青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夏の八丈島ツアー初日② ~南の島の青空~

2007年08月10日 14時18分12秒 | 日常
(画像:地図で見る八丈島)

マピオンさんゴメンなさい。

●八丈島の概要
まず島巡りの前に、八丈島の概要の話。
八丈島は、東京から南に297kmの太平洋上に浮かぶひょうたんのような形をしている周囲約60km弱の島で、本島と東海上にある八丈小島の二つの島で形成されております。ちなみに伊豆七島の中には入ってないんですね。勘違いしてたけど。
本島は八丈富士(西山)と三原山(東山)の噴火によって連結された火山島で、二つの山の間に東西に渡って平地が広がっており、ここに八丈島空港を挟んで東に三根(みつね)西に大賀郷(おおかごう)の二つの大きな集落がある。
三根には東京からの船が接岸する商業港・底土(そこど)港があり、お土産屋や飲食店がちらほら。繁華街と言う言葉とはかなり縁遠いですが、一応ちょっとした市街地を形成しています。
今回泊まった宿のある大賀郷は、八丈支庁八丈町役場・観光協会等のある八丈の行政の中心地で、ちゃんと法務局や簡易裁判所なども揃っている。島でも登記はするし、裁判もやるんだね。当たり前と言えばその通りだが、裁判官は大変だと思うw
ちゃんと都市銀行もある。のだが、良く見たら浜松町支店の出張所扱いだった(笑)。みずほは東京都の指定金融機関であり、東京都の島嶼を管轄する事務組合が港区の芝浦にあるからその関係かもな。つか、社内で不倫した香具師とか、ここに飛ばされるんジャマイカ?w

島の南部には、三根から時計回りに末吉(すえよし)・中之郷(なかのごう)・樫立(かしだて)と言う漁村集落があり、この3つの集落には三根からも大賀郷からも三原山の険しい鞍部を越えていかねばならず、三根と大賀郷を「坂下」と呼ぶのに対し「坂上」と呼ばれている。
島の西北、八丈富士の裾野には東海岸沿いに永郷(えいごう)と言う集落がある以外にさしたる集落はなく、人口はほぼ島の南部に集中している感じ。人口は平成17年調査で8,867人で、ジワジワ過疎が進んでいるみたいです。
ちなみに、東京都島嶼(とうしょ)に属する自治体には、「郡」が付かない。住所で言えば「東京都八丈町大賀郷」となる。行政的には「八丈支庁」が管轄しており、都道府県知事の権限に属する事務を執り行っている。

買い物なんかは三根と大賀郷にスーパーが2~3軒ある以外は、やってるんだかどうか分からないようなこんな雰囲気の個人商店が集落の中にあるかないか、と言う感じ。お土産物なんかは、何気に一番空港が物が揃っているような感じを受けましたw意外だったのが市街地はおろかどこでも携帯がだいたい通じる事。腐っても(腐ってないが)東京都、と言う事なんだろうか。

●ぶらり島巡り
そんなこんなで、昼下がりのシャルムハウスを出て、ぶらり島巡り。
灼熱の日差しに利かないエアコンを無視し、車の窓と言う窓を全開にしてタオルをかぶりハンドルを握る。まずは大賀郷の市街~三根の市街へ出て街を観察。この島の特産物であるロベレニーの木が立ち並ぶ並木道は、八丈島空港に向かう島内のメインルート。

●天に登る昇龍
まずは手元の地図を眺めて、「登龍峠(のぼりょうとうげ)」と言う所に行ってみようと思う。八丈富士が見渡せる景勝地だとの案内で、新東京百景にも選ばれているらしい。底土の港を抜けて三原山の東の鞍部をくねくねと上って行く。このハイゼット、ハンドルが意外に大きくて、こんな山岳路ではバスの運ちゃん気分でなかなか楽しい。ハンドルをカーブに合わせて送り込み巻き戻す感じが「ワッパ回し」と言う感じだ。
底土の港から登龍峠を経て末吉に至るこの道は、「登龍道路」と言われている。山の斜面をくねくねと登るその姿が、あたかも天に昇る龍に似ている事から名付けられたのだとか。峠までの道の周囲は、シダと低木の南国の密林。20分ほどゆっくり登って、登龍園地に到着。駐車場と東屋があり、展望台があるのだが、その展望台から見た風景に、思わず「おおっ!スゲー!!」と口を付いて出た言葉。素晴らしいの一言だ。

☆登龍峠からの展望

正面に裾野を広げ聳え立つ八丈富士。
南国の陽光に輝く青々とした海。左手に見晴るかす八丈小島。
底土の港を出る船の白い航跡。
そして、遠くはるかな水平線に絶海の孤島を思う。

