Salute To The Flute/Herbie Mann
(Epic LN3395)
(Epic LN3395)
フルートはジャズにおいてはメイン楽器になりにくいですが、初めてコレをメインにしたアーチストがハービー・マンだと思います。彼と同世代にはフランク・ウェス(テナー)、ジェローム・リチャードソン(テナー)、バディ・コレット(クラリネット、アルト、テナー)、バド・シャンク(アルト)、サム・モスト(クラリネット)とフルーティストがおりますが、フルートをメイン楽器にすることに関してはマンが際立っていたと思われます。(もちろんマンのバスクラなんてのもありますが・・・)また、ハービー・マンの最も影響を受けたジャズメンはマイルスだということです。マイルスはトランペットの音量がなくても、陰影のあるプレイを行いfeelingを伝えられるところが楽器の音が大きくならないフルートに共通するのだそうです。
メンバーは3セットあり13ピースのビッグバンド、オクテット、カルテットの構成でアレンジはジジ・グライス、AKサリム、オスカー・ペティフォードがつとめます。サイドメンも渋めのプレーヤーが目白押しです。収録曲ではA-1の"When Lights Are Low"もいいですが、続くA-2のRandy Weston作の名曲"Little Niles"が最高です。オクテットの演奏ですが、魅惑のメロディもさることながらジジ・グライスのアレンジに乗って、マン、スムーズなアンソニー・オルテガのアルト、端正なハンク・ジョーンズのピアノ、メロディックなペティフォードのベースと好ソロが聞き物です。またB-1に収録された"Beautiful Love"もいいですね。こちらはAK Salimのアレンジです。ここではトランペットのジョー・ワイルダーやギターのジョー・ピューマのリリシズムあふれるソロがいいですね。マンのワイフのために書いた"Song For Ruth"やカルテットで演奏される"Noga's Nuggets"でのマンのソロもしなやかで決してパワフルではないですが聴き応えがありますね。
所有盤はエピックのイエローラベル、ブラックファンのモノラル盤です。過小評価ジャズメンの集結ですがいい味が出てる一枚ですよね。