山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

鈴鹿山系・釈迦ヶ岳(冷たい烈風吹き荒ぶ頂)

2021年12月25日 | 山野歩
2021年10月17日(日)
『山野歩』
<釈迦ヶ岳>
[コースタイム]
[明朝ヒュッテ大駐車場] 8:20 → (中尾根) → 11:15 [釈迦ヶ岳・最高点(松尾尾根の頭)] → [県境尾根道と合流地点] → 11:24 [釈迦ヶ岳(1091.9㍍)] 11:48 → 12:25 [猫岳(1058㍍)] → [羽鳥(ハト)峰] → 13:37 [ハト峰峠] → [伊勢谷小屋] → 14:57 [明朝ヒュッテ大駐車場]
◆所要時間:6時間37分
<冷たい烈風吹き荒ぶ頂>
昭文社小冊子の案内を読んでやって来た、初めての“釈迦ヶ岳”。
“中尾根”から上った筈なのだが、何処が“鳴滝コバ”だったのか、また何処が“釈迦白毫(びゃくごう)”だったのかが分からない。
また、道標に“大峰”という文字があったのだが、この“大峰”も何処なのかが分からず仕舞いだった。
併しだ、樹林中を、しかもガス中を、岩に身体を任せ、樹木の根っこを握り、時にはロープをつかんで、
殆ど視界が利かない樹林中の急登道を、懸命に上って来た所為なのかも知れないのだが、
二度ほど現れた「釈迦ヶ岳 庵座谷登山道」という看板を見て、安堵しつつ懸命に前進した。
“庵座の大滝”や“三段の滝”が眼に留まった辺りは、まだまだ余裕があった。ただ、降雨のみが心配なだけだった。
ところが、此処が“大蔭”なのかも知れないと思われるガレ場を、左手に見る道を行く10時50分頃より烈風が吹きつけるようになる。
この辺りだっただろうか、自身の年齢や体力を鑑みたとき、この儘前進してよいのだろうか、
もしかしたら撤退すべきではないだろうかと、瞬時思考したのを覚えている。
それより20分位だっただろうか、“釈迦ヶ岳・最高点”という看板が現れホッとする。
更に5分ほど進むと、ハト峰への分岐道標が現れ、また5分ほど進むと“釈迦ヶ岳山頂”到着であった。
“釈迦ヶ岳山頂”でお昼にする予定であったのだが、吹きつける烈風のため、それは不可能で、写真を撮って直ぐに来た道を戻る。
ホンの少し戻ると、烈風から免れることが可能な、ちょっとした小さな窪地を見付け、立った儘の姿勢でお昼にする。
“釈迦ヶ岳”からの下山も、昭文社小冊子の案内に倣い、“ハト峰峠”経由で“明朝ヒュッテ大駐車場”へと向かった。
ハト峰への分岐道標より“猫岳”へと向かうときには、風が治まり、
“中尾根”のような樹林中の厳しい急登道ではなく、ルンルン気分の歩き好い道が続いた。
今日、山中で出会ったのは、3組の登山者4人と1匹のワンちゃんと猿であった。
その1人目は、中尾根の樹林中の急登道を懸命に上っているときに、降りて来られた60歳代と思われる男性であった。
彼は、この天候で半ズボンという信じられない姿であった。
二人目の人は犬を連れた人で、僕が“釈迦ヶ岳”の頂を踏んで、少し戻ったところでお昼にしていた窪地の傍を、
悠然と“釈迦ヶ岳”へと向かわれた40歳代の男性であった。
次は、もう其処が“ハト峰”というところを歩いているときに、後方から来られた30歳代と思われる男女の二人連れであります。
女性は至極明るい方で色々と話してくださったのですが、忘れられない二つのことがあります。
その一つは、「引き返そうと思いませんでしたか?」という言葉でした。
「はい、引き返した方がよいのかも知れないと思ったときもありましたが、折角やって来たのだから、山頂はやっぱり踏みたいと思いました」と、
そのときの心中を吐露したのを覚えています。
二つ目は、“ハト峰”に立つときに、前方下方に見えるかなり大きな絵画の説明でした。
その女性に教えて貰わなければ、その絵画の存在に僕は気付かなかったかも知れないのですが、
“ハト峰峠”より“中峠”へと続くちょっとした広い道の上り斜面に、石を置いて描かれた絵画があったのです。
「登山者が日付を更新していくんですよ」と仰ったのですが、
その絵画には「2021年10月17日」という今日の日付が書かれていたのでした。
ところで、今回の山行で出合った唯一の花は、悪天候の中尾根を懸命に上るときに足下に咲いていた[イナベアザミ]です。



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