まあ、毎日島を一周していたので、写真は最終日に撮ったものなんだけどもw

●とりあえずぐるっと回ってみる
30分程登龍峠の景観を楽しんだ後、時計回りに集落を走ってみる。島の南側には温泉が多く、ひとっプロの誘惑もあったのだがまずは30Km/h程度でのんびりと島の南部を一周。末吉、中之郷、樫立と集落を走ると、各集落に必ず郵便局駐在所と消防署がちゃんとある事に気付いた。しかも、どれもこれも建物が小奇麗で、割とインフラはしっかり整備されているなと言う印象。正直本州でももっと整備の行き届いていない地区はいくらでもあるような希ガス。何度も忘れてしまうのだが、改めて「都下」である事の認識を新たにするのであった。

●大坂道路
島の南側をぐるりと一回りして、樫立から大賀郷へ向かう。東海岸側は登龍道路だったが、西海岸側はここに「大坂道路」と言われる長い高架橋があり、やはりここも八丈島屈指の景観を誇るナイスな道である。道は樫立の集落から三原山から伸びる小岩戸ヶ鼻と言う岬の付け根を短いトンネルでくぐり、大海原へダイブするかのように山腹に沿った長い長いスロープを大賀郷へ降りて行く。この道の途中の展望台から眺める夕暮れの海は、「大坂夕照(おおさかせきしょう)」として八丈八景に選ばれている。ここは西海岸沿いだけに、夕暮れに来たい。

●I have never seen
とりあえず一回りしてガスの目盛りも動いたので、スタンドでガソリンを入れてみる事にする。つか、ウロウロしてみたが八丈島ではリッター単位の価格を表示しているスタンドは一軒もないwこれは公正取引に違反していると思う(笑)。
見つけたのが、大賀郷にある日石のスタンド。たぶん島唯一のセルフ。セルフだからナンボかマシだろう。離島だけに、ガソリンが高いのはある程度覚悟はしているさ。
覚悟はしていた。
していた、が…

なんじゃこりゃあああああ

高けぇw高過ぎるww
ドライブ人生長けれど、さすがに見たこともない数字wここまで高価なガソリンを入れて走った事はないわ…バッケンレコードを大幅に更新。つか、この島まだ島民が戦時中だと思ってて、国家総動員法の下の物資統制でも掛かってるんじゃないのか?w硫黄島とかテニアン島からB29が飛んで来ると思ってるだろ絶対(笑)。

衝撃の給油を終え、八丈の空は夕焼け。
さっき通った大坂道路の展望台に戻り、八丈の夕暮れを見つめる。

☆八丈小島に沈む夕日

初日の終わりを見届けて、宿に帰るとしましょう。

●宿にて
夕日を見ていたので、宿に帰るのが遅くなってしまった。
もういい加減メシの時間だろうと思い食堂へ駆け込むと、お膳の上には既に何もない。ヤベッ!

「あの、もう食事の時間終わっちゃってますか!?」
「ああ、ウチの今日の食事はたぶん7時半くらいかな」

遅えよ!

ワガママなアタシ。
つか、終始この民宿の食事は時間が遅かった。
ま、いいんだけど。

この民宿の特典その2。
食堂の棚に置いてある島焼酎が飲み放題。水と氷とおつまみ付き。
夕食のキンメの刺身を食いながら、冷たい水割りの島焼酎で一杯。
あんまり水割りの焼酎は好きではないけど、これはさらっとしてて飲みやすい。

あ~あ、酔っ払った。
初日終了。寝る。

続く。
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夏の八丈島ツアー初日① ~敵はオヤビッチャ~

2007年08月10日 08時57分56秒 | 日常
(画像:羽田空港第2ターミナル)

と言う訳で八丈島旅行記。
夏休みの羽田空港第2ターミナルは、ごらんのような有様。
一言で言うと、ガキがウザイw

●旅立ちの朝
今回の旅は、3泊4日と言う割には荷物が多い。普段の荷物にクーラーボックス、釣竿、バケツやら仕掛けやらが追加されているので、バッグの中身はパンパンである。肩に食い込む荷物の重みが痛いほどだ。
早朝5時半に自宅を出発。荷物が重いので、今回は新横浜から空港リムジンバスで羽田へ。バスなら出発ターミナルにジカ付け出来るからな。普段は預けない荷物を預け搭乗口へ(お約束のように手荷物検査でポケットからライターを没収されたが、この制度は何とかならんのかw)。

