やっとカイユボット展に行ってきました。
カイユボットは同時代のモネやルノワールほど日本では一般には知られていませんが、印象派を代表する画家です。そして自身が画家であると同時にかなりの資産家であったので同時代の印象派の画家達の絵画を購入することで彼らを支援していた人物です。そのカイユボットの作品約60点をブリヂストン美術館が日本に初めて紹介しています。
日本ではあまり有名ではないせいか休日の午後なのにこんでいなかったのでじっくり鑑賞できました。これがまた良いのです。ゆったりした気分で鑑賞するなら絶対平日の開館直後がおすすめですが、私自身は平日は仕事が忙しく無理です。だから休日の午後に行ってこんでいなかったのが幸いでした。
カイユボットの作品どれもなかなか良いです。私のお気に入りは上のパンフレットの表紙にもなった「ヨーロッパ橋」と「見下ろした大通り」です
鑑賞していてすぐ気づいたのですがレンズを通した写真のような視点(アングル)で描かれた絵が多いです。つまり、写真家のような視点からスケッチしているように思えます。小石川高校時代、私は写真研究会のメンバーで、写真については少しかじっていたからそう思えたのかもしれません。実際カイユボットの弟のマルシャル・カイユボットは音楽家でありながら写真にも興味を持ちパリの街の風景を沢山撮影していますので、いつも行動を共にしていた兄の絵にも写真家的発想が影響したのでしょう。
ちなみにマルシャルの写真も多数展示してあり、1890年代のパリの街並みや人々が撮影されていて興味深いです。凱旋門、エッフェル塔などそれ自体は現在とほとんど同じ佇まいに見えます。
カイユボットの作品と弟マルシャルの写真、どちらもなかなか良いです。12/29までですから、是非行って見て下さい。期待を裏切らないと思います。