怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

12月29日若宮大通りテニスコートのあとは紫禁城

2012-12-31 07:38:10 | テニス
4時過ぎにテニスを終えて5人はとぼとぼ歩いて鶴舞公園へ。
日の落ちるのが早いとは言え4時過ぎにはまだほとんどの店は灯りが点いていないのですが、歩道橋の上から見ると「紫禁城」だけは灯りが点いています。

やっている、やっていると店に入ったのですが、店は開いていても誰もいない。すいませんと声をかけても誰も出てこない。そのうちに厨房に人がいたので声をかけるとなんだ、なんだと戸惑い顔のコックさんが出てきて、日本語もいまいちのようで事態を掌握できていないよう。更に奥に声をかけてやっと見覚えのある太目の店長?さんが登場。
まあとにかく生ビール
餃子を2人前に、干し豆腐サラダも2人前、トマトと卵炒めに軟骨から上げ1人前づつ。

ビールを飲んで料理をつついているとやっと一息つけます。
ビールをお替りというとここで森の熊さんがお酒にすると言い出す。以前はビール命だったのに、どうもここにいたってお酒に目覚めた?
それではと私と1059さんも一緒に久保田の千寿。コップから溢れて下の枡に表面張力で盛り上がるまでついでください。零れないようにまず枡のふちからすすって、うま~い。OBさんは生の、猫背気味のウッチーはウーロン茶のお替り。
料理を食べて、ではそろそろと火鍋2人前に。
凶悪な赤いスープから唐辛子を取り除いて、それでも辛い!

ひーはーと言いながら、できるだけ白いスープを中心に食べます。お酒もなくなったので今度は八海山を。やっぱりこちらのほうがちょこっと甘いかな。
何とか鍋を完食して、〆にラーメン玉を頼んで終了。
丁度ポイントカードが満杯になったので一人2千円でした(120円は基金から出しました)。
今年はこれでテニスは全日程終了。私は合宿も含めて今年47回の参加でした。残念ながら50回には届きませんでしたが、途中から帰るとかしながら出来るだけ参加したので、その割りには進歩はなかったのですが良くやったといっておきましょう
新年は元旦朝から鶴舞公園テニスコートを予定しています。
寂しい正月を過ごす人はみんな参加してください。
では皆さん良いお年を。
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12月29日若宮大通り公園テニスコート

2012-12-30 14:55:36 | テニス
昨日の雨の降り始めが早かったせいか、天気予報は午前中雨だったのが、朝起きると晴れ。いい天気です。
ところがお昼近くなると徐々に雲が多くなってきました。
お昼ごはんを食べて基幹バスで丸田町まで行って1時30分ごろには若宮大通り公園テニスコートへ。
実はこの日はひげおじさんの名前での予約でしたが、ハガキが見当たらないみたいで鍵の番号が分かりません。最初の人がなんとかしてくださいとメールしておいたのですがちゃんと鍵はあけて、ヤッターマン、森の熊さん、OBさん、1059さんといました。
タケちゃんマンは昨日の夜にエジプトに旅立ったそうです。
聞くと鍵は最初からあいていたとか。まあ3コートとも鍵の番号は共通のはずなので、他のコートがあけばその番号を見ればよかったのですが、そもそも鍵がしてなかったみたいです。ひげおじさん安心してください。結果オーライでした。
私は30分遅れてきたので、みんなは練習をして一休みの状態でした。森の熊さんは壁うちをしている妙齢の女性2人が気になって仕方なく、一緒にゲームをやりましょうと誘うのですが、あっさり断られてしまいました
それではと、練習なしですぐじゃんけんしてゲームに。
最初は1059さんと組んで森の熊さん、ヤッターマン組と対戦。練習なしそのせいかミスもあってそこそこ粘っても3ゲームは連敗。最後の1ゲームは何とか頑張ってやっと1:3でした。
続いてのOBさんと組んでの1059、ヤッターマン組との対戦はいいところなくて0:4で完敗。なんだかな~。もうこの日は1回も勝てないんではという気になってしまいます。
休憩してビールでも飲んで、私は寒いだろうと温かいコーヒーを持ってきたのですが、みんな手を出そうとしません。
次は森の熊さんと組んで1059、OBさん組と対戦。ここで森の熊さんが絶妙のコースに打ち分けて4:0で完勝。よかった、よかった。
続いてヤッターマンと組んで森の熊さん、OBさん組との対戦では一進一退でしたが、私はつまらないミスを重ね、最後の粘りがなくて1:3で落としてしまいました。
丁度試合をしている頃に猫背気味のウッチーが登場。
雲はどんどん厚くなり霧雨が降ってきたりしたのですが、ここから6人でゲームを続けます。
私は2試合やったつもりですが、組み合わせがいまいち記憶にありません。いずれも2:2という結果だったと思います。
曇って薄暗いので4時ごろになるとボールがかなり見難くなり、ここで終了。
この日のビールは350缶が5本、500缶が1本でした。
ヤッターマンは忘年会の予定があるとかでここで帰りました。
残った5人はいつもの紫禁城へ。
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湯浅誠・茂木健一郎「貧困についてとことん考えてみた」

