Somewhere Before/Keith Jarrett
(Vortex 2012 jp.reissue)
(Vortex 2012 jp.reissue)
70年代のジャズ喫茶を席巻したピアニストにキース・ジャレットがいますよね。ジャズの聴き始めに、ジャズ喫茶に幾度に聴かされた"ケルン・コンサート”それもA面が頭にこびりついて離れません。下手したら同じジャズ喫茶で一日に2-3回は聴かされることもありましたね。そんだけリクエストがあったアルバムなんでしょう。さらにコーヒー一杯で何時間も粘るものだから、2回3回と聴くはめになるのです。という訳で、しばらくこのケルンコンサートは手許にはありませんでした。初キースは"My Song"でした。コレのカントリー、非常に美しい曲ですよね。ほとんどこの曲を聴くためだけに購入したと思います。そして次に購入したのが本日アップの"Somewhere Before"です。
ご存知の方も多いと思いますが、このアルバムの目玉はボブ・ディランのマイバックページです。A-1におさめられたこの曲も、前述のカントリーに勝るとも劣らない名曲です。単純にキースはテーマを繰り返すだけなんですが、ついつい引き込まれます。そして、ここで重要な役割を果たしているのがバックに回ったCharlie Hadenのベースです。図太いトーンでイントロから活躍するHadenの素晴らしいトーンに唸ってしまいます。後の曲も美しいバラード、アバンギャルドな演奏など多彩でキースのバックグラウンドが垣間見える選曲です。録音は68年、シェリーマンズホールでのライブで当時チャールス・ロイド・カルテットにいたキースに録音の機会が与えられたものです。ドラムのモチアンの好演も見逃せないですよね。
所有盤は国内盤再発ですが、このセピア色の古い町並みを捉えたジャケ写もきわめて印象的です。カバーとマイバックページだけで所有していたいと思わせる作品だと思います。