67camper's Blog

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レスターを超えた50年代のスタン・ゲッツ

2008-01-11 00:18:34 | jazz & vocal
The Steamer/Stan Getz
(Verve MGV-8294)


 モダンテナーをひもとくと行き着くところはホーキンスとレスターでありますが、レスターのクールスタイルを継承し、1950年代前半に連続してテナーサックスのポールウィナーに輝いたのはスタン・ゲッツでありました。彼のとどまるところを知らないテクニック、美しいトーンはこの時期、レスターをも完全に凌駕しトップテナー奏者として君臨したと言えると思います。本日は56年録音のゲッツ四重奏団の”"The Steamer"をアップいたします。

 "The Steamer"というのは55年にグランツのJATPがヨーロッパを楽旅したとき、同行したピアノのオスカー・ピーターソンがそのプレイを聴いて"My, the Stanley Steamer is certainly cooking tonight"と語ったことからくる彼のニックネームであると言われています。メンバーはStan Getz(ts), Lou Levy(p), Leroy Vinnegar(b), Stan Levey(ds)のカルテットです。A面は"Blues For Mary Jane", "There Will Never Be Another You", "You're Blase"の3曲、B面が"Too Close To Comfort", "Like Someone In Love", "How About You"の6曲構成で、スタンダード中心の選曲でありゲッツのよどみないソフトトーンの唄心を楽しむことが出来る好アルバムに仕上がっています。とくにB面ラストの"How About You"での乗りに乗った快演は特筆もので唸ってしまいますね。サイドメンも素晴らしい演奏でLevyのピアノ、太いビネガーのベースも実に快調ですね。

 所有盤は、Verveのトランぺッターラベルのモノラル盤です。GetzのVerve時代を代表するアルバムの一つと言えると思います。