〈総合博物館1929年建造〉
今日は暑い日だった。ちょっとした用があり、数十年ぶりで北海道大学の広大な敷地内を歩いた。自分が通った学校ではないのだが、一瞬、50年あまり前の学生だったころに戻ったような気分に襲われた。きっと暑さにやられたのだ。
ふと見上げると、「中央食堂」の看板が掲げられた、安普請の古びた建物の前にいた。一度大学を辞めた私は、復学後、学生食堂のアルバイトで食いつなぎながら、卒業までの約2年間、卒論テーマの龍のことばかり考えていた。学食の独特なにおいを嗅いで、そのころの日々の記憶が頭の中によみがえったのかもしれない。
日蔭に入ってしばらくすると、さらに時をさかのぼり、大学受験の勉強を拒否していたころの自分が現われそうになったので、びっくりして正気に戻ったのだった。(2022.7.26)
〈旧図書館、旧昆虫学養蚕学教室〉