よく「褒めて育てなさい。」と世間の有識者の皆さんが言います。私も基本的にはそう思いますが、ただ何でもかんでも褒めちぎっているだけでは、子供を増長させたり、勘違いをさせてしまいがちです。普通結果が良いときは意識しなくても子供を褒めていると思います。その反対に期待する結果を出せなかったとき、子供を叱ってしまっていると思います。それがごく普通の親です。
これに対してもっと深く考えている親達は、結果が出る前段階で子供が懸命に努力をしたら、まだ結果が出る前にその懸命な努力を讃え、褒めています。なぜなら、勉強でもスポーツでも今日頑張ったからと言ってすぐに結果が出ないのが普通だからです。また、結果が出るまでには地道な努力を継続する必要があり、その期間が一番苦しいのです。その苦しいときに「頑張っているね。偉いね。」と褒め、努力を讃え、良い結果への勢いをつけてやるのです。そうすれば、今回はたまたま結果が出なくてお子様を褒めてやれるのです。つまり、100点をとったという結果を褒めるよりも、そこまで努力したことを褒めることによって、今回は結果が出なくても褒めてやれるのです。
これが結果主義に陥らず、そのプロセス(過程)を大事にする家庭教育です。これが真の意味の「褒めて育てなさい。」なのです。
期待する結果が出せなかった子供を「結果が悪い」としかるより、その悪い結果を出した原因を親子で冷静に分析し、子供には反省を促すのはもちろん、親も自分自身のもっていきかたを反省し、親子ともども次回への教訓とするのです。
ここで父親の登場です。父親は仕事等でお子様といっしょにいる時間が通常母親より少ないです。だから、お子様が懸命に努力している様子も見ていないし、その努力をしている最中にお子様を褒めることが出来ません。他方お子様も父親に自分の努力を認めて欲しいと思っています。特に男の子は「お父さんに認められたい、評価されたい。」が本能のようです。
残業等でお子様が完全に寝入ってから帰宅するお父様は可愛い我が子と話が出来ないし、褒めてもやれません。可愛い寝顔を見て、起こさないようにそ~っと頭をなでてあげるぐらいです。
だから、朝食をお子様と一緒にとっているご家庭では朝食時が子供を褒める絶好の機会です。
朝食時に父親が子供を褒めるには、「子供の昨日一日の様子や幼稚園、塾、学校でのこと、子供が話した内容等」を知っていないと出来ません。だから、母親(奥様)が父親(ご主人)にこれらのことを前夜のうちにしっかり話しておくのです。そして、父親は朝食時にでも「お母さんから聞いたよ。○○○なんだって、○○○、偉いな。すごいね。」とお子様を褒めちぎるのです。
こうなると奥様としては「私が子育てでこんなに苦労しているのに。あなたは美味しいところばかりとって・・・・・ずるい!」と思いがちです。しかし、父親の開口一番が「お母さんから聞いたよ。」ですから、これによって、「母親は自分が頑張ったことをお父さんにきちんと話していてくれる。」とお子様は思いますので、ますます「お母さん大好き」になりますからご安心下さい。
是非あるべき父親像、母親像を試してみてください。
お子様はかならず良い方向に向かいます。
いつも語っていることですが、「子供を変えるには、子供だけを変えようとせずに、まず先に親のほうが変わることがその秘訣!」です。