こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

錯 誤 の 訳

2011-05-29 06:46:09 | Weblog
日本に特徴的にみられる最大の不幸は

核分裂によって生じた解放エネルギーを

1945年



二度にわたって続けざまに受けただけでなく

65年後の2011年



地震が発生させた波動エネルギーの襲来を受けて

放射性物質の拡散による原子力災害を

再び

国民に受けさせる

という二重の災厄を連れてきたことに尽きる


核爆弾の破壊力の凄まじさを

当時

生身の体で証明させられた

という歴史をもったということが

日本の戦後政治の在り方を決定づける経過を生み

アメリカに対して

ノー

と言えない政府を

連綿として

存続させる近代史を生みだした


二度のオイルショックが

エネルギー資源である原油相場を急騰させ

ドルの需要を高めてその発行残高を増やし続けた

米政府はドルの通貨価値を引き下げる必要に迫られると同時に

過剰発行したドルの回収にも努めなければならなかった

市場に大量のドルを放置しておくと

インフレの直接的な原因となるだけなく

ドルを供給することで得られる莫大な利益を圧縮し

更に

高額な兵器の輸出を妨げる

その間接的な要因となるからだ


アメリカの軍需産業にとって

ドル高状態の継続は

陳腐化した武器を世界に売りつけることを

次第に困難なものにする


ドルの過剰流動性を制御裡に他の通貨へと転移させるために

G5が打ち揃って自国通貨を売り

ドル余り現象を市場から消すための協調介入を実施した

これが日本の土地バブルを引き起こす起爆剤となり
 
ついには

失われた20年と呼ばれる状況を

自らの身に引き寄せさせる遠因となった

ドル資本の大量流入はゆるがない土地神話と結び付き

投資を投機へと短期間で押し上げた


原油相場を高騰させれば

ドルの供給量を合法的に拡大することができた

イラク戦争を続けさせるために

アメリカの市場であるWTIを

米政府が高値へと誘導してきた事実がある

ガソリンの需給がタイトになった

とエネルギー省の長官がアナウンスすると

間髪をいれずにWTIの取引価格は急騰した

この操作が何度となく繰り返されていたことは

報道記録に残されている


ドル安政策の実施に伴って

円の通貨価値が勝手に高められていったことから

ドル安円高状態を元の水準へと戻すために

日銀は円の大量供給を実施して

ドルの通貨価値を引きあげるための介入を

度々繰り返し

外貨準備高を自ら突出して高める

という粗末な結果を引き出す行為を

今も機会あるごとに続けなければならなくなっている


この流れを生むきっかけとなったのが

85年秋の

プラザ合意

爾来

国際経済はドル安政策を許容するようになり

ドルの増刷を促し

ドル余り現象を際立たせる経過を国際経済へと与えてきた

それが巡り巡って

2008年 秋

金融危機という結末へと繋がっていったのだった


サブプライムローン市場に貸し込んでいた勢力の総てが

巨額の損失を等しく計上する破目へと陥った

まさしく

自業自得

ということであったのだが

世界はG20を創設して

アメリカの責任を分担して回避した

ドル経済圏の消滅により生じる巨額の被害より

はるかに軽微な損失で済んだからだった


この決定が後にどういう結果を生み出すことになるのか

ということについて

誰も具体的なイメージをもっていなかった

手持ちのドル資産が消滅するのを

ただ座視しているよりも

まだまし

だと信じられていたということが

危機後の合意を成立させた源動力になっている


ドルの過剰流動性を解消することが

困難になりつつありながらも

ドルの供給を正当化するための

原油相場の誘導を

続けさせる戦術の関与を

それと悟られずに世界に受け容れさせることができていたのは

ドルが基軸通貨の地位へと奉り上げられていたからであった


人民元と円の通貨価値は

ドル安政策の結果

理由なく上昇するという勝手な展開をとりつづけ

米国債の発行残高は

単純に増加の一途を辿るようになっていった

中国はアメリカに対する最大の債権国となり

日本は二番目に巨大な債権を保有する国となった


米議会は長期債の発行枠が限界に達していることを受け

政府が提出した予算を承認しなくなっている

暫定措置で急場を凌いでいる政権は

9.11の首謀者を抹殺することで

政治問題を

経済問題の上位へと置くことに

取り敢えず成功した


国際経済が胚胎する不安定要因は

そのままの状態で温存されることとなり

問題解決を

ただ

先送りしただけで

止まっている状態となった


資本主義経済を動かしていたのは

プロフィット

利益至上主義というものがマーケットを枯らし

その行為が経済成長を自ら阻むようになっている

経済基盤を拡大させない資本主義的方法では

富める国と貧困に喘ぐ国との乖離をただ広げるだけとなり

繁栄による平和を

導くことは決してできない


現況は果たしてどうなっているだろうか    ?


これからの経済政策は

プロフィットだけではなく

ゲインをも包摂する方法を取り入れ

安定成長を前提としたものでなければ

ならない

ゲインなき経済成長は

投資が止まったとき

直ちに反転する

資本を市場に呼び込むには

利益を裏付ける余得を

保証する何かが

対策に備わっていなければならない

バブル経済では

それを

乗数効果と呼んでいた


実体を伴わない

形ばかりの経済政策では

国の劣化を

却って

早めるばかり

貧しさは

政策の誤りの連鎖が

最終的に生みだしたものなのだ


ゲインをどこに求めるか

ということが

日本の未来を決定づけることになる

認識の錯誤に国全体が気付くまで

政治と経済の貧しさに

国民は

これからも暫くの間

苦しみつづけていなければならない

不幸を形作っているものの正体を知ることが

有益な結果をこの国に早く連れてくる
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