今年になって、ホルモンバランスの崩れが原因の更年期障害ではないかと思われる症状が、強く弱く、しつこく現れていることについてはたびたび書いている。
先週の数日間は、朝、目がさめると同時に、闇の中に落ち込んでいくようなウツウツとした気分に襲われた。そのときの私の状態は次のようなものだった。
一、右膝の皿が浮き上がってカクカク外れそうな感じがする。
一、声帯に声が引っかかって出てこない。出るのは咳と痰ばかり。
一、後頭部が氷水を浴びせられたように冷たく、その悪寒が全身に広がっていく。
一、右耳の耳鳴りが急にギンギラギンと大きくなり、うるさくて滅入ってしまう。
こんなことが輻輳して起きてくると、寝ていても座っていても立っていてもイライラして気分が晴れない。仕方がないので、ねじり鉢巻きして、怒りと焦りと恨みとあきらめの言葉をない交ぜにしたブログを書いて気を紛らせようとするのだが、せんなし。
「せんなし」とは「栓無い」ことで、何やってもうまくいかないときに、ため息とともに口から漏れ出し、ネガティブな感情にぴったり寄り添う言葉で、切ない味わいがある。
グチグチ言っても埒があかないので、半日休んで病院へ行った。膝は整骨院で看てもらうと、大腿の何とかいう筋が凝り固まっていて、皿の動きを悪くしているとのこと。問題は喉の方。以前の美声が出にくくなっていたので、思い切って検査施設が整った総合病院へ行ってみた。レントゲンを撮り、先端がピカピカ光る管を鼻の穴から通す検査を受けた。結果は問題なし。加齢ですね、もう若いころの声は取り戻せません、とのこと。加齢と言われてこんなにうれしかったのは初めてだ。
ちょうど先週から、ずるしないで毎日ブログを掲載してみようとしていたところだった。気分が落ちているときは落ち込んだ言葉を探し、ポジティブなときはそれなりの言葉を思い浮かべてみれば、どちらの場合も、ものを書くには不自由がないことが、だんだんわかってきた。(2015.10.28)