聞くところによると、俳優の榎木孝明氏が水と飴だけのほぼ完璧なダイエットを一ヶ月間続けたそうだ。彼は日常的に、一日一食とか数日間飲まず食わずとかの実践をしていたという。その間、空腹を感じたことがないのはびっくり。
私の周辺にも、朝抜き昼蕎麦夜酒だけの人、炭水化物拒絶症の人、菓子パン二個分のカロリー(千キロカロリー以下)の人など、そんなんで大丈夫と、つい口を出したくなる様々な食生活のパターンがある。なかには栄養分の摂取を断ち身体を飢餓状態にするとガン細胞を死滅させられる、と主張する人さえいる。
生理的欲求が特別強いわけでない私のような者にとっても、こんな過酷な食生活は一日だって続かない。まして、食べない方が爽快、などという榎木氏の境地には生きている間たどりつくことはないだろう。
それにしても、主食を必要としない人が増えるとしたら、この文明に劇的な変化がもたらされることは明らかだ。食文化・農業と関連産業は根こそぎ壊滅。TPPを締結しても農業分野では輸入するものがない。
そのようなことが起きたとしてもたいした問題ではない。彼らは、進化の過程で生まれた亜種なのだと考えられるが、彼らほど地球上のエネルギーを大切にする生物はいない。もしも彼らが本流になったとしたら、ヒトや他の生物たちの、他者の物を奪い合う争い事がなくなり軍事面でも省エネになり、それこそ地球自体の寿命もV字回復するだろうというような気がする。(2015.7.30)