『横道世之介』『さよなら渓谷』などの原作者・吉田修一のミステリー小説を、『悪人』でタッグを組んだ李相日監督が映画化したものです。
八王子で起きた凄惨(せいさん)な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、事件から1年が経過しても未解決のままだった。洋平(渡辺謙)と娘の
愛子(宮崎あおい)が暮らす千葉の漁港で田代(松山ケンイチ)と名乗る青年が働き始め、やがて彼は愛子と恋仲になる。洋平は娘の幸せを願うも
前歴不詳の田代の素性に不安を抱いていた折り、ニュースで報じられる八王子の殺人事件の続報に目が留まり・・・・と、このあらすじはホンの一部で
三組の話が同時進行で進んでいく。予告を見ると誰が犯人なのかを推理してみる映画のようにも見えますが主題としては殺人事件があって複数の
ちょっとだけ犯人かもと思われる人物たちとその周りの人々のそれぞれの「怒り」。
三浦貴大演じる刑事も、怒っている(笑)。 辰哉が怒っているのは、アメリカ兵に対してだけなのだろうか?見ていて何も出来なかった自分に対して?
守ってくれると信じていた、味方に裏切られたから?妻夫木さんも、すごくリアルな人物を演じているが、本当に大事なものを見つけられなかった事に対
して怒っているのではないか?渡辺謙演じる父親は、愛情深くはあるけれど、肝心な所で娘の人生を見損なっている。この父親を、誰が責められようか?
千葉編の松山ケンイチはそのまま姿を消していた方が好みだった。
それは好みの問題なのでいいとして、総合的にとても素晴らしい作品でした 広瀬すずさんも頑張ってましたね~ ★★★☆