2012-12-29 07:44:32 | 
日本が貧困拡大社会となる中で、パーソナル・サポート・サービス=既存制度では支えられない人たちの生活・就労一体型支援がモデル事業としてたちあがった。この本は各地のその現場、釧路・大阪・沖縄と回りながら湯浅と茂木が話したこと、考えたことの記録です。

それぞれの現場で担当している人、相談者などと対話をしているのですが、現場でないと分からない考え、悩みなどは、この本がもともとNHKの番組を基にしているのでしょうが、よくわかります。
貧困というのは「貧乏」プラス「孤立」ということで、人間関係など、いろいろなところの「溜め」(これは湯浅の造語だと思うのですが、お金、人間関係、自信、尊厳など、人間が困難な状況に陥ったときの緩衝材になるとともに、人がエネルギーを汲み出す諸力の源泉となるもの)を増やしていかないと問題が解決しない。人間が健康で文化的な最低限の生活を営むための衣食住を支えるお金は必要だけど、自立するためにはやっぱりつながりが必要で、湯浅によれば、極論すればお金を支給するよりも友達を100人支給することのほうがいいかもしれないと。
ところでそれを政策として政府の予算なり、パブリックマネーで行おうとすると、意見の異なる様々な人がいるから、その人たちの同意が必要になる。民間の活動というのは「この指とまれ」方式で「何かしたい」と思っている人たちだけで集まって、寄付などのお金で行うから、自分たちの主張を100%貫ける。どうしても国のやることは、スピード感がなくて手間がかかる。
湯浅は内閣府の参与の経験から「調整権限と決定権限はセット」といい、自分たちで決めたいのなら調整責任を背負わなくてはいけないという。ある政策を実行するときには、その政策に反対の人もお金を使う。賛成の人の税金だけを使って政策は実行できないのです。これはある意味、体制に取り込まれたといわれかねないのですが、パーソナルサポートの仕事も相談者との意見交換のプロセスと考えれば共通している、結局異なる立場の間の合意形成や調整が必要ということになるのでしょう。
それにしても日本には、ここの事情を見て判断することを嫌うような文化的傾向があって、一律が好き。これは結局自分で判断できないので、個人に自信がないからか・・・「ひとつの流れが出来た」と多くの人が感じると、個々人がそれを所与のものとして動き出して、結果的にそれが強化されるということになってしまいます。
自己責任論について言うと、これが貧困問題の解決や日本社会の発展の妨げになっていると。自己責任論は「関係性」を見ないということですが、シリコンバレーに代表されるように、イノベーションのほとんどは、関係性やネットワークを駆使することで生まれているのです。
二人の多様なやり取りの最後に5つの提言があるのですが、ちょっとそれだけでは提言の「こころ」が分かりにくいので、やっぱり全部読んでください。一応その提言を書いておきます。
1「パーソナルサポート」には貧困対策とどまらない日本再生の鍵がある
2「溜め」や「安全基地」がなければ、人間は生きていけないし、何かに挑戦することも出来ない。
3 困った人は地域の宝物である。一人の課題を解決することは、地域と社会の問題を解決すること。その積み重ねが日本社会全体の解決能力も上げていく。
4 自己責任論はフィクションである。それは人を自立させないものであり、イノベーションを妨げるものでもある。
5 自分自身の「壁」を意識化して、それを壊していく。多様な価値観を受け入れることが出来る人間が増えれば、社会はもっと豊かで強くなる。 
茂木が言っていますが、人格というのはその人一人だけで出来ているのではなくて川の流れのようにたくさんの影響が集まって出来ている。「あなたという人は今まであなたが人生で出会ったすべての人の反映なんだ」ということですし、「人間を理解する」鍵は関係性にある。人間が一人で生きていけない以上、多様な関係性を持つことによって、社会生活を営んでいけるのでしょう。
テーマがテーマだけに湯浅の論に鋭さと深みがあると思いますが、うまくそれを茂木がフォローしている感じで、硬いテーマの割りに読みやすい本でした。
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12月24日鶴舞公園テニスコート

