復習する際のポイントは,「分析の視点」を覚える,という点です。論点を覚える,答案構成そのものを覚える,というのも勿論大事ですが,こういう場合にはこういう観点からアプローチする,という「分析の視点」も記憶の対象に入れて下さい。講義ではこの点を意識的に指摘しています。特に「論点らしい論点が無いような問題」「典型論点を問うているわけではない問題」等の場合に威力を発揮するはずです。
大体,「目の付け所云々」も,「目のつけ方自体」を知らなければ,そもそもできっこありません。ある程度,「分析の視点自体をマスターしておくこと」はある意味常識,当たり前の作業です。この点を自覚できていなかった人は注意して下さい。
それから,民法ではある意味他の科目以上に「結論の妥当性」が本っ当に重要です。いくら理論が秀逸,筋が通っていても,当事者が結論に納得できないようでは,「民事事件の紛争解決」という目的からはお話になりません。何だか論点が良く分からないファジーな問題が出たときは,まずは自分としてはこういう結論にしたい,落としどころはこの辺にしたい,というのを出し,そこに上手く着地できるような理論構成を試みる,というのが良いです。
また、主張反論については、まずは各当事者の立場に立って、生の事実からの主張(日常生活的な意味で何を言いたいか)を考え、それを法的に構成してみる、という段取りを踏むのが効果的です。条文構造の、本文・但書も利用しましょう。