今朝の雲の写真。さんまとともに、いわし雲(うろこ雲とも言う)がやってきて、いよいよ秋真っ盛りを感じさせる。
この写真を撮る前のこと。家から出がけに、はなが、二階の窓際の狭い板によっこいしょと飛び乗って、「外へ出たいよ」と言う。一階の屋根に通じる窓を開けたら、はなは慌てた様子で、大きな身体をパッと翻して飛んだ。私も窓からのぞいてみると、上空の電線に小さな鳥が二羽留まっていて、しきりにさえずり合っている。はなは意味がわかるのか、口をすぼめて応答している。
アマゾンには鳥語をしゃべる少数のヒトがいると聞いたことがある。中国の紀元前後を記述した文献には、東方海上の島々に野蛮なヒトが住んでいて、彼らの言葉は、鳥のさえずりようにうるさくて耳障りだと書かれている。そもそも言語という高度な意志伝達手段の始まりは、動物の鳴き声(シグナル)にその源があるとするのは理にかなっていると思うが、なかでも鳥のさえずりの多彩さは、ヒトの言語にもまさるのではと、何の根拠もなくそんな気がする。
電線の鳥は見る間に増え、二十羽、いや四十羽くらいの大集団になった。はなは急に黙ってしまった。私は時間がないので、はなを置き去りにして家を出た。
雀より一回り大きい鳥たちは、毎年春秋にこの地を訪れ、上空からかなりの量の糞をまいて、一、二週間で姿を消す。(2014.9.29)