2012-12-26 20:12:42 | テニス
3連休ということもあって23日に中学時代の友人を我が家に呼んでふぐ鍋をしました。彼が来るといつも家中にある酒を飲んでしまう勢いなのですが、今回は生酒(アルコール19度)の4合瓶を持参してきました。
それでも長男も飲むので銀杏に韓国のり、ふぐ刺しをつまみに飲んでいるともう足りない。ふぐ鍋に移る頃には我が家の焼酎を飲むか。この焼酎は飲みさしで残り少なかったのですぐになくなり、今度は泡盛の封を切ることに。これは半分ぐらい飲んだところで止まったのでしたが

風呂も入らず倒れこむように寝てしまいましたので翌日は当然のごとく二日酔い
ということで出かけるのは遅れて9時過ぎとなりました。
出かけると間もなく白いものがちらほらしてきて雪が降ってきたのでした。テニスには似合わない寒い一日となりそうです。途中コンビニでお茶を買ってきつつ10時には鶴舞公園テニスコートに着いたのですがコートにはOBさん、猫背気味のウッチー、タケちゃんマン、久し振りのBBさんが試合をしていて、1059さん、森の熊さん、ヤッターマンがちびちびとビールを飲んでいました。
この日は雲も多く、本当に寒い。
もう練習はいらないとすぐにゲームに入っていきます。最初は1059さんと組んで森の熊さん、ヤッターマン組と対戦。乱打もなにもなしなんですが食欲もなく頭は痛いながら試合になるとそれなりに身体は動きました。最初のゲームからジュースジュースと長くなったのですが、結局2:2の引き分け。
寒い中それでも森の熊さんはビールを飲んでいますが、この日は二日酔いで飲まない私は、隣にいるとビール臭さをびんびん感じます。
組み替えての続いてのゲームはヤッターマンと組んで森の熊さん、1059組と対戦。雲がかかると風が出てきて微妙にボールが流れます。そのせいではないのですが、この試合も2:2の引き分け。
休んでいる間、森の熊さんは隣のコートをいつも見ていて、何であそこは女の子のほうが多いんだ、女の子も結構上手いじゃんと我がクラブの試合は見ていません。
続いて森の熊さんと組んでヤッターマン、1059組と対戦。この試合はいずれもサーブブレークとなってこれまた2:2の引き分け。
この日は全部引き分け。もう1試合という声もありましたが11時30分の時点でもういいやとなって終了。この日は3試合やって3試合とも引き分け。私だけは飲んでいなかったので何とか相方の足を引っ張らずに引き分けに持ち込めたということでしょう。
BBさんはここで帰るので「良いお年を」
私も胃はずーっと重いし、お酒は遠慮しておこうと帰りました。みんなは当然のように「紫禁城」へ吸い込まれていったのでした。
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武士の一分

