67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

晩年の名演,バドパウエル・イン・パリ

2006-07-22 02:27:43 | jazz & vocal
Bud Powell In Paris/Bud Powell
(Repries R-6098)


 ジャズピアノの巨匠バド・パウエルについては既に語り尽くされブルーノートやVerveの初期の演奏の素晴らしさについて至る所で賞賛の弁が聴けるとこ ろは皆さんご存知のとおりである。パウエルはBNの"The Scene Changes"録音の後,その拠点をフランス・パリに移すわけですが,パリでの生活は持病に加えて強度のアルコール依存の状態があり、ヨーロッパ録音に ついては好不調の波が大きく諸批評家の辛口コメントは良く耳にします。  

 このインパリについては、その中でも好調なパウエルを捉えた録音としてジャズファンには必聴の名盤として知られています。トリオのメンバーも Gilbert Rovere(b)とCarl Donnell "Kansas" Fields(ds)で過去の名盤のようなビッグネームではありません。演奏については。この時期にしては好調なパウエルが聴けるわけですが、われわれ ジャズファンにとっては有名曲目白押しの選曲がその人気の最大の理由であろうと思います。サイドAの"How High The Moon"で既にニンマリとしてしまいます。そしてこのアルバムのハイライト"Dear Old Stockholm"が続きます。短いですがこのディアオールドの存在がこの盤の最大の魅力になっていると自分は信じています。その後の"Body And Soul", "Jordu"も素晴らしいですね。B面も有名曲ばかりで"Reets And I", "Satin Doll", "Parisian Thorougfare", "I Can't Get Started with You"とパウエルのピアノで聴くスタンダード集とも言うべき編集です。

 こういう肩の凝らないパウエルがやはり好きです。 現在はオリジナルモノラル盤で聴くことが多いですが。丁度ジャズを聴き始めに購入した国内再発ステレオ盤はパウエルのアルバム中、最もターンテーブルに のったアルバムだと思います。そうそう、学生時代に通いつめた新潟ジャズ・フラッシュにこれしかリクエストしない中年男性(名前は失念!)がいましたが、 彼元気でしょうかねぇ?

不世出のジャズ・シンガー,ジミー・ラッシング

2006-07-21 02:25:06 | jazz & vocal
Rushing Lullabies/Jimmy Rushing
(Columbia CL1401)

 ジャズシンガーと言うよりフォークブルースシンガーと言った方が良いかもしれないですが、彼の黒人特有の首も回りにくいような体躯から繰り出されるス ウィング感あふれるボーカルが好きです。この強烈な体躯と大きな目の人なつっこい顏貌が忘れられません。1900年代初頭、オクラホマシティ生まれと言い ますから,72年白血病でこの世を去るまで,この肥満で良く生きられたものだと感心します。 ミッドウエストでクラブ歌手として唄い始め,1930年代、ベイシー楽団の専属歌手になって彼の名は一役有名になります。コロンビアの"The Jazz Odyssey"や遺作となったRCAの"The You and Me That Used to Be"などが彼の代表作として知られていますよね。

 今日は,このラッシングのコロンビア盤で自分が最も好きなカバーのアルバム"Rushing Lullabies"をアップします。まずカバーの籐椅子にちょこんと腰掛けてカメラに微笑んだ顔に愛着を感じてしまいますね。サイドAのオープニングは ベイシーと彼の共作の"You Can't Run Around"です。ギターのフィルインに導かれはじまるスローブルースが彼のボーカルの真骨頂です。"Deed I do", "PinK Champagne"などでも彼の深いブルースフィーリングを味わえます。サイドBではラストでの名曲"Russian Lullaby"でシャウトしながらの円熟したブルースシンギングが聴かれます。彼をサポートするバックがこれまた素晴らしく,Buddy Tate(ts), Skeeter Best(g), Sir Charles Thompson(org),Ray Bryant(p), Gene Ramey(b), Jo Jones(ds)のセクステットで特にテイトのアーシーなテナーが好調です。Skeeterのギターも効いていますね。

 ブログと言うビジュアル重視の媒体なので,やはりこのアルバムをアップしたいと思わせるカバーです。存在自体がブルースと言った感じのカバーと思います。所有盤は米コロンビア6eyeのモノ盤です。

ベン・ウェブスターのバラードプレイ

2006-07-20 03:38:43 | jazz & vocal
Music with Feeling Ben Webster With Strings
(Verve MGV8130)


