Barney Kessel
(Contemporary C2508)
10インチアルバムは粋なカバーが多いことでも知られていますが、演奏時間も片面10分程度でボーカルなら丁度ですが、インストだと時に「もう終わり」って感じてしまうこともありますよね。自分的には、別の演奏をオリジナル10インチ盤の収録曲に加えて12インチ化したものは、やはりまとまりに欠けてどうもという感じがしています。執拗にalternate takeを加えた12インチやステレオ録音を入れた12インチもありますが作為的で好きになれません。ましてやCDとなると、未発表録音とかまで無理矢理加えてしまうレコード会社の無神経さにはあきれてしまいます。やはり10インチは、その短い中に簡潔に言い切ってしまうような潔さがあって好感度が違いますよね。本日はBarney Kesselの10インチ(above)とそれを12インチ(below)化したものをアップしてみます。
"Easy Like" Barney Kessel, vol.1/Barney Kessel
(Contempoary C3511)
10インチは1953年の録音で、Barney Kessel(g), Bud Shank(as. fl), Arnold Ross(p), Harry Babasin(b), Shelly Manne(ds)で各面4曲構成です。12インチはこの53年のセッションの8曲に加え56年のセッションの4曲を加えています。楽器構成は同じですが、Manne以外は総入れ替えの五重奏団【Barney Kessel(g), Buddy Collete(fl, as), Claude Williamson(p), Red Mitchell(b), Shelly Manne(ds) 】です。演奏曲目は10インチが"Just Squeeze Me", "Tenderly", "Bernardo", "Vicky's Dream", "Salute To Charlie Christian", "I Left A Song Go Out Of My Heart", "What Is There To Say","Lullaby Of Birdland"の8曲で、12インチではこの8曲に"Easy Like", That's All", April In Paris", "North Of The Border"の4曲が加わります。音的には10も12も変わりませんが、トータル的にみた統一感、簡潔に言い切る10インチがやっぱり好きですね。両方で聴ける”バークスワークス”そのモノと思える"Salute To Charlie Christian"が白眉ですが、12インチのタイトル曲”Easy Like"の演奏が捨てがたく、やっぱり12インチも必要だね。
ともに10と12インチの両溝ありの黄色ラベル、コンテンポラリーのオリジナルと思います。カバーは10インチのモノクロがやはり存在感抜群ですね。