http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120920-00001050-yom-soci
>今年度の入試の結果を分析したところ、法科大学院志願者が受ける共通テスト「適性試験」の成績が全受験者の下位15%未満の者を合格させた法科大学院が18校あった。うち1校は、10人以上も合格させていた。大学名は公表されなかった。
報告書では、適性試験の成績が低い受験者について、「一部例外を除き、入学後の成績も伸びず、仮に修了できたとしても司法試験に合格していない」と指摘。下位15%をめどに最低基準点を設け、入学させないようなシステムにするよう求めた。
適性試験のスコアと司法試験の合否の相関関係は正比例はしていないと思うのですが,ある程度の関連性はあるでしょう。ただ,個人的には,それは適性試験が法曹としての適性をジャッジできているからでは無いと思います。以下重要です。
常々感じていることがあって,「司法試験対策云々」以前に,そもそも「受験勉強」の仕方が分かっていない人が多い,という印象を強く持っています。「勉強の仕方」,「実力の向上の仕方」などの「イロハ」自体が分かっていない人がたくさんいる。これは目的意識の欠如とも重なるので,「司法試験対策ができていないから」,という感じに結果的にはなりやすいんですが,いや,そもそも「勉強の仕方」が分かっていない,というところに問題があるような気がします。
上記記事も適性試験で下位15%の点を取る人は,「頭の良さ云々」の問題ではなく,そもそも「勉強の仕方」が分かっていない,「点の取り方」が分かっていないのだ,という意味に解釈すべきではないだろうか。なので,対象がローの定期試験や司法試験に変っても,点が取れないことに変わりは無い。多分どんな試験を受けても結果は芳しくないと思う。それは「そもそも論」に問題があるからである。旧司法試験の問題をゼミ等で「やったことがある」という人が多いけど,「で?」って思うわけです。「覚えた?処理手順身につけた?」と聞くと,やりっぱなしの人が多い。何のために解いているのかが分かっていない。「暗記できない」という悩みも,「今まで暗記しないといけない時にどうしていましたか?」とむしろこちらが聞きたいくらいである。暗記云々は,単純にやる気の問題だ。大学受験の世界史なんかの勉強と比べて,内容が高度で暗記量が多く,大変なのは「当たり前」じゃないかと思う。加齢による記憶力の低下も考えれば,今までと同じようなやり方で追いつくわけが無い。
それから合格率の悪いロー生は,「やりきる」ということ,「自分に厳しく」ということ,この2点において重大な問題を抱えているのではないか,と強く感じる。要は目標の高さに比べ「自分に甘い」。一日の勉強時間の長さもそうだし,目標貫徹率(計画通りにいかないと,すぐ諦めたりしないかどうか),1日の中で無駄話をしている時間の長短,自分にストイックになれる程度,様々な要素があるが,もう1度厳格にセルフチェックして欲しい。貴重な人生,無駄にしてはいけない。