 久しぶりにストリングス入りのアルバムを聴いてみる。今日はテナーサックスの巨匠ベン・ウェブスターです。エリントニアンとしても有名なフロッグことベ ンですが、そのテナーは太い音色でサブトーンを駆使したときには豪快で時には繊細なスタイルの持ち主で愛すべきテナープレイヤーの一人です。ストリングス についてべんは次のように語ったとバックカバーには記されています。"Strings creat a special atmosphere and this atmosphere makes me feel better and it makes me play my horn better, too." これがベンがストリングスアルバムを作ろうとした理由だと述べられています。カンサスシティ近郊で生まれ育ったベンは,当初バイオリニストを目指したと言 うのですが,良い音が出せずテノーに転向した経緯もあるようです。ストリングス入りアルバムとしては彼に取って2枚目が本アルバムで残りの1枚も "Sophisticated Lady"のタイトルのピンクの粋なカバーのアルバムですよね。

 さて演奏は,A-1のストレイホーンの"Chelsea Bridge"が彼のバラードプレイのすべてを表現した演奏と確信いたします。この曲自体,美しい曲でベンの愛奏曲でもありますよね。(コンボの演奏は過 去にアップした"The Soul of Ben Webster"でも聴くことが出来ます。)サブトーンを駆使して揺れるようなテナーでせまるベンのプレイにいきなり第1ラウンドのダウンを奪われてしま います。これに続きハンク・ジョーンズのピアノプレイも聴ける"Willow weep For Me", さらに"No Greater Love", "Teach Me Tonight"と有名なスタンダードが続き,これらの曲でもラルフ・バーンズのストリングスにのって甘いバラードプレイを聴かせます。サイドBでは通常 スウィンガーでやられることが多い”We'll Be Together Again"や"Blue Moon"がよりテンポを落とした形で聴かれます。ハイライトとも思えるB-3の"Early Autumn"でバラードの極致にせまるプレイに完全にKOされてしまいます。 ここでもハンクのピアノが間奏でいい味を出してます。

 カバーはブルーのいかしたカバーで良いなあと思ってクレジットを見てみるとDSMでした。DSMらしくないカバーですがブルーのバックにロゴの配置も巧みでセンスを感じます。所有盤はMGMのT字で,モノラルです。たまにはこんなストリングス入りも良いですよ!

ケントン楽団の華、ジューン・クリスティ

2006-07-19 02:34:24 | jazz & vocal
June's Got Rhythm/June Christy
(Capitol T1076)


 アニタ・オデイの後がまとしてケントン楽団に迎えられたジューン・クリスティは本邦でも人気が高いシンガーですよね。清涼感漂うハスキーヴォイスが売り 物ですよね。声もそうですがまっすぐに切ったブロンドの前髪がとても印象的で彼女のアルバムすべてで確認できると思います。代表作は・・・?全部好きです が、サムシングクールがやっぱり有名かなぁ。カバーがステレオとモノで全く違っていて凝ってますよね。こう暑いと,何か冷たいものをって感じで something coolでも良かったのですが、クーラーが聴いた部屋では冷たすぎでしょうか?

 と言う訳で,今日のアルバムはもう少しリラックスしたジューンの名盤をアップしますね。もちろん夫のボブ・クーパーも参加しててバックカバーには小さいですが仲睦まじい2人の画像も加えられていますよね。



 アレンジもクーパーがやってて、スモールコンボからスモールビッグバンドと言うようなさまざまな編成でバッキングをやってます。メンバーはウエストコー ストの名プレーヤーばかりでGeorge Spelvin(as, ts, fl), Ed Leddy(tp), Frank Rosolino(tb), Bob Cooper(ts, oboe), Russ Freeman(p), Monty Budwig(b), Shelly Manne, Mel Lewis(ds), Laurindo Almeida(g), Red Callender(tuba)からのセレクテドメンバーです。サイドAでの"I'm Glad There Is You"のバラードや""They Can't Take That Away From Me", "It Don't Mean a Thing"などのスウィンギーなナンバー,サイドBの"When Lights Are Low"や "Easy Living"などで快唱が聴かれます。

 キャピトルのモノラル盤でカバーのイラストも素敵です。彼女を代表するボーカルアルバムです。サムシングクールももちろん良いですけどね・・・。このリラクゼーションを聴いて欲しい。

シーッ!

