マイティ・ミック

2009-01-09 22:25:34 | 雑感
野球で三振をするのは非常に格好が悪いものだ。

ミッキー・マントルは生涯で1773個もの三振を喫した。しかし人々の記憶は三振するミッキーではない。

ミッキーマントル、史上最高のスイッチヒッター。
ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、ジョー・ディマジオと連綿と続いたヤンキース帝国の正当継承者にして50年代・60年代を代表する文字通りの国民的スーパースター。リーグ優勝13回、うちワールドシリーズ制覇7回。生涯に放った536本のホームランはその飛距離が桁違い。1953年4月17日に放った特大弾はギネスブックも公認した世界一の172メートル。1963年5月22日に放った1発はヤンキースタジアムのライト最上部の鉄傘に直撃して跳ね返り、もう少し打球が高ければ場外ホームランという驚愕の一打だった(ちなみにヤンキースタジアムでは場外ホームランは出たことが無い)。ヤンキースタジアムの「ライト後方」がどういう作りか写真で見てほしい。もはや人間業ではない。

マイティ・ミックは人一倍多くの三振を喫したが、人々は稀代のスラッガーとして記憶している。それはマントルが生涯を通じて「特大の一発」「誰よりも遠くへ」に拘って来たからである。どういう失敗をしたかは重要ではない。何を成し遂げたかが重要だ、ということが良く分かる。

失敗は既に過去である。そこから何を学ぶかが、そしてどう過去の失敗に対応するかでその人の人生は大きく変わってくる。もしマントルが三振を恐れコンパクトなスイングをしようとしていたら、彼は国民的アイドルとして死後もここまで愛されたであろうか。

自分の特性に拘る、強みに拘ることが何よりも重要だということを示しているように思う。弱点を完全になくすことはできない。でも強みを更に伸ばすことはできる。自分の強みは何なのか、よく考えることが大切だ。


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