今年の冬は全般に雪が少ないというが、私の居住地周辺に限って、決してそんなんではなかった。ついひと月前の2月上旬、町内あげての排雪作業が終わった途端、ドカ雪に見舞われ、排雪前に戻ってしまったのには、たまげたなんてもんじゃなかった。雪の重みで古い車庫の屋根が抜けるかと心配したり、2月下旬には季節外れの暖気がやって来て、屋根からドロドロの雪が落ちるのを心配したり、右往左往するうちに大雪の話題をブログに乗せそびれてしまった。
しかし、こんな雪のことはどうってことはない。この間、人の生き死になど、あまりにもいろいろあり過ぎた。時はくるくる回転する駒のようにどんどんスピードを上げていくが、頭の方はそれに追いつけなくて、茫然と成り行きを見守るばかり。自身が年を取るというのは、同伴者がじわじわいなくなることだと理屈では分かっていたつもりなのだが、30年来の友人Mが亡くなってからしばらく経ったころのこと、ふいに、親をはじめ多くの人々を失ったことを思い起こし、なんとも言えない寂しさにとらわれた。まさか自分の心がこんなに繊細に揺れ動き、ふさがるようなことがあるとは、まだ信じられない。
ところで、はなは、今日で満15歳になった。食欲も体形もおしゃべりも若かりしころとまったく変わりがない。ただ体のキレが鈍ったのは確か。ふと、はなを見たら、父しゃんの反射神経の衰えはいかんともしがたい、と言いたげだ。(2019.3.7)