2012-12-24 17:33:38 | 映画
NHKBSのBSプレミアムで山田洋二監督の映画「武士の一分」をやっていたので見てしまいました。
藤沢周平の原作は読んでいたのですが、今となっては定かに覚えていません。先日も同じBSプレミアムでこれまた藤沢周平原作の「秘剣鬼の爪」をやっていてこれも見たのですが、いわゆる海坂藩ものはそこはかとなく味があっていいですね。テレビといえどもNHKですので当然ながらコマーシャルなし。集中できるし大画面テレビで見ていると臨場感もあっていいのですが、トイレに行く時間がない。それに食洗機の音が結構うるさいのですが、これは文句を言うと反論が来そうなので、音を大きくして黙っています。
木村拓也主演ですが、ちょっと格好よすぎるのでは。もう少し泥臭い雰囲気のある人でもいいのでは。目を開けてまっすぐ見ているのですが見えていないのが分かる演技はなかなかです。

壇れいがいいですね。今では絶滅したんでしょうけど、いかにも江戸時代の日本女性のなんとも言えない良さが出ています。桃井かおりがいかにも口うるさそうなおばちゃん役でいい味出しています。敵役の坂東三津五郎も好色そうな切れ者の雰囲気が出ています。
当たり前なんですが、映画は細部の作り込みが入念です。背景の樹木とか風に舞う木の葉とか手が抜いてありません。最後のクレジットを見ていたら城とか庭園とかはやっぱり彦根でしたが、本物感を出すには本物を使うしかないですね。
最後はお定まりの結末なんですが、山田監督の感情の盛り上げの持って行き方はさすがに上手い。
かみさんは前に見た事があるといっていましたが、最後のところでは泣いていて、一緒に見ていた下の子に冷やかされていました。どうも下の子にとっては殺陣シーン以外はあまり面白くないものに付き合わされた感じです。まだ高校生にはこの辺の機微はわかんないよな。
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痩せ蛙 負けるな一茶 ここにあり 

2012-12-22 16:56:37 | Weblog
寝ぼけ眼で昨日の朝刊を見て、びっくり!!!!
一面に市幹部、嘱託員採用で不正の記事。
当時の部長の名前が出ていたが、よく知っている人。え~!
さらに読んでいくとどうもその部下の当時課長(58)ははげ親父?
職場で事件当時の職員簿を見たらやっぱりはげ親父みたい。
相手は白々しく記憶にないということだが、口利きが多すぎていちいち覚えていないということか。恫喝と強要が得意技だけど、都合の悪いことは記憶にございません・・
夕方はげ親父に青臭いのですがいつまでも友人ですとメールしたら、今は逃避行(場所は某所としておきます)しているとか。へこたれないでください。
残念ながら刑事罰はともかく厳しい懲戒処分は必至かと思いますが、あんな奴の為に可哀相だな~としかいいようがありません。実は私も同じポストを経験しているだけに、運が悪かったとしか言えませんし、たまたまそうならなかっただけで私が同じような状況になっていたかもしれません。
これから世間の風当たりは強いと思いますが、負けないでください。人間居直れば何でも出来ます。
まだどういう展開になるか分かりませんが、脅かされたほうだけが厳しい処分を受けるのはどういうことなんでしょうか、世の理不尽を嘆くしかありません。まだまだ言いたい事はありますが、こうやって書くことができないことも多いので、今ははげ親父にへこたれるなと言うしかありません。
痩せ蛙 負けるな一茶 ここにあり
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池谷裕二「脳は何かと言い訳する」

2012-12-21 20:11:56 | 
この本は脳にまつわる知識や考え方を述べたものです。
最近の脳科学に関する進歩は驚くべきものがありますが、この本には最先端の知見が盛り込まれています。ほんまでっかということがてんこ盛りです。その分体系だっていないきらいがありますが、読んで損はない本でした。

