A Touch Of The Blues/Lee Wiley
(RCA LPM-1566)
(RCA LPM-1566)
白人ボーカルの草分け的なリー・ワイリーは、年代的にかなり古く黒人のミルドレッド・ベイリーと並ぶ大歌手ですよね。オクラホマ出身、チェロキーインディアンの血を受け継ぐ歌手です。アルバム的にはコロンビアの諸作、以前に10インチをアップしたストーリービルの作品が有名かもしれませんが、RCAの2枚のアルバムも素晴らしい出来でボーカルファンには垂涎の2枚です。本日はこのRCAの一枚をアップしますね。
このアルバムのコンセプトは全編ブルースという訳ではないですが、いわゆる小唄をブルース的な感覚で歌ったところにあるのではと思います。バッキングはBilly Butterfieldのオケがつとめます。Al CohnおよびBill FineganのアレンジでA-1の"Memphis Blues"から彼女のハスキーボイスが冴え渡ります。A面の"My Melancholy Baby"、B面の"Between the Devil and The Deep Blue Sea"などスタンダードにも彼女独特のビブラートが聴け好ましいですよね。決してシャウトすることないボーカルは”彼女の「粋」を感じますね。
所有盤はRCAのモノラルオリジナルとおもいますが、ガス灯に絡まる艶かしい女性の手が印象的なカバーで(国内盤ではこの街頭の笠のグラデーションがわからないのです), もう一枚のRCA盤”West Of The Moon"に負けない良い出来であろうと思います。