2006-07-18 01:22:55 | jazz & vocal
Hush!/Duke Pearson Quintet
(Jazzline PA-3080 jp reissue)


 Jazzlineについては以前にDave BaileyのBash!を アップしたときに述べましたが、このBash!と本日アップのHush!の2枚しか制作されていません。もしオリジナルを見つければ相当な高値でしょう ね。所有盤は当然の国内盤再発ですが、この国内盤すらあまり見ることがないのではないでしょうか?Hush!はご存知のとおり日本語ではログタイトルのよ うになると思いますが、カバーのピアソンの所作を見てもわかりますよね。ちなみにジョニー・グリフィンで有名な"hushaby"は”ねんねんよ" 《子供を寝つかせる時にいう》の意味だそうですね。

 ピアソンのアルバムはBlue Noteに於ける諸作が有名ですが,ここでも名コンビのDonald Byrdとの共演が見られます。演奏はQuintetでフロントラインはByrdとJohnny Colesの2トランペットでベースに事故前のBob Crenshaw、ドラムにWalter Perkinsと言う布陣です。Byrdの2トランペットと言うとプレステッジのArt Farmerとのコンビが知られていますが,ここでもややスモーキーなトーンのコールズとのソロの競演が聴かれます。ピアソンのピアノについてはゴスペル に根ざしたファンキースタイルでBNの諸作同様のノリのいいピアノを聴かしてくれます。A-1のタイトルチューンはByrdのオリジナルでBNの Royal Flushで演奏されていたファンキーナンバーですよね。B-1の"Sudel"はBNのピアソンの名盤”Sweet Honey Bee"でも取り上げられたピアソンのオリジナルで起伏の激しい彼のピアニスティックなプレイを聴くことが出来ます。コールズ,バードが入り乱れて出て来 て区別がつきにくい部分もありますね。他にはピアソントリオで演奏される"angel eyes"と"out of this world", さらにコールズのワンホーンで聴かせるバラード、"Friday's Child"もドーハム風の美しいコールズのトランペットプレイが聞き物ですね。  

 マイナーな盤ですがファンキー好きには堪らないアルバムです。"Hush!", こそっと楽しみましょう!!!

酷暑CAMPING!!!@ウエル花夢

2006-07-17 19:27:50 | キャンプ


 海の日の連休にふさわしい超暑い休みでしたね。15日はかわうそ自然公園で川遊び。16日朝になって”どこかでキャンプしたいね。”とうちのかわうそ三兄弟 が言い出しました。朝になって、それではと四万十オートキャンプ場ウエル花夢に電話を入れると空いてますよといつもの明るい対応・・・”余り寝てないので どうかなこの暑さ”等と少しは不安材料を抱えて準備開始。例によってキャンパーを駆って出撃。手前のスーパーで買い物を済ませて午後3:00にキャンプ場へ。翌日は雨模様なんて予報だったので,純正テ ントは大変だろうと考え,セッティングも簡単な通常のヘキサタープでサイトを設営しました。不安がもろに当たり,67camperは設営の最中に気分不 良,頻脈にみまわれあえなくダウン!(涙!、暫くキャンパーのベッドで氷で冷やしたり大変でした。)ほどなく回復しましたが多分熱中症?!。この 時期の酷暑は日頃,エアコンの中で生活している身には結構厳しいものがあります。皆さんもご注意を!



 さて、いつも通りに元気な3人組です。天候が雨模様なんて予報があったためか結構空いていたので,広い場内をMTBで走るには気温を度外視すればカッコウの状況でした。例によってMTB三昧のT&K, Uもキックボードで後からついていってました。場内の芝生の広場がサイトのすぐ前のロケーションでナイターでサッカーだって出来てしまう快適なキャンプサイトでした。



 夜はBBQして、ママ特性のスパゲティを食べてきれいな星空を見てテントへ。この星空なのに明日は本当に雨かな?なんて思いながら就寝。

 早朝,目が覚めるとシーンとして霧が立ち籠めたいつもの山間の空気が気持 ちよく今日も快晴が期待できそう!昨日の不調も嘘だったように一人の時間を確かめるようにipodで好きなmusicを聴きながら読書。こう言うのもキャンプでははずせない良いひとときですね。



 17日も,画像のような快晴。太陽が昇るにつれて気温はぐんぐん上昇。時折、山間を吹き抜ける風が心地よいです。暑い中,何とか撤収し帰路につきました。それにしても暑かったなぁ・・・。ある意味修行のような暑さでした。


 
 オイルを40番に替えたばかりの我が家のキャンパーは絶好調で、楽しいキャンプに一役かってくれました。木漏れ陽を浴びるキャンパー、いい雰囲気でしょう?。エアコンないけどやっぱり大好き、My WESTY!!!

