青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

若苗瑞々、栃屋の朝。

2021年06月15日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(棚田と山の十重二十重@浦山~栃屋間)

黒部線エリアで好きな撮影地なのが、この栃屋駅前の田園地帯。扇状地に広がる棚田は、畔ではなく石垣で区切られていて、その石垣に沿って地鉄の線路が山へ山へと伸びています。若苗が瑞々しく育つ田園。線路が続く遥か向こうには、黒部峡谷を形成する北アルプスの前山が、右から左、左から右とパイ生地の層を重ねるように連なっていて、一番奥の後立山連峰へ繋がっているのがまたいいんだなあ。何年か前の夏、家族で富山旅行に来た時に見付けた場所なんだけど、そっから気に入ってる場所なんですよね。

黒部川の扇状地も砺波平野の田園風景同様、ポツンポツンと点在する散居の中にあります。早朝のひっそりとした集落の空気をかき消すように踏切の鐘が鳴れば、一番電車は宇奈月温泉5:37発の電鉄富山行き108列車。ちなみに電鉄富山に7:19着と約1時間40分の旅なのだが、新黒部で新幹線に乗り換えると、黒部宇奈月温泉~富山はたったの13分。時代は変わったという事か。

始発電車を待っていた一人のおじいちゃん。軽装だけど、こんな早い時間の始発電車に乗ってどこへ行くのか。黒部の街に働きに出るにはさすがに早い時間である。もしかして、富山の街まで入院している妻を久し振りに見舞いに行くためとか・・・一人で撮影していると、ファインダーの向こう側の世界に対して物凄い妄想が膨らんでしまうのだが自分だけだろうか。まあ想像以上の余計なお世話なので、あまり本気にしては欲しくない心の声だったりするのだけど、一人にて黙する旅は、豊かな妄想との自問自答の繰り返し。

オープニングを飾るは14765F。一発目に引き当てる車両として申し分なし。
だいぶ車輪の厚みが削れているような気がするのだけど、そろそろ検入れの時期が近いかな?

コメント (2)
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