遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

夜 学

2021-09-19 16:10:08 | 日記

令和3年9月19日(日)

夜 学 : 夜学子

夜学が何で秋の季題なのか知らなかった。

夜学は夜間の開かれる学校で、昼間働き夜に勉学する人々の

為に高校や大学、更には中学校に夜間部が設けられた。

夜学は必ずしも「秋」とは限らないが「灯火親しむ」には、

夜長の候は落ちついて勉強も出来、燈火に独学するにも適し

ているので「秋の季題」となっている様である。

夜間学生は昼間働いている人が多く、勤めの後に学ぶ人達の

真摯な態度は四季を問わないが、日暮れの早くなる秋にには

殊にその大変さが実感される。

夜間部に限らずとも、燈火親しむ静かな秋の夜は集中出来る

ので、この季節に少人数や独りでの勉強や読書の事も指す。

現代社会では塾や予備校通いの子供達にも「夜学の風景」を

形成している、とも言えるのではないだろうか、、、、、。

 

1993年11月に映画「学校」山田洋二監督(松竹作品)

が公開された。

夜間中学に勤める教師「黒井」のもとに、悩みを抱える生徒達が学校へ、、

昼間働きながら夜間中学へ通う若い男性、不登校を続ける

女学生が親に連れられ転入、黒井先生に補導された不良少女、

日本社会に馴染めぬ在日朝鮮人の焼き肉店主(女)、脳性麻

痺で言語不自由な男性、競馬好きな肉体労働者の男性は輸血

会場で先生に勧められ夜間中学へやって来た、、、、、

それぞれ違う環境で様々な悩みを抱える生徒達が通ってくる

夜間中学の姿が描かれている。

この映画のエンデイングに「公立の夜間中学は現在、全国

(北海道、九州、四国、沖縄を除く)に35校在ります。

その他に、自主ボランテアによる自主夜間中学は16校存在

している」とテロップが流れた(1993年当時)

文部科学省の2014年(平成26年)の調査によると現在

8都府県に31校の夜間中学がある。

最近(2021年度)の報告では12都府県に36校が在り

数年後には、千葉県を始め数校が開校を予定している様だ。

残念ながら愛知県では、昭和42年頃まで存在したが生徒が

減少したために廃校となって、開校予定はないといわれる。

近年世相がより複雑となり、貧困家庭が増え学校に通えぬ子

が多くあるとの事。考えさせられる時代ではあるが、、、、、

 

今日の1句(俳人の名句)

仕事とも夜学ともただ更けてをり   稲畑 汀子

先生と気が合ひ夜学休まずに      岸 善志