「ドイツの地方都市へ行くと、街並みが美しく、家々の窓のフラワーボックスには美しい花が飾ってあります。街路もきちんとしていてゴミなど落ちていません。だから、欧州を旅行していてドイツ国内に入ると、日本のようにきちんとしていて、ほっとします。ドイツ人は几帳面で真面目、時間を守り、律儀な点は日本人に近い国民性だと思います。また、クラシック音楽を愛好する者にとってドイツはオーストリアと並ぶ本家本元であり、特別な存在なのです。」-私もそう思います。
そういう「ドイツは素晴らしい。」という文脈から「ドイツを見習え!」と力説する立場の意見ばかりがマスコミで報じられ、ドイツに内在する問題点がほとんど報じられない現状に一石を投じたのが前回紹介した「ドイツリスク」なのです。
どんな国にも素晴らしい点と素晴らしくない点があるのです。ちょうど100点満点の人物がいないように世界中探しても100点満点の国はないのですから。
だからこそ、人物も国も総合評価なのです。
そして、正しく総合評価するためには一方向から決めつけ見ていてはいけません。いろいろな角度方向から光をあて、その見え方を統合して初めて(実像)真実が把握できるものです。
「交差光線によって浮かび上がった像がより実像(真実)に近いものだ。だから、一つの立場から判断せずにいろいろな立場から考え、いろいろな立場の人の意見を聞き、真実に迫る。」そういう姿勢が大切だと思います。