アトランダムに紹介していくと・・・
「海馬」は記憶を司るのですが、海馬で記憶を製造したら別の場所たぶん大脳皮質に保管される、そして記憶を思い出すためには海馬は重要ではない。海馬がなくても言葉はすらすらしゃべれるし、昔の記憶も思い出せます。海馬を取り除いた手術をした患者はまるで「博士の愛した数学」の主人公なのです。
ストレスをストレスと感じなくなるには「場馴れ」がある。「馴れ」を記憶の作用と捉え直すと「海馬」が関係してきます。海馬が活性化するとストレスへの順応が早くなります。海馬を発達させることによって次第に強いストレスに勝てるようになるのです。
脳は目の前にある事実ではなく、「思い込み」という色眼鏡を通した虚構を眺めている。料理の味は大脳皮質にある「第1次味覚野」がまず受け取って処理するのですが、「美味しそう」と思うときと「不味そう」と思うときでは、第1次味覚野での反応が違っている。情報が大脳に入ってくる開始点のところで既に情報にバイアスがかかっているのです。ではなぜ脳は思い込みをするのか、それによって脳は次々に入ってくる情報をすばやく処理しているのです。しかしそれは思考の「マンネリ化」とトレードオフになってしまいます。恐怖や不安はねずみなど下等な生物でも感じても楽しいという感情は大脳皮質の発達した比較的高等な哺乳類しかないそうです。大脳皮質は高次な知能を生み出すには重要だけれども、基本的な生命維持には必ずしも必要ではないということ。恐怖は生命を脅かすものをすばやく感知して身を守り、また未然に防ぐために必要。そのため快さよりも不快さのほうがより先入観が強く生じるのです。
ミシガン大学アベルソン博士の実験ではある刺激薬を点滴し直接体にストレスを与えるのだが、どんな副作用がおき気分が悪くなったときの対処方法を示すだけでストレスホルモンの上昇を80%も減らすことが出来るという。生じる可能性のあることを「予測」でき「回避」できることを知っているだけでストレスを克服できるのです。逃げ道、ストレスを解消する方法を持っていると思っていることが重要なのです。
ちなみに酒を飲むと意識の上ではストレスを発散した気分になるが、視床下部ではストレス遺伝子が活動し続けていて体は依然ストレスを感じ続けているという(和歌山医大上山敬司)。アルコールでは駄目だったのです。
ど忘れは大人の脳だけに特有な現象ではない。子どもも日常的にど忘れしている。ただ子どもと大人ではそれまでに蓄積した記憶量が異なる。100個の記憶から目的のひとつの記憶を探し出すのと1万個の中から検索するのでは、かかる労力や時間に差があるのは当然。ど忘れしたときはそれだけ自分の脳にはたくさんの知識が詰まっているということなのです。それに、ど忘れのときは確かに答えは出てこないけれども、その一方で正解が何かをちゃんと知っている。答えを探している自分と正解を知っている自分が脳の中に同時に存在しているのです。記憶がなくなっている訳ではないんです。よく考えると不思議ですよね。
脳の記憶は複雑なステップを経て達成されるのですが、「獲得」「固定」「再生」という工程に分かれます。ところが記憶を「再生」している最中に薬物で遺伝子の働きを阻害すると、思い出すだけなら遺伝子は必要ないからその場限りでは記憶力は正常に見えるけど、遺伝子のない状態で思い出された記憶は、それ以降脳から消えてしまった、つまり記憶の「再生」とは、記憶を再び固定しなおす「再固定化」のための重要なステップだったのです。中途半端な記憶の再生は正確な記憶を損なってしまうのです。再固定化を確実にするためにも復習は時間をかけて丁寧に。
