こ と の 端

散文でロジックを
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革 命 前 夜 ①

2009-06-13 07:50:44 | Weblog
あたらしい電気自動車のコンセプトが先般公開されたことにより

自分のもつ運動エネルギーで 

自家発電しながら走りつづける移動体が

近い将来 

この星のどこかに登場するようになる


そのとき


世界を代えるきっかけとなる変化が

ドル経済圏の中に生まれ出るだろう

革命的な変化は

電気自動車の完成を待って

その後 急速に進みだす
 

すべての移動体には

利用されていないエネルギーが

たくさん残されている


移動する物体には

慣性エネルギーが潜在化された状態で帯動している

それが車輪で動くものであれば

回転の運動エネルギーが

顕在化した部分で 円滑な移動を可能ならしめている


回転するものがそこにあれば

電流を生みだす発電機にすることができるのだ

古くから風車や水車が回るその力で

小麦などの穀物を

粉にするための動力として使われていた


現代では

水力発電や風力発電などのように

電流を生み出すためのシステムとなって普及している

水力発電では

交流送電の黎明期から 永年発電実績を積んできた

風力発電では 

温暖化防止対策の一つとして採用され

自然エネルギーの普及に 大きく貢献しているほどである


回転する機構が電力源そのものであるということは

誰もが知っていることである


車輪のある移動体は

その回転する力を運動エネルギーとして利用している

それが乗用車であれば 

四つついているタイヤが回ることで

移動を円滑に推進する仕組みを成り立たせている

これは 風力発電装置と同じものが
 
自動車には昔から四台も備わっていた 

ということ


この回転する運動エネルギーを

一度も有効利用してこなかったという未開の文明が

温暖化する一方で

一向に止まろうとしない地球の現状を生み出した

輸送分野で排出した二酸化炭素の割合は

一貫して30%弱という水準を保っている


車輪の回転に秘められた運動エネルギーから

電流を引き出せるように改造してやるだけで

ガソリンを消費せずに 

オイル交換もいらない

どこまでも走ることができる電気自動車を

文明が製造することは

何年も前に 

できていた


未利用エネルギーが移動体にも潜んでいたということを

文明がもし察知していたのなら

石油をめぐる様々な異変が

起きるようなことはなかったであろう


イラク戦争も起きていなければ

原油の高騰も また 起きず

マネーサプライを当局が公表できないくらい

ドルが増発されるような事態にも陥ってはいなかった


過剰流動性をもつドルの濫発で

無秩序な市場創出を図ったということが

ウォール街の相場を高値へと誘導することに寄与し

更に

サブプライムローンのデフォルトまでを生みだすこととなったのだ

原油高の高騰が更なる投機マネーの流入を呼び

昨秋ついに

金融システムの不備を突いて

信用収縮を惹起させることとなり

世界同時不況を勃発させることとなったのだ


ドルを濫発してもアメリカ経済がインフレにならなかったのは

ドル安政策がうまく機能していたからであった

市場でドル余り現象が顕在化しても

余ったドルの多様な仕向け先が 予め用意されていた

ドル通貨そのものが

投資のための手段となるように以前から配慮されていたのである

濫觴を辿ると

85年秋のプラザホテルでのイベント

そして

71年夏のドルショックへと行き着く


すべての投資行為は

ファンダメンタルズとして

鍋の中の濃厚なスープとなるのだ

渾然一体となった資本の味は

アメリカを過剰消費社会へと変え

政府と国民とを陶然とさせていたのだったが

ドル需要国に対しては

資本の流出を生み出す根本原因を与えることとなったのである


世界中からアメリカへと集まってきた外貨は

余ったドルを世界中に分散し 

更にもっと多くドル消費国へと捨て去ることを可能にした

ドル安政策の結果として

アメリカは己の債務残高を一貫して軽減していく一方で
 
米国債の追加発行を可能にする

ドルの需要水準全体を引き上げ

外国政府とその中央銀行に

ドルを大量に買わせるための合理的な理由を与え

余ったドルを押しつけながら

米国債を大量に買わせるよう仕向けたのである


国際収支の黒字国を 見掛け上の債権保有国として放置し

外貨準備の残高を徒に高からしめていったのだ


その一方で

国防費の増加を促すために 

ありもしない敵からの攻撃をイメージさせ

南北問題に代表される貧困の拡大を
 
同時平行的に派生させてきたのだった


全体が100となっている系では

一方の増加は 他方の減少を意味する

アメリカの一方的な繁栄は

貧困化する国の拡大を前提としてなりたっていた


米政権とFRBが

ドルをもっと濫発したとしても

市場機能がその結果として
 
過剰発行して余らせたドルを速やかに回収し

それを外国の資産を買収するための手段として使うことができたのだ

ドル資本に外貨を買うように仕向けてやるドル安政策をとり続けていれば

様々な再投資活動に

ドルのもつ本質である過剰流動性そのものを

世界中に振り分けていくことが可能な状態になる

そんな仕組みが
 
かねてからドル経済圏の底には予め構築されていたのだった


アメリカがことあるごとに

為替相場の変動を

ファンダメタンルズの結果だと言い張っていたのは

米政府が為替操作を行っていないということを

同盟諸国に対し証明してみせる必要というものがあったからだった


ドルの発行権を活用するためには

原油相場を決定する市場である WTI で

取引価格の上昇が起きていれば よい

それには

需給のひっ迫感をマスコミにリークし

投資資金の流動化を促してやる必要というものが
 
あったのである


アメリカのローカル市場に過ぎない小規模なWTIなら

僅かな投資資金を集中させるだけのことで

価格の高騰を容易に誘導することができる

WTIのシェアは 世界市場全体の3%以下の規模に過ぎない

この小さなマーケットに

世界中から資本が集中するようになるというだけで

原油相場は簡単に大きく変動してしまうことになる

破局の直前には そんな経過が記録されているのである


ドル安政策と原油高とは 

二つで一つとなる戦略なのだ

アメリカがどんなに借金を重ねたとしても

債務不履行に陥らないのは

ドルの発行権をもっているからだ

アメリカに資金を貸すところがなくなったとしても

米政権は 困らない

借りる必要性そのものが

まったくなかったからである

ここに基軸通貨のシニョレッジをもったことの優位性が

顕れている

基軸通貨として地球全域で通用しているドルは

アメリカが望めば

必要なだけ すぐ簡単に手に入るようなものなのだ


発行済のドルを再投資してきた勢力が

いわゆる

国際金融資本と呼ばれる組織であった

ドルを再利用するための複数の手法を

あらゆる市場で展開してきたのだったが

昨秋の金融危機で その多くが淘汰されてしうこととなった

生き残った組織が

ドル安政策の実行役として

再び

国際市場へと登場する機会がやってきた


原油価格が最近上昇に転じたという変化は

その予兆だったのである


ガソリンも電力会社の電気も共に必要としない

自分で発電しながら走る稀有な能力をもつ電気自動車は

充電するために停車している時間さえゼロにし

いつまでも

どこまでも

走り続けることができるもの


この低廉な価格で買える環境型の移動体が市場投入されると

ドル安政策の続行は次第に困難なものとなる

不公平な制度であるアメリカ型資本主義経済というものは

温暖化の停止とその後の環境の回復の実現と共に

その終焉を 

やがて

静かに迎えることとなるだろう
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