黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

コンビニ

2014年11月27日 12時01分49秒 | ファンタジー

 昨日の午後のこと、同じ建物にあるコンビニへ入った。繁忙時を過ぎ、店内は閑散としていた。ペットボトルのお茶を一本手に取り、レジへ向かった。客が一人、支払いをしている。二番目なので、すぐ順番が来ると思っていたのだが、何か複雑な計算があるらしく、なかなか終わらない。
 隣の只今閉鎖中の看板が置かれたレジでは、年配の店長らしき男性が下を向いて何かやっている。女性の店員さんなら、待っている客をみつけたらすぐレジを開けるのだが、彼はこちらに気づいているのかいないのか、何のアクションも起こさない。
 私は、いよいよじれてきて、目の前の客の肩越しから、ペットボトルを振り、所定の料金をレジのテーブルにポイと載せ、袋に入れなくてもいいですから、と突っけんどんに言い捨てて、店から出ようとした。レジの女性はすぐ、お待たせして申し訳ありませんと言い、レジの金額読み取り棒を熊手のようにかざし、読み取らせて下さい、と大慌て。そのとき、先に並んでいた客が、振り向きざまに、ごめんなさいと丁寧に頭を下げるではないか。まだ若々しい男性だった。こちらのわがままに、客まで巻き添えにしてしまったと、そのとき後悔したが、先に立たず。
 年取るほどに、列という列に並びたくないために、次の電車を待つといった性癖がいっそう際立ってきた。先が短いからといって、気まで短くなってはいけない。(2014.11.27)
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雪虫

2014年11月21日 10時10分00秒 | ファンタジー

 今年は雪虫(ユキムシ)を見ていない。この地域では昔から、雪が降り出す数日から一週間くらい前に、必ずと言っていい確率で、この小さな虫が飛ぶ姿を目にする。真っ白な真綿を背負ったような可憐な姿で、ふわふわというか、ふらふらというか、あまりにも頼りない飛び方をするので、雪が来るのは嫌なのだが、この虫を見ると何だか心が癒やされる。
 一匹も見ていないと思っていた矢先、口伝てに、雪虫が飛ばない年は雪が少ないという話を聞いた。そもそもアブラムシの一種の彼らは、樹木の上で数年かけて成虫になるという。成虫の証が白い綿なのだそうだ。雪が降らなければ、成虫になって産卵しても意味がない、つまり育たないのだろうか。それとも、自然環境の変化などが原因で、そもそも成虫になるべき幼体の虫がいなくなったということなのか。とにかく一冬越せば何となく事情が見えてくるだろう。
 彼らが雪を予感する能力を持つという説はひじょうに興味深い。この「黒猫とのべい」ブログの冒頭の記事、「ハクセキレイ」を書いたのも、動物たちの予知能力に驚いたのがきっかけだった。この家に「はな」がやって来る直前の早春、ハクセキレイたちは、玄関の庇の上に何度も巣作りを試みながら、まだ見ぬネコの姿に怯えるかのように、結局、前年の巣を放棄した。
 今朝、久しぶりで駅まで二十分ほどの道を歩いた。舗装されていない地面には霜柱が立っていた。靴底から土と氷のぶつぶつとした感触が伝わってきて気持ちがよかった。(2014.11.21)
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お客さんだよ

2014年11月12日 09時11分37秒 | ファンタジー

 玄関のチャイムが鳴ったので、目が覚めました。
 まだボンヤリしてます。
 はなは、お客が大好きです。
 父さん母さんがチャイムに気づかないときは、「お客さんだよ」と鳴いて教えます。(2014.11.12)
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祝日はハッピーな気持ちで過ごしたい

2014年11月06日 16時12分07秒 | ファンタジー

 ネコのイメージとはどんなかな?とネコ熟語やことわざを探してみたら、あるはあるは。
「化けネコ」「ネコに小判」「ネコ撫で声」「ネコじゃらし」「ネコかわいがり」「ネコも杓子も」「ネコの目」「窮鼠ネコを噛む」「ネコの額」「ネコまんま」「ネコに鰹節」「鳴くネコは鼠を捕らない」「ネコじゃネコじゃ」「招きネコ」「ネコの手も借りる」「借りてきたネコ」「ネコ被り」「ネコばば」「ネコの首に鈴をかける」「ネコにまたたび」「ネコに紙袋(かんぶくろ)」「上手のネコが爪を隠す」などなど。
 ネコは、大昔からほんとに愛らしい生き物だったと感じる。それと同時に、まったく正反対の評価を受けていたことがわかる。凶暴・おとなしい、利口・おばか、ずるい・正直、単純・扱いにくい、几帳面・ものぐさ、表の顔・裏の縞々毛。つまりネコとは、まれに見るとらえどころのない生き物ということになる。しかし、ネコに限ったことではなく、そうした何とも論評しがたい事柄は他にもたくさんある。
 最近、ネコジャン国で話題に上っているのは、「ウミの日」という祝日。制定時は、日付固定だったが、数年後、土日の次を祝日にするハッピーマンデー制導入のとき、海なので何日でもかまわないということで、毎年月曜日になった。
 ところが、いまどき急に、日付固定制に戻そうという気運が高まってきた。理由は、祝日制定の趣旨が、いにしえのこの国の君主が全国を行幸し海から帰還した日を記念したものなので、日付を石のように固定すべきであるというもの。しかし、ハッピーマンデーにしたときは、海の恩恵に感謝する気持ちを深めよう、という祝日の趣旨を巡って、ああだこうだと議論は何もなかったのだ。
 どちらの考えの肩を持つわけではないが、今ころになって持ち出してきた、いにしえの意義というものに何となく、きな臭さを感じないわけではない。その君主在世のころ、このネコジャンがまだ、ギンギンに陸海空の武装をしていたことも引っかかる。「ウミの日」をクローズアップすることによって、再武装化に踏み出すひとつのきっかけになればいい、と考えているネコの方々がいないことを祈る。(2014.11.6)

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