豊後関前藩の坂崎磐音(松坂桃李)と小林琴平、河井慎之輔は、幼なじみだった。磐音が琴平の妹・奈緒
との祝言を控えていたある日、事件が起こり、磐音は二人の幼なじみを失う。奈緒を置いて関前を去り
江戸で浪人として生活することになった磐音は、昼はうなぎ割き、夜は両替商の用心棒として働き始める
主人公・磐音には暗く哀しい来歴があって・・・・と、本編に入る前の話が少し無茶ぶり過ぎる気がしない
でも無いし、何故にそう言う行動に出るのか?少し疑問も・・・して、江戸に流れ着き、今も過去を
引き摺って長屋で孤独に倹しく暮らす。隣家の人々の暖かい人情と江戸の情緒を、しみじみと且つ粋に
漂わせつつ、物語は風雲急を告げ、悪党と・・・・磐音は水も滴る容姿端麗の優男、けれど滅法剣の腕が
立ち強い。殺気を矯めた一見隙だらけの構えからの鋭い瞬殺の打ち込み。東映時代劇ヒーローのように?
ばったばったと並み居る相手を鎧袖一触で凪倒すとは違い、また打ちのめした敵を前に高笑い?はしない
ものの、実直にして誠実、質実剛健にして温厚篤実な、将に時代劇ヒーローの王道キャラクターがスクリーン
に登場したといえるのでしょうか?(一応その設定の様ですから)松坂桃李は、しなやかさ一方での険しく
鋭い眼差しは、主人公・磐音に打ってつけだと思います。相手役となる芳根京子の時代劇適性は・・・?
不幸な運命に弄ばれる女の哀しみを、言葉少なく仕草で演じていました。ただやや表情が硬く喜怒哀楽が
不透明だったのは今後の課題で、最後の花魁も??? 現代時代劇として楽しめましたし・・・
何より柄本親子の怪演は素晴らしいし見ごたえ十分です。
鑑賞後入場者特典の特別文庫「居眠り磐音 劇場版00」に収録されているシナリオ全文を読んで2度楽しめました。 ☆☆☆