八丈島へはANA821便で。検査場から搭乗口まで異常に遠いと言うのがローカル路線らしい。個人的に離島へはもっとちっこい飛行機が飛んでいるのかと思っていたのだが、エアバスA320と言う166人乗りの立派な飛行機であった。機内はやっぱりガキを中心に満席の様子。このガキどもが非常にやかましいので、さっさとイヤホンを耳に突っ込んでスポニチに集中。
飛行機はこれまたお約束の朝の離陸渋滞に巻き込まれ、定刻を余裕で遅れて羽田を離陸。上昇を終えたと思いきやもう下降を始めると言う感じの短いフライト。ドリンクサービスはなく、水平飛行はアテンダントが機内にアメを配っているうちに終わってしまったwなんか羽田の中をウロウロしてた時間のほうが長かったんじゃねーか。

●ダークサイド森喜朗
飛行場の中での手荷物の回収に時間を要したが、ともあれ八丈島到着。アロエとヤシの木が分かり易く南の島っぽいイメージをアピールしているな。早速宿に電話して迎えに来て貰う事にする。空港の前で待つ事10分、迎えがやって来た。
迎えに来た民宿のオヤジは、総白髪+パンチの森喜朗を邪悪にした感じのいかつい雰囲気で度肝を抜かれる(笑)。まず似ているのが「森喜朗」と言う時点で邪悪だと思うのだが、それは置いといて車に乗り込む。

「お客さン、釣りしに来たの?」
「はぁ、シロートなんで何でも釣れればいいんですけどね」
「いまァ港の堤防でアジッコが釣れてるべ、見に行ってみっサ」
味っ子?陽一くんですか?釣れますか?と言う突っ込みは無粋。

話の流れで車は民宿には向かわずまずは港へ向かう事に。港の堤防をグルッと回り、車の中から知り合いらしき釣り人に「アジッコ釣れてっかァ~!」と声をかける喜朗。しかしながらどうも知り合いの反応は渋い様子。釣果はイマイチなのかな。
「昨日は釣れてったンけどなあ」
予想外の反応に、喜朗ちょっとロンリネス(笑)。

●今回のお宿と魅力的なオプション
さらに港周辺の釣り具屋などもご案内頂き、宿に到着。
今回お世話になるのは「八丈島旅荘・シャルムハウス」。HPはなかなか凝った作りだ。名前のオシャレさとはうらはらにオーナーは森喜朗だし、見た目はどうみても普通の民宿なのはご愛嬌だ(笑)。車庫の上の2階に8つの部屋があり、ここが宿泊スペースになっている。部屋はクーラーとテレビだけで他には何もないが、一人で使うには充分な広さがあり満足の行くものであった。

「車は使ったらカギ差しっ放しにしといて下さい。邪魔な時は動かしますンで」

八丈島での宿泊先選定にあたり、色々調べた結果この宿に決めたのは何と言っても「宿泊者に車無料レンタル」と言う特典にある。島内の交通手段が限られている中で、必須となるのは足の確保。最低でもレンタカーは一日3,000円が相場と言う事を考えると、ガス代だけで初日から最終日まで使い放題なのは何物にも代え難い魅力的なオプションであると言う事が出来よう。
今回4日間お世話になる相棒は、天下の品川ナンバーを燦然と輝かせた15年落ちのダイハツ・ハイゼットバン。これが車内はサカナくせーわ重ステだわハンドパワーウインドウだわ、おまけにエアコンも全く効かねーわの素晴らしい車(笑)。しかもサスペンションがヤレてて、乗ってるとケツが痛くてしょうがなかったのだが、タダなのでノー文句。動いてくれるだけで充分。バンタイプなので、荷物をぶっ込んでおけるのがいい。

●レッツ・サビキング
部屋で少しクーラーを入れて涼んだ後、早速釣り道具を用意して出掛けてみる。
喜朗センセにご紹介頂いた港近くの「エース釣具店」にてアミコマセと氷を買い、宿から車で3分ほどの八重根漁港へサビキ釣りに。既に何人かのサビキストたちがサオを振っているが、先週の大磯港では2m間隔に釣り人達が並んでいた事を考えれば、かなりのマターリムードだ。港に停泊している船は「還住(かんじゅう)丸」と言って、この島の南70kmにある青ヶ島と八丈島を結ぶ船であります。行ったら帰れなさそうだから行かないけど。
海の青さと澄んだ水を見ながら釣りの支度。周囲ではパラパラと小アジも掛かり始めた。あ、真ん中のデカいクーラーボックスは車に載っていたのを椅子代わりに使わせて貰いました。たぶん喜朗のですwあざーす。

