先日都内に出る用事があり、午前10時頃に宇都宮線の湘南新宿ラインに乗りました。この時間でも車中は満席で身体がぶつかるほどではありませんがけっこう混んでいました。大宮から乗った私もつり革に手をかけ、立っていました。浦和で80歳ぐらいのお年寄りが乗ってきて、入口付近の座席の前に立ちました。見るからに身体の具合が悪そうで辛そうにしています。
お年寄りの目の前に座っているのは女子大生風の3人ですが、お年寄りに気づいてもまったく無視で、大きな声で話をしています。「誰か一人でいいから席をゆずってあげればいいのに・・・」と思いましたが、そのお年寄りに気づいているのにその周りに座っている人達は誰も席を譲りません。そうこうするうちに赤羽です。私の席の前の人が立ち上がったので、さっそく入口付近のお年寄りに「こちらの席へどうぞ!」と声をかけたのですが、よくあることなのですが、固辞されてすぐにはお座りになりません。
その瞬間、私の斜め後ろから滑り込むようにして大学生風の若い男がちゃっかり座ってしまいました。その間わずか2~3秒です。私は次の池袋で降りるのでもとよりその空いた席には座るつもりはありませんでしたが、お年寄りに席を譲ろうと話している最中にお年寄りが座るはずだった席に後ろから割り込んで座る若者を目撃し、驚き、がっかりしました。
塾に戻ってから職員に話したら、そんなことは日常茶飯事で、お年寄りが目の前の席が空いたので座ろうとしたら、そのお年寄りを横から突き飛ばして座った若者を見たことがあるとのこと。世も末です。ここ10年くらい電車内のマナーはますます荒れているとのこと。
彼らを見ていると「われわれ若者だって疲れるのだから、席に座る権利があるのだ!」とでも主張するかのように堂々と割り込んでいます。まったく悪びれていません。しかし、将来彼らが年老いたとき今度は「われわれ老人には座る権利があるのだ!席を譲れ!」とでも主張するのでしょうか?
どうしてこういう若者が増えたのでしょうか?いろいろな原因はあると思いますが、結局のところ「自分がその老人だったらどう思うか?」という相手の立場に立って考える習慣がないことが最大の原因だと思います。
親が子どもに教えるべきことはたくさんありますが、「人としてのあるべき姿」だけは教えたいものです。