こ と の 端

散文でロジックを
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財 務 体 質

2015-04-19 08:36:40 | Weblog
ときの政府が負ってきた借金というものは

政権を継承した時代の新政府に於いて

債権者

の殆どを占める国民に

事故の責任に於いて

自ら返済すべき

性質のもの


債務の総額は

すでに

千兆円の大台を軽く突破し

異常なレベルにまで

達している


山をなすこの借金の返済を

急ごうとして

消費税率の改変を行った政府は

アベノミクスと呼ばれる

インフレ誘導政策に

結果として

強い制動をかけることとなり

GDP成長率を

期待する方向とは逆



マイナスへと導いた


税収の二倍ほどになる国家予算を

これまで連綿と続けてきた

という

その心根のほど

がまったく以て分からない


国家予算は官僚が原案を作り

国会が承認して

執行することが

はじめて許される


大幅に不足することが分かっている予算案を

長年に亘って可決承認しつづけてきた

ということが

たったの20年間で

国の負債を五倍の規模へと

急速に押し上げた


このようにして

官僚が勝手に使える予算枠を

国会が

自発的に

拡大してきたものの

景気の回復にはまったく効き目はなく

デフレ経済を勝手に産み落として

その対策という名目で

インフレ誘導政策が

採用されるという経過を辿った


円安効果で輸出産業は潤ったものの

国民は輸入物価の高騰で

可処分所得を反対に圧縮され

消費に回すための費用を

可能な限り温存し

できるだけ使わない

という道を選ばざるを得なかった

そのことが

総需要を大きく抑制し

インフレメカニズムに

デフレ効果を与えるようにさせたのだ


採択された異次元と日銀が自称する

金融緩和政策は

銀行保有の国債を現金化する

という方法で当初実施され

さっそく株式市場を

大いに賑わせた

そこで

金融機関以外の機関投資家までもが

日本国債の売却へ突っ走り

債券市場に未消化の債券を発生させた


このあまりにも初歩的な

判断ミスの関与が

日銀に吸収できない規模の国債の売り物を

市場に滞留させ

債権の価値を想定外に引き下げて

長期金利を反転急騰させてしまった

のだった


財務省出身の新総裁は

長期金利と国債の関連性を

忘れ去っており

金利の上昇が起きてから

慌てて

国債の買い切りオペへと

遅れて踏み出した

という事実が記録にある


日銀プロパーから選出されてきた歴代の総裁が

強制的に交代させられたとき

このような初歩的な見落としがあろうとは

予想だにしていなかったことなのだ


ここに問題の本質が隠されている


消費税を引き上げたい

という強い欲求



願望を持つ財務官僚が

背後の事情に関心を持たない国会を

容易に誘導させてきた背景

となっている


それ故

思考力を失っている状態の選良たちに

国家財政の危機を自在に吹き込んで

消費増税やむなし

という情報をことあるごとに

繰り返し刷り込んできた


デフレは17年もの間

続いていたのだったが

その期間を通じて

国会はインフレ型の国家予算を

不思議なことに

延々と

組み続けていた

例外的に五兆円を予算から削減した年はあるのだが

それが続くようなことには

ならなかった

これが負債総額を増長させた

最大の原因


官僚が自由に使える予算枠を拡大しておかなければ

増大する一方の官僚組織の維持と

退官後の生活の糧

となる天下り先の拡充と確保とが

困難になる


これが

デフレ下の時代にあって

政府が国家予算の増大を続けてきた

たった一つの

理由


消費税の課税強化で官僚は喜ぶが

国民は反対に苦しむ

一方の余裕は

他方の困窮を前提とするのだ


増税すれば総需要が減ることは

ケインズ効果として

よく知れ渡っている

それを強行したということが

GDPをマイナス成長させ

10%への追加増税を

一年半先送りする決定を

当時の内閣が選択し

現在へと至らしめた

というのが

おおまかな

ことの次第


官僚制度を拡充すれば

国家予算は不足する

問題の本質は

かくも単純であり

かつ

素朴


何の効果も引き出せずにいた

経済政策の総てが

デフレの長期化と

螺旋形の強い下降気流とを

生み出してきた


デフレが問題だったのなら

インフレにすればよい

とそう単純に考えた政府内閣は

取り巻きの提言を積極的にとり容れ

インフレ誘導政策の採用実施へと

踏み切った


その後二年が経過したのだったが

所期の効果はまだ見られない

インフレ率は期待に背いたまま

の状態を続けている

それどころか

輸入物価を必要以上に押し上げて

所得格差の拡大を

国民に強要する事態を

生み出すほどの

実に拙い経過を今に留めた


生鮮食品と地下資源などの各項目は

価格の変動が著しいものであることから

物価変動の要因から

控除することになっている

原油価格の長期低迷を

インフレ率低下の理由とすることは

したがって

できない


政策判断の連綿たる誤りとその継続の連なり



日本の現況の生みの親


不正な政策を実施するために

国家予算を膨張拡大させてきた

一連の過去

というものが

いま

国民を大いに苦しめる

その原動力となっている


国家予算の不足を

歳入欠陥

即ち

税収不足とみるその認識の誤りが

国の借金の総額を

短期間で

信じがたいほど膨大な規模へと

押し上げていた


その最大の原因は

官僚の都合を優先して

禁じ手である赤字国債の発行を

可能にする

特別措置法を

毎年可決する行為を積み重ね

ついに

昨年

千兆円の大台を突破する

事態を差し招いてしまった

当事者

である官僚と

問題のある予算案を

国会で問題なく通過させてきた

その成員すべてが

国民に返済すべき債務の山

を拵えてきた

というその点にある


国民は

納税することしかできない身分であり

公平性の欠如を理由に

財政赤字をそれと承知で生み出してきた

選良と

予算案を可決するよう迫っていた官僚などに

納税者の立場で

負債の原因を速やかに確定し

誤った判断を下し続けた過去が生む損失

を国民へ返還させるよう

法廷に請求するその権利を

実行に移す準備を

始めなければならぬであろう


消費税の変更など

実に

以てのほか

ということなのだ

問題認識能力を失い

事実誤認に陥った指導者ほど

始末に困るものは

ない
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