(Riverside RLP 12-318)
自分にとってワークソングというのは、とっても思い入れが深い曲です。この曲自体は本日の主役、ナット・アダレイの作品で、印象的なメロディが頭に焼き付いてはなれません。というのも、ポール・サイモンのギターソロで有名なアンジー(自分の愛奏曲です)の中間部にこのワークソングが使われていることに他なりません。例の「チャラチャーララ、チャンチャララーラ」のメロディです。ナットは兄ジュリアンとグループを組んでおり、このグループでもナットの作品はよく演奏されており、有名な"Them Dirty Blues"でもこの曲が取り上げられていました。本日は、ナット自身の演奏が収録されたリバーサイドの同名タイトル盤をアップいたします。
録音は60年、ある意味、このアルバムはキャノンボールバンドの親分抜きセッションなのです。メンバーのNat(cor), Bobby Timmons(p), Sam Jones(cello, b), Louis Hayes(ds)はコレに御大を加えれば当時のキャノンボールバンドそのものになりますよね。他には、コレもキャノンボールが見いだしたと言われるWes Montgomery(g)の参加があるところは大注目です。他にcello、bass奏者のKeter BettsとPercy Heathが加わっている点が聴き逃せません。セロの演奏を堪能することができるアルバムでもあります。管楽器がリーダー、Natだけである点も彼のプレイに重点が置かれています。演奏曲では、なんと言ってもA-1のタイトル曲につきます。SamのセロとNatのコルネットが抜群です。Natの気合いの入ったアドリブが聴ける最長曲"My Heart Stood Still”もいいですね。celloとWes, Natのトリオで演奏されるA-3"I've Got Crush On You"やB-3"Violets For Your Furs"のバラードもいいですね。Wesのコードプレイも柔らかいトーンでほれぼれします。
所有盤はRiversideのブルーラベル、モノラルオリジナル盤です。例によって、国内盤はなぜかマイルストーンのグリーンラベル(ステレオ)が使われています。この辺りのモノラル盤の中域の厚さは、さすがモノオリジナルと言ったところでしょうね。