今年に入って不調なことがもうひとつある。
私は暑いのはからっきしダメだめだが、寒さはさほど気にならない体質だと自認していた。子どものころはみんなそうなのかもしれないが、凍てついた屋外で何時間も雪まみれになって遊んだ。今思うと、凍傷にならなかったのが不思議だ。高校時代はよく、学校さぼって寒い街を暗くなるまでほっつき歩いた。真冬だって、一張羅の学生服を身にまとい外套も着ないで。
ところが、10日ほど前、ある作業のため、2時間ばかり極寒の外気に吹かれていたら、だんだん両手がしびれてきた。防寒コート、吸湿発熱タイプのももひきを着用し、毛糸の帽子をかぶり、軍手に毛糸の手袋を重ねてはき、防寒は完璧だと思っていたが、手袋を脱いでビックリ。左の人差し指と中指の付け根から甲にかけて、ぶす青黒い。手袋が少し薄かったのか。ひたすら手の甲をさすりながら帰宅して、テレビで気温を確認するとマイナス8℃だった。
さらに、翌日、排便したら肛門の辺りに変な痛みが走る。恐る恐る触ってみるとぼっこりしたものがある。去年の冬も同じようなことがあり、肛門科の薬に1ヶ月お世話になった。この度は薬局に行き、中年の薬剤師さんに症状をあからさまに伝え、注入軟膏とチューブ入りの軟膏を調達した。確かに寒かったが、こんなことで凍傷気味になったり痔が腫れたりするとは、なんて脆い身体になってしまったのかとつくづく思う。
正月明けの中学のクラス会で会った同級生が自身のことを老けた老けたと嘆くので、私は相手を思いやって、お互い身体の衰えは如何ともしがたいと慰めたばかりだった。何ということか、彼一人が老化したわけではなかった。
はなだって、いつのころからか雪が降ったらぜったい外に出ない軟弱なネコになった。はなは、ほんとうに、寒さに強く粗食に耐え人にやさしいノルウェージャンなのだろうか。そろそろシャムとかイリオモテネコの毛皮に着替えたらいいんじゃないのか、と毒づいたら、はなの耳が真後ろを向いた。(2018.1.26)