青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夏の八丈島ツアー二日目② ~サビキング誕生~

2007年08月12日 07時21分45秒 | 日常
(画像:昼下がりの中之郷)

昼下がりの中之郷集落。
温泉あり、きれいな海水浴場あり、滝ありの豊かな集落
中之郷は、八丈島南部の集落では一番大きい。

●久々の海水浴
藍ヶ江の港で海水浴。マジで海水浴は久し振りだよなあ。前回は、確かハギーさんと紀伊半島のR425を攻めた日の前日に、現在の三重県志摩市の塩鹿浜と言う海水浴場でやったのが最後だと思う。あれは2003年らしいから4年ぶりか…意外と最近だなw
藍ヶ江の港は、台風の高波から漁船を高台の斜面に避難させられるように急な坂道のスロープ状になっている。この港は八丈島の南側の海に面しているので、台風の時はとんでもない高さの波がやって来るそうだ。つか、波で防波堤が何度もぶっ壊れているらしいし。

これは東京都総務局のHPに載っていた2005年7月の台風7号による高波の画像。
えー、ここの港の防波堤は高さが9mあるらしいんですが…w
目算で高さ40mくらいか?

今日の藍ヶ江は港内も外海も非情に穏やか。シーカヤックでのんびりと海に浮かんでいる人もいる。まあ、こんだけ海がきれいなら、やってみたくはあるな…自分も水中メガネを付けて、早速海へ。さすがに水はヒヤッとして、久々の海水浴に涼を楽しむ。
波打ち際で少し潜るだけで、実に色々な魚が見える。確認しただけでも、小さなカイワリの群れやアジの群れ、ヨウジウオ、ベラ、小さなニザダイ、コガネスズメ、ロクセンスズメ、チョウチョウウオの仲間も何種類か見える。簡単なシュノーケルを持って来るだけで、もっとたくさんの魚を見る事が出来るだろう。
幸いにしてデジカメが生活防水仕様なので、釣り道具の小物入れに使ったプラケースにデジカメを仕込みムリヤリ水中を撮影してみたwちょっとだけコガネスズメとかロクセンスズメみたいな魚が映っているのだが…見えます?

●水から上がって
小一時間ほど海水浴を楽しんだ後、濡れたまんま港の崖の上にある「中之郷温泉・やすらぎの湯」へ。八丈島南部に存在する温泉の一つで、ナトリウム・塩化物温泉らしく湯は熱く塩辛い。日焼けした肌にビリビリ来るなこれは。浴場からの眺めは見事なオーシャンビューで、遠く青ヶ島も見える。

●裏見ヶ滝
中之郷の集落の中を流れる三原川は、集落の森の中で断崖の上から流れ落ちて滝を作っている。それが裏見ヶ滝(うらみがたき)。中之郷の集落から遊歩道で10分程度。この滝、「恨み敵」とも読めて穏やかではないのだが、何の事はなく滝を裏側から見る事が出来るのがその名の由来。実はこのタイプの滝は珍しいものではなく、日本中にいくつかあります。一番有名なのが栃木県は日光の裏見の滝でしょうか。
遊歩道は密林の中のジャングルを進むがごときで、水気を含んだじめじめした空気の中から見上げると、もはや木漏れ日とは言えないギラギラした太陽が差し込んで来る。

裏見ヶ滝到着。
…本家か、それに匹敵するくらいの規模を期待していたのだが、ちょっと拍子抜けw
なんつーか、水量が少ない。ウチのアパートの雨どいから落ちる雨垂れのほうがよっぽど勢いがある(笑)。
一応裏に回って見てはみたが、やっぱり天気雨くらいのレベルでした(笑)。長い川も高い山もないからしょうがないのかな。雨量によっては滝らしい滝が見れたりするらしいけど。