ロージー&ハリー・ジェームス

2006-07-17 15:39:31 | jazz & vocal
Hollywood's Best/Rosemary Clooney
(Columbia CL6224)


 ローズマリークルーニーはドリス・デイ,ジョー・スタフォードと並びコロンビアを代表する女性シンガーですよね。特に10インチ時代に彼女の代表作は集 中しています。後には,RCA, repries, そして晩年のコンコルドと移っていきますが、コンコルド契約になってからは何度か来日し意欲的にアルバムを制作しましたよね。このコンコルド時代にもコン テンポラリーなポップ曲をレパートリーに入れ、彼女の生涯の中でも輝いた一時代であったとおもいます。

 今日は,彼女の初期の10インチ盤から名作と名高いトランぺッター、ハリー・ジェームスとの共演盤"Hollywood Best"をアップいたします。この10インチ盤は副題が"Eight Academy Award winning Songs interpreted by Rosemary Clooney and Harry James"となってるように、1930年代から50年代初頭にかけてアカデミー賞を受賞した8曲からなります。どれも皆さんご存知の佳曲ばかりで、 "You'll Never Know", "It Might As Well Be Spring", "Over the Rainbow", "When You Wish Upon A Star"などで若々しいロージーの歌唱とハリー・ジェームスの朗々と鳴るトランペットを聴くことが出来ます。 ロージーと言えば"Come on a my house"が何と言っても有名で、後に12インチ化されたときに追加収録されていると思いますがこの10インチには入っていません。自分はこの "Come on a my house"を未だに聴いたことがないのですが、オリジナルの形のこの10インチこそが彼女のジャジーな魅力を率直に伝えるという点では勝っていると信じ ています。カバーも12インチを凌駕するカッコよさですよね。10インチカバーではバックカバーに“アカデミー賞はこんな賞だよ!1934年からは映画音 楽にまで毎年賞を与えるようになりました。”なんて書かれてて時代を感じますね。

 ロージーの10インチ盤はコロンビアに何枚か存在しますがすべていい出来です。以前にアップした"Date With The King" や"White Christmas"も捨て難いですね。

ビル・エヴァンスの朝

2006-07-16 00:25:38 | jazz & vocal
Explorations/Bill Evans
(Riverside SMJ6038)


 ビル・エヴァンスはジャズを聴き始めるとその過程で誰もが一旦は通過するアーチストの一人だと思います。とくにこのアルバムを含むスコット・ラファロ参 加の4枚はいろんなところで紹介され演奏については申し分がなく4枚のアルバムに順序をつけることは無意味なことかも知れません。ジャズ聴き始めの100 枚なんて企画には必ずと言っていいほどポートレイトインジャズとワルツフォーデビーは登場していると思います。聴き始め300枚の企画になるとこのエクス プロレーションズやサンデイアットザビレッジバンガードも入って来るのではなんて勝手に思ったりしています。でもそんなに簡単じゃないのがビル・エヴァン スだと思います。自分も例に漏れずワルツフォーデビー,ポートレイトインジャズの順で購入していきました。でも当時は,エヴァンスのすばらしさが良く理解 できませんでした。最初の100枚の中にはソニークラーク、ケリー,マイルス,コルトレーン、ブラウニー、MJQ、パウエル,モンクなんてのがあった訳で すが,エヴァンスのアルバムのインタープレイ、リリシズムなんてのはファンキーにそしてハードにスィングする他のハードバップアルバム群とは一線を画して おり何とも???という感じでした。

 新潟での学生時代に開店したブラックライオンレコードの開店の日に,その餌箱から1000円しない値段で購入して来たのがこのエクスプロレーションズで す。当然国内再発盤で現在もこのアルバムを愛聴しています。何を思ったのかビクターはこの一連のリバーサイドの再発にグリーンのマイルストーンレーベルを 貼付けたのですが、今考えれば奇妙な盤ですね。先に購入していたワルツフォーデビー,ポートレイトインジャズに今ひとつピンと来ていなかった自分でしたが なぜかエクスプロレーションズはすんなり入っていけました。丁度,耳がこなれて来たのと入手のタイミングがジャストで合致したのかも知れません。イスラエ ルとナルディス両面のトップを飾る2曲が好きでした。エヴァンスの中ではmost favoriteです。 別に新潟は都会ではないですが(自分が暮らして来た人口3万人の田舎町に比べるとちょっとした都会でしたが・・・)この2曲、どちらの曲を聴いても,針を 落としたとたん頭の中に都会の早朝のイメージがひろがって来るんです。喧騒がはじまる前のしずけさ、車の音なんかきこえません。どんよりした空、窓を開け ると妙にひんやりした空気が入って来て,遠くに工場から吐き出される煙が横に流れている、そんな構図がなぜか頭の中を支配するのです。自分にとっては情景 がある特殊なふしぎなジャズレコードです。

 このアルバムには皆様もいろんな思いや感想をお持ちかと思います。でも、こんな情景が浮かんでくる不思議なアルバムってありますか?

