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秋の日の ヴィオロンのためいきの

2021年10月18日 16時45分07秒 | 日常のこと&写真
「秋の日の ヴィオロンのためいきの
ひたぶるに 身にしみて うら悲し。
鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて
涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。
げにわれは うらぶれて ここかしこ
さだめなく とび散らふ 落葉かな。」
 中学校の国語の教科書に載っていた「ポール・ヴェルレーヌ」の詩で、上田 敏が訳したもで、暗記させられた有名な詩でもある。
 秋風が吹き始めると感傷的になるというわけではないが、蒼白の月とこの詩とともに抒情的になってしまうのは私一人だろうか。少女趣味はないが上田敏のこの訳詞はあまりにも有名で、試験のために覚えるというような覚え方でなく自然に記憶したものだ。百人一首もすべて暗記できた年頃でもあった。しかしもはや百人一首もすっかり忘れてしまったが、家族でカルタ遊びをした幸せな時代があった。
 この詩を思い浮かべると何故だかクラシックが聴きたくなった。チャイコフスキーの「弦楽セレナード ハ長調作品48」をカラヤン の指揮でベルリン・フィルが演奏したのを原稿を書きながらいま静かに聴いている。秋の夜長、“過ぎし日の おもひでや” かな。


























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