青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

鋳物師沢、紺碧に空澄み渡り。

2022年03月04日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(鋳物師沢を下る@沢中山~釜ヶ淵間)

今回の富山行は、雪景色を求めて彷徨っていたら立山線中心の撮影になった。立山線の撮影地については一渡り回ったつもりでいるけれども、情景的なスナップ以外で形よく列車の写真を収めたいなあ・・・となると、沢中山の駅の北にある鋳物師沢(いものじさわ)の陸橋付近ということになる。立山連峰越しのきれいな朝の光線が回って来たので、まずは扇状地の雪の棚田を下って来る光景を収めます。散居村の林を通った低い光が雪原を照らして・・・

立山線を跨ぐ陸橋に登れば、紺碧の空と海を望む鋳物師沢の定番構図。春は水鏡、夏は青田、秋は黄金、そして冬はスノーホワイトのキャンバス。60形を待っていたけど、やって来たのはかぼちゃ京阪。こうして見ると、ビビッドなツートンカラーも雪景色の中では悪くない。

先日は、後継車として西武からやって来た西武10000系→地鉄20020形ニューレッドアロー(NRA)の再デビューに湧いた富山界隈ですが、若い者にはまだまだ負けじと、先代の西武5000系→地鉄16010形レッドアローも頑張っております。富山の肥沃な大地は、神通川や常願寺川の運んで来た土と豊かな水、そして田園地帯を涵養する水に、冬場の雪がもたらす影響も大きなものがあります。春を待つ常願寺耕土を、武蔵野の紅い矢一閃。 カラーリング的には、雪映えするのはこちらの方では・・・

小一時間鋳物師沢でカメラを出して、やって来た車両は東急・京阪・西武。バリエーション豊かな自社発注車両で運行されて来た富山地鉄も、60形を除いては大手私鉄からの移籍車両が占めるようになりました。地方私鉄ではなかなか新造車両を自社で導入するほどの利益が捻出出来ないという事もありますし、昔に比べれば車両の寿命は延びているので、全国的にも第二の人生の方が長くなっている車両も多くなっています。京阪は富山に来て既に30年、西武も20年が経過していて、趣味的にも、元の大手私鉄のファンが昔を懐かしみに地方私鉄にやって来るという誘因的役割を果たしていたり・・・

それにしても、レッドアローも、西武時代にバトンを渡した後輩が、余生を過ごす職場までやって来るとは思わなかっただろうな。

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