片付け問題の続編です。
「1回言っても全然片付けないので、だんだん大声になり、繰り返し言ってしまいます。」
子供というのは慣れてしまうのですね。いつも3回言っていると、気の進まないことは3回言わないとやらなくなります。そして、そのうち3回言ってもやらなくなります。
では、どうすればよいのでしょうか?
これは片付け指示だけの問題ではありません。しつけ全般にかかわる問題なのです。
お子様が普通に育っているご家庭(お子様が病的にひねくれていない家庭)では
まず、「親から何か言われたら、それをすぐにやるのが素晴らしい。」という価値尺度(価値観)を心の中に確立するよう日々子育てをします。無論これは「大人の言うことを何でも無批判に実行しなさい。」というのではなく、親や先生など自分のことを大切に考えてくれている大人に限ります。そして、そういう大人が子供に「あるべき姿」を教えたり、指示をしているときに、「言われたことは、すぐに実行する。」という躾です。
この価値尺度がないと子育てが大変になります。何か指示すると、気の進まないことは実行せずに、「いやだ!」と言ってやりません。「いやだ!」と言うと怒られる家庭では、子供は、実行したくないことは「なんで?」と言い返します。これは理由を聞いている疑問文ではなく、自分がやりたくないので「なんでやらなければいけないの?やらなくてもいいでしょう!」と言っているのです。
そして、こういう「言われたことは、すぐに実行する。」という価値尺度を3歳までに確立しないと片付けなど生活上のことはもちろん学習も素直に実行しなくなります。「三つ子の魂百までも」とは昔の人はよく言ったものです。
2~3歳の子供に足し算、ひき算を教えるより、人として大切な価値尺度をしっかり確立させることが最優先なのです。
以前このブログにも書きましたが、子供が生まれた後、一番最初に教えることは、言うまでもなく言葉であり、意志の伝達方法です。次に安全・危険の区別、これと並行して教えるのが、良いこと悪いことの区別(善悪の区別)です。そして、その次が人としての価値尺度です。
お子様が既に4~6歳のご家庭でも決して手遅れではありませんよ。今からそういう価値尺度を教え、導くのです。「大声を出して叱る、何度も言っても子供は動かない。」という状況から脱するためにまず、親のほうが先に変わりましょう。子供を変えたかったら、子供だけを無理矢理変えようとはせずに、知恵を絞り、作戦を立て、親のほうが先にかわってしまうのです。そうすると子供は親の鏡ですから、子供も良き方向に変わり出します。
子育てで悩んでいる方、是非、試してみてください。