青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

相染める夕暮れに

2021年06月05日 17時00分00秒 | 上田電鉄

(晩春の塩田平@舞田駅)

塩田平を見下ろすのは、ギザギザとした山容が特徴の独鈷山。伸びやかな田園地帯の中にある舞田の駅。水入れもまだまだの田園地帯、晩春を謳歌するタンポポの綿毛。駅横の踏切の鐘が鳴り、家路を急ぐ数台のクルマが待ちぼうけ。そんな塩田平の夕暮れに、ゆっくりと別所温泉行きの「さなだどりーむ号」が到着しました。「独鈷」とは、仏教における三つの宝器のうちの一つ、「独鈷杵(とっこしょ)」から来ていると言われています。この地を訪れた弘法大師が山に独鈷杵を埋めたからだとか、山並みが独鈷杵の形に似ているからだとか諸説あるようですが。

夕暮れの迫り掛けたライムグリーンの山裾を「自然と友達2号」が往く。別所温泉から青木村方面に抜ける山道から。結構昔っから別所線の俯瞰構図って言えばここだよね。山藤の花は陰ってしまいましたが、相変わらずののどかな風景です。この辺り、別所線の線路は終点の別所温泉の駅に向かってかなりの急勾配になっていて、駅手前では40パーミルの勾配区間もあったりするかなりの難所。今の高性能の電車ならスイスイ登ってしまうけども、昇圧前の旧型電車の時代は、増結用のトレーラー(クハ)をくっつけるような多客期には、この坂が登れなかったこともあったそうで。

奥に見える大きな屋根は、別所温泉の湯を引き湯した「あいそめの湯」。上田電鉄でも入浴券と乗車券がセットになった「あいそめ湯ったりきっぷ」なんて企画券を発売していますね。個人的には公設センター系の引き湯よりも、温泉街の中にある昔ながらの共同浴場(大湯、大師湯、石湯)がいいですけどね・・・

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