記憶について言えば、海馬の性能は歳をとっても衰えていない、若者と同じ能力を歳をとってもちゃんと発揮できる。歳をとって何が変わるかというとθ波。θ波は面白いなと感じているか、知的好奇心を持っているかなどの注意力や興味に関係しています。θ波がないと見かけ上の脳の機能は低下します。マンネリ化するとθ波が出なくなり海馬をフルに活用しないように抑制してしまいます。
人には「恒常性維持」の本能から変わらないだろうという無意識の思い入れがあり、「選択盲」という「選んでしまったことに気づかない」性質がある。人は重要な選択をした後にもっともらしい「言い訳」を探して後悔していないと思いたがる傾向が強い。自己維持を守ろうという本能なんでしょう。
fMRIを使うと脳がどのように反応しているかが分かる。痛みに対して脳のどの部位が反応しているかが分かるのだが、他人の苦痛に対しても反応する。「同情ニューロン」というのだが、面白いことに活動するのは痛がる相手が恋人とか近親者の場合。見知らぬ他人の場合は反応しない。すなわち愛情診断に使える!ところで恋愛に根拠があるかというと人は「なぜ、その人を好きになったのか」と聞かれてどう答えるのでしょう。突き詰めていくと人は選んだ後に「言い訳」を言っているだけ・・正しい答えはひとつ「脳がゆらいだから」
水頭症の患者で正常の10%程度の脳でしかなかった患者でも人間として正常に判断したり行動したり思考したりできた。「脳の能力は10%しか発揮されていない」では脳って10%しか使われていないのか?脳の神経細胞1000億個のうち900億個は休んでいるのか?基本的には1000億個無駄なく使っています。身体能力が今の人間より10倍優れているような優秀な体に、今の私たちの脳が入ったとしたら、たぶん十分コントロールできると思います。現在の人体のような、それほど優れていない乗り物をコントロールするだけならば、10%使えば事足りる。その意味では「10%の能力しか発揮されえない」基本となるのは体です。
「金縛り」がなぜ起きるかというとレム睡眠の途中で起こった突発的な目覚めで、本人の意識状態はまだ夢の延長にある。往々にして幻想的で非現実的な幻覚が生じるのですが体のスイッチは「オフ」にしているので体が動かない。金縛り状態になってしまうのです。
睡眠というのは外部情報をシャットアウトするので情報の整理に集中できる格好の時間帯になる。睡眠には忘れかけた情報を呼び起こして記憶を補強する効果:「記憶力補強効果」があるのです。チューリッヒ大学のゴッツェリッヒ博士の研究では目を閉じてリラックスするだけでも睡眠と同じ効果が得られました。学習促進に必要だったのは睡眠そのものではなくて、環境からの情報入力を断ち切ることで脳に情報整理の猶予が与えられればいいみたいなのです。眠れなくてもベッドに横になるだけで睡眠と同じ効果があるのなら眠れないことをストレスに感じることはない。ただしテレビを見ながらの休憩は外界から脳を隔離していないので効果ないとか。
アルツハイマー病は脳の中にβアミロイドがたまってくると症状が出てくるとか。βアミロイドの蓄積は30歳ぐらいから始まるのですが、今の治療アプローチとしてβアミロイドを作る酵素をブロックするγセレクターゼ阻害薬、βアミロイドを分解する酵素「ネプリライシン」、βアミロイドを体外から投与して抗体を作るワクチン療法。近い将来にはいい対処法が見つかるかもしれません。
こうやってどんどん書いていくときりがなくて全部紹介しなくてはいけなくなりますが、まだまだ興味のあることはたくさんあります。決して難しく書いてありませんので、見かけたら手に取ってください。
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佐藤優「人たらしの流儀」

