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第十話「身を捨ててこそ」

2024年12月18日 10時42分01秒 | 朝目覚めたら新しい自分がある
朝目覚めたら新しい自分がある
第十話「身を捨ててこそ」

 「山川の末に流るる橡殻も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」(空也上人)
私は何かに行き詰ったときにはこの和歌を思い出すのです。
一度きりの人生だくよくよしても始まらない、思い切ってしがみついているしがらみを切り離して、人生の川の流れの思うがままに身を任せてしまおう。失敗するもよし、チャンスがあれば浮かぶ瀬もあるだろう。そう腹をくくってみると不思議に活路が見いだせたのです。
 私たちはとかく地位や名誉や見栄にしがみついて身動きができなくなるときがある。あれになろうこれになろうとがんじがらめになってしまうと淀みにはまりこんで自分自身を見失ってしまいかねません。保身、安全、損得などの枠から心が解き放たれたとき、初めて自分の人生の生き方を見つけることができるものです。
 葉隠れによく知られた武士道の精神があります。「武士道とは死ぬこととみつけたり」。この教えは武士としての壮絶な死の覚悟を説いたものではありません。太平洋戦争のときこの精神を歪曲して「玉砕」「特攻」の精神として死を恐れるなと鼓舞したがそれは誤りであり、何事にも常日頃から不退転の覚悟を以て忠勤に励むべしと、現代風にいうとビジネスマンの心得を説いたもので、死ぬこととみつけたりというのは、死ぬという意味合いのものではなく身を捨てる覚悟をもって主君のために生き抜き忠勤を尽くせということで職務に対する心構えを示したものです。
 あれになろう、これになろうという思いにがんじがらめになって身動きができなくなり、落ち込んでしまったり、愚痴、不平不満というストレスに陥ることがないように、執着心から心を解き放ってみれば浮かぶ瀬もあるのです。


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