The Song Is Paris/Jackie Paris
(Impulse A-17)
(Impulse A-17)
時折感じられる音的表情が何となくナット・キング・コールを思わせる黒人シンガーがジャッキー・パリスです。1926年生まれと言うから結構キャリアの長いシンガーです。エラをきいてから音楽に興味を持ち最初に手にした楽器がギターであったと言います。ジャッキーのアルバムはMGM,brunswick, emarcy, east・west,Timeそしてこのインパルスといずれもちょっと前は幻盤であったことは記憶に新しいですね。日本のレコード会社の幻盤の再発ですこしづつ彼のベールははがされて行ったわけですが、なんだかんだ言いながらこの再発作業に便乗して国内盤を買い足しジャッキーのことが少しづつ判るようになってきた。彼のちょっと引っ張るような独特のフレージングもさることながら、彼のギターも聴けてしまうのがこのインパルス盤です。
渋い選曲なので少し地味な印象があるアルバムですが彼の実力を余すところなく示した1962年の録音です。A面はBobby Scottストリングスがバッキングをつとめます。"Duke's Place"や"Tis Autumn"の名唱も聴けますがハイライトはB面の5曲です。Hank Jones(p), George Duvivier(b), Roy Haynes(ds)のトリオを相手に唄うジャッキーを聴くことが出きます。ウエストサイド物語の"tonight"の歌唱、バックのハンクのピアノが最高です。問題はB-3のThad Jonesのオリジナルブルース"Thad's Blues"ではギタリストに徹しています。B-5の"Cinderella"でもギターを弾きながらミディアムバウンスの粋なボーカルを聴かせます。
所有盤はインパルスのモノラル盤,オレンジ/黒ラベルです。小ちゃなピンホールがあるカット盤ですがRVGのサウンドは健在の一枚です。