令和3年9月28日(火)
添 水 : 鹿威し
田畑を鳥獣が荒らすのを防ぐ為に竹を用いて水の力で
音を立てる仕掛けを作り獣等を脅す道具。
竹筒の中央に支点を置き、竹の節の片方に水を受けて
溜まった水の重みで竹が傾ぎ、竹の中の水が吐かれて
勢いよく戻った拍子に受水の石を叩いて音を出す。
近年では、本来の目的の「鹿威し」というより、庭園
や料亭などの坪庭等に設えて情緒を楽しむ方が多い。
添水の仮名使いは、元々「曾富騰」(そほど)の語形
の変化である。(そほどは、案山子のこと)
熊本地方では「鬼鼓」ともいう。
この装置の有り様から、「ばったんこ」「ばった」、
「唐臼」等とも言われている。
普段、余り目にする(耳にする)事はないが、名古屋
の庭園の徳川園等へ吟行で出かけるとお目にかかる。
徳川園の添水、
以前、と在る料亭の座敷に通された折に静まり返った
一瞬に、鹿威しの音が響き渡り思わず庭に目が行った。
今日の1句
料亭の黙深まりて添水落つ ヤギ爺
※黙 : もだ、黙っていること。沈黙。