山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

六甲山系・有馬三山(こんなに疲れるとは考えだにしなかった)

2019年09月18日 | 山野歩
落葉山頂

2019年09月15日(日)
『六甲山系』
<有馬三山>
[コースタイム]
◆ [六甲ケーブル山上駅]8:00 → (六甲山ゴルフ場) → 8:45 [みよし観音] → 9:00 [六甲ガーデンテラス] → 9:27 [極楽.茶屋跡] 9:40 → [紅葉谷道との分岐] → (番匠屋畑尾根) → 11:02 [湯槽谷峠] → 11:32 [湯槽谷山] 12:00 → 13:03 [灰形山]13:25 → 14:05 [落葉山頂]14:35 → 15:08 [有馬温泉] → [有馬温泉駅]
<こんなに疲れるとは考えだにしなかった>
30数年も前に購入した、六甲山にかかわる書籍(創元社)の中から、今回選択した山道は“有馬三山”を巡る尾根道であった。
「道は細く、ともすればブッシュに見え隠れするが、割合に踏み跡はよくついているし、道標も所々にあるので、注意さえすれば危険はない。
ただうっかりすると迷いやすく、人通りもまれなので気を付けて、地図、磁石などを忘れずに携行のこと」と書籍にあった。
その書籍には、六甲ケーブルを利用し山上に至ると記されているのだが、
スタート地点となっている六甲ケーブル上駅へは阪急六甲駅より歩いて上りたいものと当初は考え、
昭文社の地図を見つつ、
六甲駅よりケーブル上駅への道が分かるのだろうか、所要時間はどの位だろうかなどと思考する中で、
万が一上れたとしてもかなり疲労してしまい、目的の有馬三山に行けない事態に陥っては元も子も無いと思い直し、
書籍に従い六甲ケーブルを利用する。そしてそれが正解であった。
それは、湯槽谷山より続く急勾配の下り道で疲れ切ってしまったからだ。
「道は細く」と書籍にあったが、番匠屋畑尾根より有馬温泉まで、
踏み跡どころかしっかりとした道が続き、新しい道標も設置されていて道に迷う心配はなかった。
また、ケーブルを利用したお蔭で時間に余裕があったので、有馬三山である湯槽谷山や灰形山、落葉山ではしっかりと休憩し、
しかもトレッキングポールに身体を預けつつ至極ゆっくりと下ったので、
こむら返りに陥ることもなく、珍しく芍薬甘草湯のお世話になることもなかった。
そんな中、この急勾配の道を上って来られる数人の方々に出会ったのだが、
僕の脚力ではこの急勾配の道を上れないに違いないし、上ってみようとはけっして考えないだろうと思った。
また、有馬温泉街からの有馬三山への入山口は至極分かり辛いもののように思えた。
ところで今日は独り山行ゆえ、咲く花を愛でる山歩きが可能となった。
上や下、右や左、ときには振り返りつつ、きょろきょろと周囲の景色に眼をやりながらゆっくりと歩く。
連れが居るとこんな山歩きは不可能だ。
今日、咲く花に気付いたのは“セイヨウニンジンボク”が最初で、
六甲山ゴルフ場に到着する手前くらいの道で、僕の胸くらいの高さのところに薄紫の花を咲かせていた。
それより直ぐに現れたのは青花の“露草”だ。その傍らでは数本の“水引”が小さな紅花を凛凛しく付けていた。
六甲ガーデンテラスを通り過ぎ再び山道に入ると、足下に僅かだが黄花の“金水引”を見付ける。
もう其処が“極楽.茶屋跡”という処に二輪の“待宵草”がひっそりと咲いていた。
ゆっくりと歩き愉楽の心根でやって来た極楽.茶屋跡、其処には数多の“釣舟草が”花咲き、その隙間から“犬蓼”が姿を現していた。

また“ユウガギク”だろうと思うのだが、釣舟草の前面にこれまた数多咲いていたのだが、
さてこの白花菊はユウガギクで当たっているのだろうか。正確なところは分からない。
此処からが初めて歩く道だ。
番匠屋畑尾根に入って行くと道は樹林に包まれ、咲く花になかなか出合わない。
“極楽.茶屋跡”を後にしてからほぼ二時間後、湯槽谷山近くになって足下に“山路の杜鵑草”を三輪見付ける。
その時それが花だとは直ぐには分からなかったのだ。
もしかすれば花かも知れないと思い、我が老眼を凝らすとやっぱり花で、
陽射しがまったく届かない湿った道より“山路の杜鵑草”が謐然たる姿で僕を見上げていた。

そして今日出合った最後の花は“縮み笹”だ。
湯槽谷山より灰形山へと向かう下り道だったのだがうっかりすると見落とすほどの姿に儚さを感じたのを覚えている。

ほんとうに疲れた。こんなに疲れるとは考えだにしなかった。
落葉山の四等三角点を確認したとき、まだ有馬温泉に到着していないにもかかわらず、
これで今日のしんどい山歩きは終了するという安堵感が我が心中に溢れた。
それより数秒歩いたところに妙見宮があり境内で大休止にする。
その間、一頭のモンキアゲハが二度、瞬時に現れ、瞬時に消え失せた。


コメント
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