◆撮影:2013年9月14日、御在所岳(藤内小屋)にて
2014年9月14日(日)
『滑落事故から早や一年』
<身体を鍛える>
昨年の9月14日に僕は滑落事故を起こした。当時、山仲間のABちゃんが記した「御在所岳藤内壁前尾根前壁ルンゼ遭難の記録」に、「前尾根前壁ルンゼ下降中、約20m落下し、2回バウンドして大岩陰でやっと止まる」「左耳前部より多量出血あり、本人意識なし、応急手当、雨具着せる」「救助の応援を求めるため、前尾根P2(ヤグラ)を登攀中の名古屋山岳同志会のメンバー(3名)に救助の携帯電話での連絡をお願いしたが、携帯電話が繋がらないので、徒歩による警察への連絡を依頼した。」などとある。
滑落事故前後の記憶も含めて、ザイルで確保してもらいながらルンゼを自力で下降したという記憶、担架を使えないところでは、オンブによって二村氏に降ろしてもらったという記憶、裏道登山道では担架搬送をされたという記憶、救急車で病院に到着し病院で治療を受けた記憶、全てが我が脳裏から喪失しているのである。「滑落した」「滑落してゆく」なんていう記憶もまったく無いという現実のなかで、それが如何なる原因で生じたのかも分からず仕舞いだ。あれから早や一年が経つのだが、その間、山の会例会に二度出席し、一人で私市の森中へ二度足を運んだようにも思うのだが、それらを除くと殆ど運動らしき運動を行なっていないというのが現実で、我が脚腰と精神は至極脆弱なものとなってしまった。また、事故の後遺症も明確に残っている。
我が山の会は、この連休を利用して、小豆島に岩登りに行った。昨日も今日も好天という様子で、「今、岡山に向かう電車に乗っています。本番は明日ですが、気をつけて行ってきますね!」と、昨朝11時30分にABちゃんからメールが届いた。昨晩はMTくんの実家に泊り、日中は釣り三昧だったのかも知れない。「素晴らしい天気ですね。僕も一緒に行きたかったです!海、岩、いずれも存分に楽しんでください」と僕は返信した。
ところで、仕事や家庭にかかわる僕の生活環境を考えるとき、また僕の身体力を考えるとき、岩登りは勿論のこと、山中を歩くことでさえ不安な気持ちになってしまう。それは、「二度目の事故はあってはならない」と考えてしまうからに他ならない。その為には、僕の身体を鍛える必要があるのだろうと思うのだが、そして先ずはランニングから、と考えるのだが、その為の時間の捻出が現在の僕の生活環境では殊に難しい。従前のように早朝に走る時間は無いし、午前中も駄目だ。また、夕方も時間の捻出はやはり難しい。