司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

知らぬ間に取締役,知らぬ間に訴訟の被告に

2016-09-01 21:31:06 | 会社法(改正商法等)
時事通信記事(平成28年9月1日付け)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016090100603&g=soc

時事通信記事(平成28年8月30日付け)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016083000465&g=soc

 知ったのは,高裁の敗訴判決後。

 虚偽(就任承諾なし)の商業登記&訴訟委任状の偽造で,地裁&高裁で敗訴判決。最高裁に上告して,逆転勝訴となりました。

 裁判所HPでは,未だ判決全文は公開されていない。
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民法の成年年齢の引下げの施行方法に関するパブコメ

2016-09-01 19:16:04 | 民法改正
民法の成年年齢の引下げの施行方法に関する意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080150&Mode=0

 意見募集は,平成28年9月30日(金)まで。


〇 民法の成年年齢の引下げの施行方法について

1 改正法施行時点で既に18歳,19歳に達している者は,改正法の施行日に一斉に成年に達するとすることによる支障の有無
 改正法施行時点で既に18歳,19歳に達している者は,施行日に一斉に成年に達するとすることを予定しています。そうすると,およそ200万人の者が施行日に一斉に成年に達することとなりますが,このような方法を採用することによる支障の有無など,ご意見をお聞かせ下さい。

2 施行までの周知期間
 民法の成年年齢については,その改正による社会的影響の大きさを踏まえ,改正法の成立後3年程度の周知期間を設けることを予定しています。
 このような周知期間を設けることによる支障の有無について,ご意見をお聞かせ下さい。

3 改正法の施行日
 改正法の具体的な施行日については,次のような案があり得ます。
① 1月1日から施行する
② 4月1日から施行する
③ 上記以外の日(例えば改正法の公布から3年が経過した日)から施行する
 以上の各案に対するご意見をお聞かせ下さい。

4 施行に伴う支障の有無
(1)民法の成年年齢の引下げの改正の効果については,原則として,改正法の施行前には遡及させず,18歳,19歳の者が,改正法施行前に成年に達していたとする取扱いはしないことを予定しています。
 例えば,18歳,19歳の者が改正法の施行前に契約をした場合には,当該契約時には,これらの者は未成年者であったことから,改正法施行後もこれらの者を保護する必要があると考えられます。そこで,当該契約を改正法施行後も取り消すことができる行為と扱うことができるようにする必要があると考えられます。

(2)以上のように,民法の成年年齢の引下げの法律上の効力については,改正法の施行前に既に生じている法律上の効果に影響が生じないように一定の対応を行うことを予定していますが,実際の契約実務等において,このような対応を行ったとしてもなお支障が生ずるおそれがあるか,生ずるとすれば,どのような対応を採る必要があるのかについて,ご意見をお聞かせ下さい。
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「株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)」と記載する

2016-09-01 19:08:19 | 会社法(改正商法等)
商業・法人登記申請 by 法務省
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html#01-02

 いわゆる「株主リスト」については,登記申請書の添付書面としては,「株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)」と記載することになったようだ。
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就任承諾援用問題

2016-09-01 15:34:38 | 会社法(改正商法等)
 月刊登記情報2016年9月号に,「就任承諾援用問題と株式の第三者割当問題に関する提言」がある。神﨑満治郎先生と,司法書士の金子登志雄さん,鈴木龍介さん,山本浩司さんの4名の共同執筆である。

 前段の「就任承諾援用問題」の問題意識の源泉は,下記の記事のとおりである。

cf. 平成23年8月30日付け「就任承諾書の方程式」

平成24年7月12日付け「取締役の就任承諾と株主総会議事録の記載の援用」問題再び



 改めて整理してみると,

1.就任承諾を証する書面について,株主総会議事録の記載の援用の可否
 援用が認められるためには,被選任者が株主総会に出席して,席上就任を承諾する旨を述べたことが,議事録の記載から明らかである必要がある。例えば,次のとおりである。

「なお,被選任者全員が本株主総会に出席しており,席上において,いずれも,本株主総会の終結の時から取締役に就任することを承諾する旨を述べた」


2.就任の時点はいつか
 補正となるケースは,就任の時点について,議事録の表現があいまいであることが多いようであり,補欠又は増員の取締役については,「いつの時点から」が明確になるように,留意すべきである。就任の時点について特段の記載がないと,株主総会の途中で就任したものと判断され,後記の補正の元になりがちだからである。私は,上記のとおり,「本株主総会の終結の時から取締役に就任する」旨を株主総会議事録又は就任承諾書に明記してもらうようにしている。本来は,これで解決なのである。


