繰り返しになりますが,発表待ちの人で今やっておくと最悪のケースの場合に助かるのが,今年の本試験の総括だ。何かと「再現答案を作れ」というアドバイスが飛び交うが,再現答案を作ることは「目的」では無い。あれは総括する為の一つの「手段」である。大体,9月に「再現」したってもはやそれは「再現」とは言えない代物である。何を(各論点につき規範部分,事実部分),どのような分量(記載事項間の比率が重要である)で,どう書いたか(実際の表現態様)で合否が分かれる試験であるから,「なんとなくあの論点は書いた,これは書いていない」,という程度の「再現」では何の役にも立たない。頭を使わないと駄目である。
成績表が返ってきて,実際の点数を見てしまうと,「総括」にバイアスがかかる。点数悪いから悪い部分をとにかく捜す,となってしまうのである。なので,成績が届く前に(先入観の無いうちに),自分なりに出来・不出来のチェックをしておく。もし自己評価では出来た方だと思っていたのに点数が悪ければ,非常にマズイ感違いを起こしていることになる。当局が求めているものと自分で良いと考えていることが危険水域でずれているということを意味するからである。来季合格への突破口はまずそこにある。
自分なりに上手くいけたと思うこと,拙かったと思うこと,足らなかったこと,後悔したことなどのリストも作っておく。できれば,問題文の事情で使用した部分,どう書いたかも記憶を喚起しておきたい。
発表まで1週間を切り,正直勉強どころではないであろう。しかし,今の時季にしか出来ないことと言うのはある。漫然と過ごすのではなく,保険のつもりで,総括くらいはしておくべきである。