Q.会社法施行前に設立された株式会社の最初の取締役の任期に関して、定款の附則の定めを削除すれば、会社法第332条第1項本文の適用により、会社成立後「2年以内~」となるのか。
A.会社法施行時に現任する取締役の任期については、整備法第95条の適用がある。したがって、会社法施行後の定款変更がこの規定の適用を排除するものであるか否かがポイントである。
取締役の任期に関する一般的な定めである「2年以内~」を「10年以内~」に変更することは、旧商法下ではできなかったことであるから、整備法第95条の適用を排除する意思表示である。立案担当者は、「凍結状態」を「解凍する」行為であると表現している(相澤哲編著「立案担当者による新・会社法の解説」(商事法務)349頁)。
しかし、最初の取締役の任期についての附則の規定を削除しても、原則である旧商法第256条第2項の適用に戻るだけで、整備法第95条の適用を排除することにはならず、「1年」の縛りが残るものと解される。「凍結状態」は解凍されないわけである。
したがって、会社成立後「1年以内~」での任期満了を避けて、「2年以内~」としたいのであれば、定款変更議案において、附則の定めを削除するのみならず、整備法第95条の適用を排除する意思を明示する必要がある。
A.会社法施行時に現任する取締役の任期については、整備法第95条の適用がある。したがって、会社法施行後の定款変更がこの規定の適用を排除するものであるか否かがポイントである。
取締役の任期に関する一般的な定めである「2年以内~」を「10年以内~」に変更することは、旧商法下ではできなかったことであるから、整備法第95条の適用を排除する意思表示である。立案担当者は、「凍結状態」を「解凍する」行為であると表現している(相澤哲編著「立案担当者による新・会社法の解説」(商事法務)349頁)。
しかし、最初の取締役の任期についての附則の規定を削除しても、原則である旧商法第256条第2項の適用に戻るだけで、整備法第95条の適用を排除することにはならず、「1年」の縛りが残るものと解される。「凍結状態」は解凍されないわけである。
したがって、会社成立後「1年以内~」での任期満了を避けて、「2年以内~」としたいのであれば、定款変更議案において、附則の定めを削除するのみならず、整備法第95条の適用を排除する意思を明示する必要がある。