Bud Powell In Paris/Bud Powell
(Repries R-6098)
(Repries R-6098)
ジャズピアノの巨匠バド・パウエルについては既に語り尽くされブルーノートやVerveの初期の演奏の素晴らしさについて至る所で賞賛の弁が聴けるとこ ろは皆さんご存知のとおりである。パウエルはBNの"The Scene Changes"録音の後,その拠点をフランス・パリに移すわけですが,パリでの生活は持病に加えて強度のアルコール依存の状態があり、ヨーロッパ録音に ついては好不調の波が大きく諸批評家の辛口コメントは良く耳にします。
このインパリについては、その中でも好調なパウエルを捉えた録音としてジャズファンには必聴の名盤として知られています。トリオのメンバーも Gilbert Rovere(b)とCarl Donnell "Kansas" Fields(ds)で過去の名盤のようなビッグネームではありません。演奏については。この時期にしては好調なパウエルが聴けるわけですが、われわれ ジャズファンにとっては有名曲目白押しの選曲がその人気の最大の理由であろうと思います。サイドAの"How High The Moon"で既にニンマリとしてしまいます。そしてこのアルバムのハイライト"Dear Old Stockholm"が続きます。短いですがこのディアオールドの存在がこの盤の最大の魅力になっていると自分は信じています。その後の"Body And Soul", "Jordu"も素晴らしいですね。B面も有名曲ばかりで"Reets And I", "Satin Doll", "Parisian Thorougfare", "I Can't Get Started with You"とパウエルのピアノで聴くスタンダード集とも言うべき編集です。
こういう肩の凝らないパウエルがやはり好きです。 現在はオリジナルモノラル盤で聴くことが多いですが。丁度ジャズを聴き始めに購入した国内再発ステレオ盤はパウエルのアルバム中、最もターンテーブルに のったアルバムだと思います。そうそう、学生時代に通いつめた新潟ジャズ・フラッシュにこれしかリクエストしない中年男性(名前は失念!)がいましたが、 彼元気でしょうかねぇ?