●オヤの敵が子に報い
仕掛けを結び、まずはアミコマセを水面に打って魚を待つ。ゆらゆらと海面にエサを取りにオヤビッチャの群れが集まって来た。クロスズメダイの群れも、岸壁の下から集まって来る。アミコマセが水中にバラけたところで仕掛けを落としてサオをしゃくる。アジ、掛かるかな。
空は青く、視界には八丈富士の優美な姿が雲間に見えたり隠れたり。それにしても背中からジリジリと差す南の島の閃光は、シャツの上からも容赦なく肌を刺す。あちい。岸壁からの照り返しもあって、汗が滝のように流れ落ちる。
大磯港の時とは異なり、魚は掛かる。グウーッとサオ先が絞られて、慌てて合わせるのだが、掛かるのはオヤビッチャばかり。コマセを投げてもこんな状態で、どうにもアジが寄る前にコマセをオヤビーの編隊が食ってしまうのだ。最初のうちは食ってくれれば何でも楽しかったが、釣れたら釣れたでハリから魚を外さんといけないし、外して逃がしてやろうと思っても暴れて俺の手に仕掛けのハリがぶっ刺さったりwはっきり言ってオヤビーの相手をするのは面倒だw
コマセを遠くに投げてオヤビーを追っ払いつつ手元にコマセを打つと言うテクでアジを寄せようと企むも、結局オヤビー編隊その2が「あ~りが~とさ~ん」とばかりに寄って来て水面近くでヒラヒラと舞い踊る。そのヒラヒラした姿が何だか坂田師匠のタコ踊りのように見えて来て、だんだんムカついて来た。オヤビッチャと言う人をバカにした名前にもムカついて来た(笑)。昔セガから一人でバッティング練習出来るおもちゃが出てたなんてことも思い出したりして…(それはロボピッチャ)。
ちなみに最後までこの魚とはライバル関係だった事を記しておきます(笑)。

結局八丈島でのサビキ釣りその1はこんな釣果で、昼を迎えて納竿。最初はオヤビーもリリースしなかったんだけど、港に散歩に来た麦藁帽子をかぶったジジイに「そんな魚取ってどうすっだ?」と捨てゼリフを吐かれたので以後リリース(笑)。誰も食わないし、食ってもうまくないらしいんでね。一本だけイシモチみたいな魚が釣れたが、近所のガキにやってしまった。

フツーならまず島巡りから始めるところだが、いきなり炎天下の釣りに突入してしまい体力を消耗(笑)。この辺りに我ながら今回の旅の釣りに対する並々ならぬ意欲が伺えるのだが…w道具を片付け、部屋に戻ってクーラーでひと涼みした後、ハンドルを握ってぶらり島巡りと参りましょうか。

続く。
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で、なんで八丈島だったのよ

2007年08月10日 00時17分54秒 | 日常
(画像:八丈島ジオラマ@TEPCO八丈島地熱館にて)

レポをする前に本日はまず膨大な画像の整理からスタート。
明日辺りからぼちぼち始めてみようかなと思う。
あ、まずは無事に帰宅していますので、その点をご報告申し上げますw

で、何で八丈島だったのか。

先日ひょんな事で株主優待券を手に入れてから、何となくANAのサイトを見るのが日課になっていた。どうせ使うなら有効に使いたいとアタマをひねり、特割や旅割で抑えられないローカル空港便を狙っていた。しかしながら、当初候補に挙がっていた稚内・オホーツク紋別・根室中標津なんかは発着の時間の関係上初日と最終日に充分な滞在時間を割けない事に気が付く。

例えば根室中標津。
羽田11:25→根室中標津13:05
根室中標津13:45→羽田15:30

例えばオホーツク紋別。
羽田11:10→オホーツク紋別12:55
オホーツク紋別13:25→羽田15:15

これでは初日と最終日がなんとも非効率ではないか。

「始発が早く、最終は遅いローカル空港便」と言うのもいささか矛盾した条件だが、それを満たすべく調査を進めた結論が八丈島だった、と言う訳です。まあ、前々から本州内での新たな旅先を模索した結果、そろそろ離島もいいかもね…なんて話はしてたんだけどね。

また、八丈島便には繁忙期であるこの時期には本来適用されない「往復割引」の適用除外期間がなく、なおかつ国土交通省の社会実験中で割引率も高い(最大14%OFFが40%OFF)と言う事で株主優待券も温存出来る事が判明。
早速クリックすると、三泊四日の日程で往復割引が1席余っていたので速攻予約。沢田研二じゃないが「羽田から45分」と言うお手軽さも気に入ったのでね。

そうと決まれば宿を手配しもろもろ調査。
あっという間に八丈島への旅の準備が整ったのでありました。
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