こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

喪 失 時 間

2018-08-12 07:53:31 | Weblog
京都議定書COP3から

パリ協定COP23までの

二十年間にやってきたことの

すべて



無駄

の一語に集約できる


この二十年間に

無為に失った

時間の総和



気候変動要因

を積み増すことに

とても役立った


失った時間に

遅れて気づいた

ということが

温暖化の影響を

抜き差しならないほどにまで

近年

急速に高めた


その影響はとりわけ

今年の夏

に顕著


地表は

文明が犯した

判断

の過ち

に長期間気づかずにいた

ことが禍し

北半球の全域で

熱波の襲来に

耐えて過ごすことしか

できなくなった


熱波と降水量の増大

によるその影響は

地形の著しい変更

を迫り

生命の喪失を

強制する事態



地域に居住する生活者に

現実として受け容れるよう

例外なく強制した


地球環境の温暖化

という70年代後期から

指摘されるようになっていた

その変化は

人災と呼ぶ以外に

適切な表現は見当たらない


最大の原因物質であることが

明かとなっている

CO2の大量排出

という行為は

経済成長を加速させる

ことを裨益したのだったが

それは環境の安定性と

引き換えになる

という絶対的な条件

が暗黙裡につけられていた


事態の深刻さを悟った文明は

気候変動を制御しようとして

さまざまな努力を

世界中で行っていながら

有害な温室効果ガスの濃度

を高めることにしか

寄与しなかった


これが文明の限界を

強く示唆した

そこで急遽登場したのが

新しい温暖化防止対策となった

パリ協定だったのだ

その内容には

だが

具体的な対応方法の記載

がなく

猶予期間を意味もなく

長く設けることによって

時間的な制約を引き伸ばした

その代わりに

温室効果ガスの削減目標を

最大化して

ゼロパーセントへと最小化する

という手のものだった


これは問題認識能力そのもの

がない

というメーッセジとなりはしたものの

有効解を特定することが

誰にもできない

という事実を強く訴える

体裁で統一されていたのだった


この一連の余りにも粗末な経緯

を生み出したものこそ

人類とその文明が共に得た

当座の到達点

であるにほかならない


錯誤の訳は

交流電流と直流電流とを

混同していた

というその一点に尽きる


二種類の電流の持つそれぞれの相違



弁別する能力

を世界中の知識人たちが

特徴的に失っていた

ということが

この粗末に過ぎる

その現実を善と信じて導き

結果として

止まらない温暖化を

二十年以上の歳月をかけて

自覚

するための機会

を遅れて漸く

ここへと連れてきた

ということになるハナシ


現状で

温暖化を止める術

はどこにも存在しない

CO2の着実

で一方的な濃度上昇

という途中経過の断面は

まことに雄弁なものがある


ここからが文明の真価

を発揮するための表舞台

自らが撒いた有害な種

に基づく強い毒性を帯びた

果実を

自らの努力で無益に収穫し

負の成果を

有害な資産

へと振り替える


禍福はアザナえる縄

の如きものであることから

正邪は周期性を保って

最適なタイミングで

入れ替わる


世にあまたある発電装置で

環境負荷がなく

それでいて低コストのモデル

を開発することができない限り

気候変動は

絶対に止まらない

悪化の一途を辿り続ける

のみ


合理性の裏付けをもたない

あらゆるシステムは

定着することが

つまり

できない


一見合理的で効率的にみえた

化石燃料を燃やす発電システム



生命の多様性を脅かすようになる

などとは

おそらく

考えたことすらなかろう


拙劣な見通しを前提としたことによって

交流電流に対する

認識の過ち



気候変動を急がせて

環境条件を

大いに劣化させてきた

という事実との遭遇



文明の正当性を

否定する反証

となって直接確かに機能した

のがCOP23

というものだったのだ


交流発電と交流送電の仕組み

について

調査することを

当初から怠っていなければ

そもそもCOP3などが

国際条約の批准対象

とされる事態を

引き起こすようなことは

なかった


調査研究(R&D)を

誠実に実施することができていたなら

温暖化など

過去に於ける

解決済の課題

となっていた


電力需要を努力して減らす

ことができたとしても

発電所の燃焼炉は

四六時中

稼働し続けている

その理由は

蒸気発電に欠かせないのが

一定の蒸気圧の保持

という条件だったからである


更に

交流電源にとって最も重要なのは

毎分三千回転している

円運動量の安定確保

という事実

この条件を満たした電源だけが

50ヘルツの交流電流

を正しく生み出す能力をもつ


電力需要を消費者が

自らの意思で減らす行為は

とりもなおさず

電力会社の損失

を増やすことになるだけのこと


電力会社が

一頃そうだったように

節電を執拗に

呼びかけなくなったのは

損失の巨大さを

最早無視できなくなったから


交流送電の特徴

である増幅効果を援用すれば

広域停電が発生する理由

は直ちに消える


業界の意図的な沈黙こそが

環境悪化の根本的な

たった一つのその理由

利益共同体の一郭

が沈黙を破るのは

もう少し状況の悪化が

高まってからのこと

カミングアウトしたくても

今は

それができない

という状況を与えたのは

他でもない

当の電力業界と

そこに連なる

利益共同体の仕業


目先の利益に囚われた沈黙は

高価な代償で決済する

というのが経験則の教える

定め

結果を引き受けるのは

いつも

原因を与えた者

が負うべき厳然たる

義務
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