2012-12-17 19:59:33 | 
佐藤優というと外務省のラスプーチンといわれ、鈴木宗男とに連座したような形で背任罪で検察に逮捕され実刑が確定したのですが、その経過を書いた「国家の罠」がベストセラーになり、「国策捜査」という言葉を定着させています。
その後の活動は目覚しいものがあり、ソ連解体の経緯を書いた「自壊する帝国」などは著者しか知りえない内情があふれ迫真のノンフィクションと思います。
それにしてもこんな人が部下にいたら上司は大変でしょうね。うまく使いこなせる力量のある上司ならともかく、ほとんどの人にとっては手が付けられなくて、といってロイヤリティは高いので却って扱いにくいんでしょう。
で、その佐藤優が対人関係を広げつつ、自己のインテリジェンス能力を高め、ビジネス社会を生き抜く力を学び強化するノウハウを講義したのがこの本。

読んでいくとそこらの凡百のビジネス書よりうんと面白く、為になります。
しかしとても著者のようには出来ないことも事実。佐藤優は本当に異能の人です。
普通の生活で睡眠時間3時間、膨大な量の本を読み、速読だと1冊に30分、超速読だと2~3分なんて信じられません(誌上で実演しています)。
それでも私のような凡人にも多少なりとも役に立ちそうな情報も満載です(それでないと本として成り立たないのですが)。
インフォーメーションは単なる情報、インテリジェンスはそれを取捨選択しどう見るかと評価したものが。われわれの周囲にはインテリジェンスまで調理できるインフォーメーションがあふれているのに、多くの人は変換できていない。う~ん、何か耳が痛い。では、どうやってインテリジェンス能力を鍛えていくのか。第一の基本は「うそをつかない」小さなうそをついていくとそのうちに大きなうそをつかざるを得なくなる。必要な時はロシアのスパイが得意なうそをつかずにうそをつく「象さんの法則」が基本です(象さんの法則は実際に読んでください)。
人脈の作り方では、最初はランチから。それも超豪華な店でなくて普通の店の上から2番目のメニューで。会話が弾むように話の引き出しをたくさん持っていることが必要ですが、そんな能力もない時は、「聞き上手」となることに徹して「オウム返し」の技で行きましょう。3ヶ月以内に3回会えば3年間は相手は覚えていてくれる。そうやって相手と共存共栄の関係を作ればもう腐れ縁?
相手に対して魅力ある人間になるには、がっつきすぎない、「儲けた金をばら撒く意思があるか」ということとか。人間的魅力ある人は身銭を切ってちゃんと社会に還元している。天に宝を積むということです。そうした還元の行為によって、発想が変わってくる。著者によると稼いだ金の2割を還元すればというけど、貧乏育ちの私にはこれはなかなか難しい・・・
このほかにも新聞の読み方、本の選び方から読み方、相手を見抜くための小さな嘘、人脈の作り方とメインテナンス、別れ方。
なかなかこの通りできないですが、なるほどと思うことばかり。小峯隆生との対談形式
なのでいたって読みやすい。30分とは行きませんが、すらすら読めました。
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12月15日瑞穂公園テニスコートは雨でしたが

2012-12-15 21:12:03 | テニス
最初の予定では15日は抽選にも外れ、空きもなく空白でしたが、システムを見ていたら1週間前になって空きが出てきました。
すばやく予約を入れてみんなにメールしたら、急な予定でしたが1059さん、森の熊さん、OBさんからすばやいレスポンスで参加するということに。
ところがこの日は朝から雨。天気予報では9時過ぎにはあがるみたいだったのですが、小降りにはなったのですが、なかなか降り止みません。
そろそろ出かけようかと思った2時前にも雨が降っていて、これはもうだめだとこの日は勝手にあきらめました。
ということで、12月になって急に寒くなったため行きそびれていた床屋に行くことに。こんな天気なので床屋も空いていてすぐにやれました。
ところが2時30分ごろにはOBさんからメール 「雨は少し降っていますが水かきをすればなんとか使えそうですがどうしましょう。」さらにダメだしで「まだだれもいません。水かきが終わりテニスを始めましたので来てください。」
こちとらは丁度散髪の真っ最中。なんともなりません。
3時過ぎに終わったので誰が来ているか聞いて遅れてもいいならとも思ったのですが返事は「 仙ちゃんと森の熊さんと3人ですが乱打で疲れたのでも、申し訳ありませんがもうすぐ帰ります。」ということでした。
正月を控えて散髪出来ただけでもこの日は良しとしましょう。
この日のテニスは3人しか集まらなかったのでコート代は基金から出しておきます。
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石川友裕「悪党」

