まだ読んでないけど・・

・デザイン思考あれこれ
 今回、平鍋さんが講演したTOPSEでは、要求分析に、エスノグラフィー的なアプローチはあるものの、どちらかというと、要件を絞り込んでいく要求工学的なアプローチを教える。一方、平鍋さんの話したかったデザイン思考は、要件を発散させる思考方法であり、主に慶応SDM(日吉)で教えられている。ちょっと違った学問分野になる。

 さっき出てきた、アジャイルの青山先生のところにいる学生さんと話したことがあったんだけど、「情報処理学会、信学会の要求工学のほうで、あんまりデザイン思考の話って、しないんだよね!」といったら驚いていた。今、若い人は、(要求工学よりも)「デザイン思考ファースト」なんだよね。

 ちなみに、暗黙知で、言葉にしなくても伝わるという話は、青山先生のところだと、非認知要求獲得っていうことで、話題にしていたかな・・・非認知(気づかないのに学習してしまう)って、態度学習とか、心理・教育のほうでは話になるけどね・・・




■「アジャイルを世界ではじめて言ったのは、元富士通社員の青山先生」の話

ランディー・ミラーさんの以下の論文

The Dynamics of Agile Software Processes, Part I: Characteristics
http://edn.embarcadero.com/article/29726

の「Characteristics of Agile Processes」の第二段落に

The name "agile software process", first originated in Japan [Aoyama 1998].

とある。

この[Aoyama 1998]つまり、青山先生の論文は、ICSEの

Agile software process and its experience
http://dl.acm.org/citation.cfm?id=302164

の論文になる。


・ランディ・ミラーさんは本名、グランビル ミラー(Granville Miller)さんで、
 実践eXtremeプログラミング - A Practical Guide to eXtreme Programmingの著者の1人

・ランディさんのURLが、embarcaderoになっているが、ボーランドは統合開発環境部分を、最終的にエンバカデロ・テクノロジーズに、自動化製品(ALM)をマイクロフォーカスに買収された。

・ICSEとは、ソフトウェア工学における、世界的なトップカンファレンス

・青山先生は、富士通→新潟工科大→南山大学
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