前回のブログ(No. 936)で「日本のいろいろな産業が立ちゆかなくなるかもしれません。」と書きましたが、これは不幸な予言をしているわけではありません。
言うまでもなく、未来のことは誰にもわからないからです。(神のみぞ知る。)
いろいろな情報から未来のことは予測できますが、「必ずこれこれこうなる。」とは言えません。
当然です。未来は未定だからです。そうはいっても、現状を分析することによりかなりの精度で予測はできます。しかし、それはあくまで予測であり、確定したわけではありません。そして、当事者達の「自由意思」で未来は当初の予想から刻々と変わっていくのです。
ここで言う「自由意思」とは「こうなるはずの予想を覆すほどの当事者達の十分な努力であり、戦略であり、前提条件の変更です。」
つまり、現状から予測すれば、これこれこうなりそうだ。そうなってもらっては困るなら、さっそくそうならないよう努力をスタートすれば良いのです。現在ただいまの努力によって「予測された不幸な未来(結末)」を「予測外の幸せな未来」に変えれば良いのです。
無論過去顧みたり、将来のことを考えることは大切ですが、ただ過去を悔いたり、将来を憂うより、現在、生きている「今」が大切なのです。一瞬一瞬の「今」の連続が永遠の未来につながっているからです。
よって、現在ただ今の自分自身の行動が未来の原因をつくり、未来の結果を良くも悪くも日々創り出していると言えます。
ですから、不幸な未来予測を素晴らしい未来に変えていくために、現在「ただ今」を大切にし、すぐに手をうちましょう!そして、それを継続しましょう。そうすれば未来は必ず良い方向に変わっていきます。
歴史的事件で例えれば、
「今川義元が大軍をすすめて行けば、織田はひとたまりもなく破れる。」とその当時のほとんどの人が予測したと思います。しかし、情報収集し、地形を活かし、天候を活かし、敵軍の油断を誘う策略をとり、敵軍の大将の首をとることを最優先にし、信長を先頭に全員が必勝の信念で攻めたので圧倒的に数で勝る今川軍に勝利したのです。偶然や運だけで「窮鼠猫をかむ」状態で勝利したのではありません。「このままでは不幸な未来となりそうである。座して死を待つより、十分な準備をして、勝ちに行く。」勝つための努力を日々最大限した上での桶狭間の大勝利であったのです。
現在ただ今の一瞬一瞬を大切にして生きること。それが「永遠の今」であり、「悟り」の縁(よすが)である。by 道元禅師(正法眼蔵)