2012-12-14 22:07:21 | 
著者は元小沢一郎秘書で衆議院議員。刑事被告人でもある。
小沢一郎は1980年代から常に政治の中心にいて豪腕、実力者といわれてきた。
その小沢一郎の実像を秘書として長く仕えた目で書いてある。

著者は1996年2月に小沢一郎の秘書となり、2005年まで勤め、総選挙に立候補している。この選挙では落選しているが2007年3月に繰り上げ当選している。その後2010年に陸山会事件で逮捕起訴されている。
小沢一郎の秘書としての生活は、住み込みで文字通り掃除、雑巾がけから始まる。秘書になるには「紹介のみ」。小沢一郎は「自薦」の人間を相手にしない。そして「庭掃除も出来ない人間には日本の大掃除も出来ない」
住み込みの秘書は、朝6時、小沢が起きた気配がすると正座して寝室のドアをノックして「先生、おはようございます」
そして、茶の間に来たら熱いほうじ茶1杯と梅干2つあるいはラッキョウの漬物。
秘書は掃除、アイロン掛け、ワックス掛け、食事の準備と家事を怒られながらやる。2年目になると運転手を任される。運転手の注意事項としてセキュリティの関係で隣の車と並んではいけない。そのほかにもいろいろな決まりごとがあるみたいで、私にはとても出来そうもない。
ところで小沢一郎は英国で心臓手術を受けたという話があるが、著者によるとそんな手術跡はないとか。狭心症で入院していることは事実で、医者から「酒、タバコ、肉」のうち2つはやめろといわれ、酒をやめなかった。食事は意外にチェーン店が好きで支援者の関係で「華屋与兵衛」とか「庄や」とかが好きとか。
健康管理は昼寝で、今は毎日節制を重ね、体調も一時よりよくなったとか。
小沢事務所の初任給は月12万円で、1年ごとに1万円の昇給。ここに書いてある仕事量からするとこれはもうブラック企業?でも著者も言っているようにみんな小沢一郎という人間に接したくてなっているのであり、これは欲得の問題ではないんだろう。それでも立候補しても「系列」とか「のれんわけ」といかいう形で、小沢がヒト・モノ・カネを融通してくれると思ったら大間違い。身内には厳しいのです。立候補を断念させられたり、国替えさせられたりと、これはもう秘書残酷物語。この本の中には秘書から代議士になっている人が何人か登場するが、みんな総選挙で敢え無く落選とすると政治家を志すということは厳しいものです。
小沢の選挙戦術は基本は「全力で一人ひとりを相手にしなさい」有権者との関係がすべてで、一人ひとりが何を考えていて、どんな暮らしをしているかを聞いて歩く。小沢がある地域に入る場合は秘書が自分の足で歩き、地元の人に話を聞かせてもらい、報告する。序盤は農山村部の票を固め、終盤に都市部に攻めあがる。中選挙区を知り尽くしていて、その「弱み」「保守の断層」に付け込んでいく。
小沢はものぐさで記者会見は嫌いなのだが、ニコニコ動画とかウェッブなどには驚くほど出ている。それが余計マスコミ体制派に嫌われているのだろう。
「日本の政治家として一番やってはいけないことは」という質問に対する小沢の答えは「天皇制をいじること」
内輪の話が結構満載で興味深く読み終えましたが、今、無罪判決を得た小沢一郎は何を仕掛けていくのだろう。未来の党結党は蹉跌だったみたいですが、まだまだ何幕かあるのでしょうか。
著者は今日本のリーダーにふさわしいのは、官僚は動かせないがカネに清い菅直人か、カネに汚いが官僚を動かせる小沢一郎かと問うているが、もはやその神通力は消えかかっている・・・
小沢一郎の好きな言葉は「人事を尽くして天命に遊ぶ」とか。
娑婆っ気が抜けることはなさそうで、まだまだ遊ぶのでしょう。
この文、総選挙投票日の前に書いていますが、どうなっていくのでしょうか。
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