3.出席した取締役
 もとより,取締役に選任された者が即時就任することを承諾すると,その時点から取締役である。株主総会において取締役に選任された者が即時就任することを承諾すると,総会の途中から取締役となる。したがって,「株主総会に出席した取締役」となり,所要の対応が必要となる。

 この点に関しては,平成17年改正前商法時代から解釈は変更されていない(松井信憲「商業登記ハンドブック(第3版)」(商事法務)148頁)。

 上記提言は,「株主総会に出席した取締役」に当たらないと解しているようであるが,疑問である。


4.株主総会議事録の内容としての「出席した取締役」
 株主総会議事録は,その内容として「株主総会に出席した取締役」等の氏名を含んだものでなければならない(会社法施行規則第72条第3項第4号)。

 内容として含んでいればよいので,議事録冒頭に「出席した取締役の氏名」として連記されていなくても,末尾に出席した取締役としての記名押印があれば,それで足りるものと解されている。「取締役甲野太郎が~について報告した」や「取締役甲野太郎が議長となった」旨の記載でもよいであろう。

 株主総会の途中で就任した取締役についても,「株主総会に出席した取締役」であるから,議事録冒頭の「出席した取締役の氏名」の項に連記するか,出席した取締役として記名押印することになる(上掲・松井148頁)。

 「出席した取締役の氏名」に連記されておらず,また出席した取締役としての記名押印もない場合,すなわち就任承諾文言から出席していることが窺われるのみでは,株主総会議事録の内容に不備がある,というのが上記提言が問題視している登記官側の問題意識であり,株主総会議事録を補正するか,別途就任承諾書を添付せよ,ということなのであろう。

 取締役の選任議案の部分に「取締役 甲野太郎」という記載があっても,これは,被選任者の氏名の記載であって,「出席した取締役の氏名」の記載と解するのは,やや無理があるように思われる。

 「善解理論」を発動させる余地もあるのかもしれないが,基本的には,株主総会議事録の「出席した取締役の氏名」の項に連記するか,出席した取締役として記名押印をするようにすべきであろう。


5.まとめ
 株主総会議事録の記載に不備がないか,よく点検しましょう。
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登記情報提供サービスの利用料金の改定

2016-09-01 11:29:28 | 司法書士(改正不動産登記法等)
登記情報提供サービスの利用料金の改定について by 登記情報提供サービス
http://www1.touki.or.jp/news/details/info16_017.html

 平成28年10月1日から,登記情報提供サービスに係る利用料金が若干値下げとなる。
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災害復興支援事務所「風の里司法書士相談センター」

2016-09-01 10:54:37 | 熊本・大分大震災関係
8月1日(月)熊本県阿蘇郡西原村に災害復興支援事務所「風の里司法書士相談センター」を開設しました by 日司連
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/info/42021/

 熊本では,「にしばる」と読む地名もありますが,ここは,「にしはら」むら,です。
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「株主リスト」が登記の添付書面となります

2016-09-01 09:20:54 | 会社法(改正商法等)
「株主リスト」が登記の添付書面となります by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00095.html

 情報が更新された,でしょうか。

 そのうち,法務省「商業・法人登記申請」も更新されると思うので,こちらも御確認を。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/11-1.html
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株主に相続が発生した場合の「株主リスト」の記載方法

2016-09-01 00:23:44 | 会社法(改正商法等)
 「株主リスト」に関する商業登記規則の改正に関して,日司連のQ&AがNSR-3に掲載されている。

 相続が発生した場合がわかりにくいようであるが,

Q.21 株主に相続が発生している場合に,「株主リスト」にはどのように記載しますか。

A.21 「株主リスト」にどのように記載すべきかは,対象となる株主総会の開催に当たり,当該会社が誰を株主として取り扱ったのかに従い記載することとなる。
 株主に相続が発生し,遺産分割協議が未了である場合,当該株主が所有していた株式は,共同相続人の共有となるから,株主の氏名及び住所としては,当該共同相続人全員の氏名及び住所を列挙することになる。



 ポイントは,「会社が誰を株主として取り扱ったのか」である。

 要は,株主総会において,議決権を行使することができる株主として取り扱った株主を「株主リスト」に記載せよ,ということである。

 株主に相続が発生し,いわゆる「株主名簿の名義書換え」が未了であったとしても,株式会社が当該相続人を「議決権を行使することができる株主」として取り扱ったのであれば,当該共同相続人全員を共有株主として「株主リスト」に記載せよ,そうでなければ被相続人である株主をそのまま記載せよ,ということである。
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