The Too, Too Marvelous BEA/Bea Abbott
(Westminster WST15036)
(Westminster WST15036)
女性ボーカルではトーチシンガーというくくりがありますよね。トーチ・ソング(torch song)とは、ネットで調べてみると「ポピュラー音楽のなかでも、失恋や片思いなどセンチメンタルなバラードの総称で、クラブで歌われる哀しい、感傷的なラブソング」と解説されています。古くはファニー・ブライスやヘレン・モーガンがよく知られていると思います。本日アップのBea Abbottもそういったひとりですよね。本日は、ジャズでは比較的珍しいレーベルである彼女のWestminster盤をアップいたします。
ロードアイランド州プロビデンス出身のシンガーで、NYCやシカゴのホテルでの仕事が多く、あまりアルバムも残していないのではと思います。ここではHal Otisのバイオリンを相手に彼のオケを相手に得意とするトーチソングを歌っています。翳りのある声で、けだるくセンチメンタルにささやくように歌う唱法はトーチシンガーならではですね。収録曲も"I Hadn't Anyone Till You", "Day-in Day-out", "Someone To Watch Over Me", "The Very Thought Of You", "Too Marvelous For Words", "My Funny Valentine", "April In Paris"など有名曲が多いのもうれしいですね。白眉は美しいOtisのfiddleにからむように歌われる"April In Paris"ですね。
WestminsterはNYCのクラシック専門レーベルでのちにabc-paramountに吸収されたようですね。女性ボーカルはこういったマイナー(?)レーベルに結構いいアルバムがありますよね。ステレオオリジナルかな?って思っています(番号違いでモノがあるので再発かも?・・・)。黒貴重のカバーもシックでいい感じです。