♪ベイビー・ベイビ・ベイービ♪

2006-07-15 02:22:15 | jazz & vocal
Baby, Baby, Baby/Mindy Carson
(Columbia CL1166)


 いきなり♪ベイビー・ベイビ・ベイービ♪とやられただけでノックアウトされてしまった感じをいつも抱いてしまうタイトルチューンです。マイアミでのバ ケーション中にナイトクラブで唄ったキャンディ会社の秘書がこれをきっかけにしてニューヨークのショービズ界で重要な役を演じるようになり,TV,ラジオ でも活躍するようになったと言う、まさにアメリカンサクセスストーリーを持つシンガー、アクトレスが今日の主役ミンディ・カーソンです。特にトリックを使 うような唱法ではないですが,声は快活でナチュラルで聴いていて気持ちのよいシンガーですよね。吉祥寺の某ジャズ喫茶の店主が絶賛するシンガーでもありま すよね。

 ここでは2つのオーケストラがバッキングをつとめています。サイドAはバラード中心の歌唱が聴かれる構成で演奏はGlenn Osser Orchestraです。その1曲目が上で述べたタイトルチューンです。この出だしがすばらしい。でも聞き物はむしろサイドBのスィンギーなナンバーが集 められたサイドです。Sherman Edwards Orchestraなサトルなリズムに乗って彼女のdelightful voiceが冴え渡ります. "I Can't Give You anything But Love"や"I Found A New Baby"のノリのある歌唱はなかなか聴かせてくれますよ!

 カバーは前述の某ジャズ喫茶の店主のいくつかの書物に紹介されていますのでご存知の方も多いかと思います。やはりカバーの配色,ミンディのベアトップの 白いドレスに手袋のいでたちは彼女の美しさをより引き立てていてこのましいですね。米コロンビア6eyeのプロモ盤で白いレーベルに赤目が6個です。

ジョードゥのオリジナル録音

2006-07-14 02:06:57 | jazz & vocal
Jordu/Duke Jordan
(Vogue YX8019 jp reissue)


 ジョードゥというと幾度となく数多くのプレーヤーによって演奏されて来たジャズスタンダードの名曲です。もちろんこのタイトルは今日の主役デューク・ ジョーダンの名前の頭をとって逆にしただけであることは皆さんご存知のとおりです。ローチ・ブラウン,パウエル,ポールウィナーズ、バルネ・ウィラン等今 すぐ思いつくだけでもこんなに名演が多いジャズスタンダードはモンクのラウンドアバウトミッドナイトを除けばそうあるものではありません。これのオリジナ ル録音を含む初リーダー盤がこのヴォーグ盤です。プロデューサーはフランスを代表するピアニスト,アンリ・ルノーですよね。彼はこの時代,アル・ヘイグや ジョージ・ウォーリントン,ブラウニーのヴォーグ盤などアメリカの名だたるジャズメンを欧州に紹介したことでもその功績は十分に評価されるものです。  

 メンバーはジョーダンのピアノ,ジーン・ラミーのベース,リー・アブラムスのドラムのトリオです。リーのドラムがやや荒削りな印象ですが,Jorduを はじめ、Scotch Blues, Embraceable You, Darn That Dream, そしてThey Can't Take that Away From Me等、後の彼の重要なレパートリとなる曲をじっくりと弾いている感じが伝わってくる初リーダー盤らしい演奏だと思います。哀愁漂うフレーズ、それでいて 明快なタッチと彼の演奏,コンポーザーとしての魅力が横溢した仕上がりです。この辺りの曲はシグナル盤と重複がみられ、取り上げられた曲への彼のなみなみ ならぬ思いも感じられます。70年代,彼はスティープルチェイスから復活ののろしを上げ,フライトツーデンマークで再認識される訳ですが,80年台後半に 彼のソロライブを聴いたことがあります。会場は高知のアルテックというジャズ喫茶でしたが,鍵盤を叩く動きが見えるぐらいの至近距離でした。予想していた より大きな体躯,大きな手の持ち主で、やはり前記のパートリーやno problemを聴かせてくれました。病気のためか足が少し不自由な感じで、しわがれ声で淡々と曲を紹介しながら弾いていく彼の姿を見ていると痛々しい所 もあり涙が込み上げてくる感じでした。自分のfavorite pianistの一人です。  

 当然の国内再発盤(東宝レコード)です。もう半世紀以上前になりますが自分が生まれた街のひなびたレコード屋さんに歌謡曲と並んで売られていたアルバム だったと記憶しています。昔は,廃盤はこんな格好で地方都市の小ちゃなレコード屋さん絶版になった後も売れ残って見つかることがありましたよね。良い時代 でした!