●リベンジ
さて、車は末吉の集落から登龍峠を越えて三根の市街へ戻って来た。
重い思いをして持って来た釣り道具、昨日はオヤビッチャに苦しめられて完敗。今日は必勝を期して文字通り河岸を変えてみる事にする。西海岸側の八重根漁港から東海岸側の神湊(かみなと)漁港へ。実は、昨日の夕方にこの漁港の前を通った時に、ジモティのオヤジが岸壁でアジを爆釣していたのを見ていたからだ。
湊の前にある釣り具屋で再びアミコマセと氷を買い込み、ついでに店番のアンちゃんにここいらで一番釣れるアジの仕掛けを見繕ってもらう。良く分からないが「下田仕掛け」と言う仕掛けらしい。
岸壁に到着。まだ日が高いせいか釣り人の姿はまばら。まあ、こんな時間から釣りやったら熱射病でぶっ倒れてしまうだろうからなあwその辺りを念頭に入れ、ハイゼットバンの後部ハッチを日除け代わりに上げて、その下でイソイソと釣りの準備を。釣りの釣果は伸びないが、経験を積んでそれなりに準備のスピードは速くなっているw

あとの流れは昨日同様。まずコマセを打って、魚を寄せて、仕掛けを落とす。さて、来ましたオヤビッチャ。西に行こうが東に行こうが結局コイツはエサ取り魚としていつも自分の前に立ちはだかるのな…
無視してコマセを打つ。お前が食い飽きるくらい食わせてやろうじゃねーか!と思いきや、水面の底のほうからヒュヒュヒュ!と明らかに異質のスピードを持った魚の群れが接近して来た。おお!これはひょっとしてアジの群れですか!?
大慌てで仕掛けを落とす。コマセを追加し、竿を上下にしゃくると、程なくギューンと竿先が絞られて、水の中で銀鱗が躍る。掛かった!上げてみると、ゆうに20cmはあろうかと言う背中の黒々としたムロアジが岸壁の熱いコンクリートの上で大暴れ。急いで口からハリを外してクーラーボックスへぶち込む。水の中では明らかにムロアジの群れが群れを呼んで、激しく水中のコマセを食い始めた。
これまた大慌てでコマセを投げ込み、仕掛けを落とす。また食った!今度はマアジ。針を外す→クーラーへ投げ込む→コマセを投げる→仕掛けを落とす→また掛かる…こんなに楽しいルーティンワークがあっただろうか(笑)。いい時は5つ付いているハリに鈴なりにアジが掛かり、大きなムロアジはギューンと引き応えが良く、ちょっと底の方に仕掛けを落とすと小さいながらもワラサまで釣れたりして、小一時間でかなりの漁獲高を上げる事が出来た。サビキと言うのは釣りの世界では極めて入門的な数を釣る釣り方なのだそうだが、高い竿じゃなくても、高価な仕掛けを買わずとも、十二分に楽しめる。

ともあれ釣果
ムロアジ7~8本、アジ10匹程度、ワラサ2匹くらいだったかな。
つか、忙しくて写真なんて撮ってる暇なかったよw

この釣果には、八丈島の海の豊かさに感謝しなければいけないだろう。群れに当たったらたぶん幼稚園児でも釣れると思う(笑)。仕掛けを投げ込めば勝手にハリに掛かってくる状態だったからねえ…大磯港で、隣との間隔1m程度で必死に竿を出してるせせっこましい釣りとは世界が違うような気がした。

(魚の数/釣り人)×潮回り×釣り人の技術×その日の運=釣果

釣りには、こんな式が当てはまるのではないか。

●宿に戻って
意気揚々と宿に戻り、クーラーボックスの中身を料理係のオバちゃんに渡す。
「ムロだね。夕飯に出しましょう」
お願いしますだ。

●今日の夕日
釣り道具を洗って、遅い夕飯の時間の前に八重根港の桟橋で夕日を眺める。ここでも、夕マズメの時を狙って、釣り人が竿を並べている。カマスなんかが釣れていたね。

金色の海に落ちる釣り人の影
海原と、空に浮かぶ雲の流れ
橙に輝く八丈小島

この島の夕日は、見ていて見飽きることがない。

夕飯には、ワラサが刺身となり、ムロアジは酢味噌和えになって出て来ました。
自分が釣ったと思うとその味もひとしおで、焼酎が進むのでありました。
これはカメノテの味噌汁。見た目は相当にグロいが、味はカニの味噌汁みたいで、ダシが出て美味いんですよ。

続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする