こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

権 威 主 義 ②

2014-09-28 07:37:15 | Weblog
資本の論理というものは

自らの首を

自らの手で

締める

方向へと

その動きを

このところ

俄かに速めだしているようだ


繁栄を目指すための

最も合理的な手段

だと思われていた

これまでの資本制度というものは

TPPなどの

市場拡大を目指す

統合型の組織化

を目論むようになったのだが

利害関係の調整が

結局うまくいかず

宙に浮いた状態で

今もなお

空間

を漂っている


マクロ経済で顕在化した

市場統合のベクトルがあるその一方で

民族や宗教の違い

に基づく

分離独立の動き

つまり

分散化の動きも

また

同時一斉に

先鋭化しはじめている


ウクライナとロシア

スコットランドとイギリス

カタルーニャとスペイン

ウィグルと中国

などの歴史的事実を背景とする

固有の調整圧力を

急速に募らせるようになっている


その他の分野に該当する中東では

宗派間の対立による

政治主導権を巡る

独立

を目指そうとする勢力間の争いが

国際社会に敵対する

剣呑な姿勢を

より鮮明にする様相を呈している


貧困を強いられるようになった国の一部で

突出した反応とみられるムーブメントが

経済力学を

要素として採用してこなかった

一連の

拙い政治を積み重ねてきた地域に於いて

内圧を次第に高めていったその果てに

数々の軋轢



無秩序に生み出し

その拡散を

所構わず

繰り広げようとしている


政治の劣化

という背景が当事国のいずれにもみられ

民族の自決権を確保することによって

統合体国家であるが故の

避けようとすれば決して不可能ではない

巨額の損失を

保護

しようとする国民の一部

による健全化を目指す運動となって

顕在化した

とみることができる


政治の劣化は国民の貧困化を急がせ

資本の劣化は市場の拡大を急がせる

この循環構造を断ち切らない限り

破壊で生じる損失を

減らす効果は得られない


企業は資本提供者である出資者

に対する義務を果たすべく

固定費の代表である

労働賃金を削って

利益を意図的に太らせてみせるようになり

国民は反対に

可処分所得を圧縮されて

需要を拡大することが

できなくなってゆく

というサイクルに呑み込まれていった


経済成長にとって必要なのは

総需要の拡大であって

配当性向の向上ではない

それは安定性を最終的に損ない

市場という名の畑から

栄養分だけを吸い取ってゆく

あとに残されるものは

枯れた土壌

という不毛な展開が始まった


バブル経済がつぶれた後の時代になると

円高を誘導した外国からの流入資本は

企業買収(M&A)へとシフトし

ホリエモンを時代の寵児へと

押し上げた


その結果

買収された企業は

再構築(スクラップアンドビルド)

という名の

合理化の嵐に晒され

雇用の安定を維持することが

たちまち困難となり

労働者の雇用形態を流動化させていったのだ


条件が変化していることを知らされていない国民は

生活の保証を失い

結婚よりも

個人のたつき

をより重要視せざるを得なくなり

これにより

少子化と高齢化とが

同時進行する

という時代を産み落とすに至った


丁度その頃

政府内閣が否定していた

デフレ経済への陥落



国会が認めざるを得なくなり

経済成長に下押し圧力がかかっている状況

になったことを

国民が察知した


政府は実績のある

公共工事頼みの経済政策に固執し

需要の有効性を確かめもせず

莫大な国費を

確信犯的に

無効な経済対策を遂行するために

鋭意分配し続けるようになっていた

善と信じて不善をなす

という行為を長年に亘りつづけ

それが失われた十年を

倍の二十年へと延伸させた


無効な需要にどれほど投資したとしても

経済の成長は実現しない

国会は公共投資であれば

それが何であれ

有効だと思い込んでいた

過去の成功体験にしがみ付く姿勢が

政府債務の規模を無意味に増長させ

昨年

ついに

1000兆円を超える借金となったことを

内閣自身が認める仕儀とあいなった


一連の経過の事実が露見したことから

財政の健全化を急ぐ必要を

国会と国民とに気づかせた

政府はその機に乗じて

消費税を8%へと引き上げたのだったが

それは国民の負担を

単に増やした

というだけの粗末な結果を生み出した


有効需要の創出が不在なら

経済の成長はない

無効な需要への公的投資に

精力をどれほど多く注ぎ込んだとしても

いたずらに損失のみを積み上げる

国家財政が膨大な借金を背負って

国民を最終的に苦しめる

というのは

経済認識に於ける蒙昧さの作用

の然からしめるところ

その事実に気づくことすら

できていない

というのが国の劣化の根本原因


知識があっても

それを

有効利用することができなければ

豚に真珠

過去を扱う学問である経済学で

未来の経済を扱おうとした

その思い上がった国会の姿勢に

反省を促そうとして生じたのが

デフレ経済というものだった


アベノミクスはデフレの弊害を亡くせば

インフレ経済が取り戻せる

と錯誤した

二年目の今年

成果のほどは

果たしてどうだったのか

ということが明確になるだろう


対症療法で

根治する病など

存在しない

自己治癒力が働かなければ

投与する薬の効果は

多寡が知れている


経済を力学として眺めてみれば

今まで見えていなかった要素が

形となって見えてくる


経済学から経済物理学へのシフトが

いま

求められている

経済は思惑が動因となって作用する

株式市場や為替市場などが

その好例

だからといって

心理学で判断できるのは

投資と消費の分野のみ

バックグランドのメカニズムを知れば

経済に関する見識は

トレンドをみることができ

自動的にたかまる


権威は

その存在を疑わせるためにこそ

そこに佇立しているべきものなのだ

要するに

置物

それ以上の価値はない

原発が水素爆発した当時

斯界の権威がどんな風であったか



思い起こすことは

まだ

可能であろう


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